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第一話「それは大切な日常なの?」⑤

今日から連休ですね。
10連休、という方もいらっしゃるかと思います。
旅行に行きたい。温泉にゆっくりとつかりたい。
と、妄想に明け暮れるばかり。

第一話はここまでになります。
次週より、第二話「すれちがう二人の想いなの」
に移ります。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第一話「それは大切な日常なの?」⑤
になります。




 同時刻 八神家

「何やもう、これでもかー、言うくらい見せ付けられた感じやなぁ」
「だからほっとけって言ったじゃんかよー」
「何だか見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうわね・・・」
 モニターに映るなのはとフェイトの会話の一部始終を見ていたのは、守護騎士たちとその主の八神はやて。
 学校での件が気になったはやてが、シャマルに現在の二人をサーチさせたのだ。気になったとは言っても、それは心配ではなく、二人の痴話喧嘩がどういった解決を見たのかという、純粋な野次馬精神からくるものであったが。
「主、やはりこのような無粋な詮索はいかがなものかと・・・」
 と、リビングに戻ってきた烈火の将が嗜める。
「お、シグナム。リィンはもう寝たん?」
「はい。さっきまであれだけはしゃいでいたのに、不思議なものです」
「子供ゆうんはそういうもんやよ」
 モニターを消し、うーん、伸びをするはやて。
 カリムと知り合うのと丁度同時期に生まれた新しい家族。
 夜天の魔導書、その管制人格『祝福の風(リィンフォース)』の名を受け継ぐ八神家の末っ子、リィンフォースⅡ。
 この子のお陰で、八神家は更に明るくなり、家族の絆もより強固なものになったとはやては感じている。
 惜しむらくは、この温もりを先代リィンフォースに分け与えてあげられなかったことだ。
 この子には先代の分まで幸せになって欲しい、というのが八神家の総意であった。
「・・・主。話を誤魔化さないでください。やはり人のプライベートを覗き見るというのは人としての品性に欠けた行為であるように思えます。主には・・・」
「・・・そやかてシグナムもフェイトちゃんのこと気になってたんとちゃうの?」
 シグナムのお説教を何とか遮りながら、違和感を覚える。何だ、この既視感。・・・あぁ、なるほど。さっきのカリムとシスターシャッハだ。
「わっ、私は別に・・・。テスタロッサのことなど・・・」
「めっちゃ意識してんじゃんよ」
「ねぇ?」
「・・・・・・何だ?」
 シグナムにギロリと睨まれると、ヴィータとシャマルは明後日の方向を向く。このリーダーは同僚には容赦が無い。
「べっつにぃー」
「何でもありませーん」
 このまま有耶無耶になりそうだったが、それに準ずるのも主としてどうかと思う。将の主を想うその心には、応えてやらねばなるまい。
「まぁシグナムの言うことも道理や。今後は気をつけるよ。ただ、友を想う心配りということで今回は大目に見てな」
「そういうことであれば、やぶさかではありません」
 とは言え、この将も自分の主には滅法甘い。

「さて、では家族会議を始めようか」
 シャマルに目配せをすると、無言で一度頷く。
 それは、この会話が外に漏れないように遮蔽空間になっているかの確認。彼女に限って、抜かりなどあるわけがないのだが、これはあくまでも通過儀礼的なもの。
 そしてはやては今日カリムから受けた依頼内容を話し始めた。
「それはまた随分と厄介なことを引き受けちゃいましたね・・・」
 話を聞き終えたシャマルは苦笑して頬を掻く。
「しかし我が主であれば引き受けるのは当然の事だ。主が、騎士であり続けることを選んだ理由を忘れたわけではあるまい」
「んで、はやて、あたしたちは何をすればいいの?」
「んー、とりあえずは何もせんでええよ」
 ヴィータの頭を撫でながら答える主の笑顔は、守護騎士たちの動揺を誘う。
「この件に関しては暫くは、ううん、多分ずっと私一人で動くつもりやから。そのことをみんなに知っといてもらえればそれでおっけーや」
「そんな・・・。そのような危険なことを主一人でなど・・・」
「そんなこと言うても、みんなにも局のお仕事があるわけやし・・・。そして何より、みんなに頼まれへん理由は・・・わかるやろ?」
 守護騎士たちは沈黙をもって答える。
 ここ最近、海鳴市に所属不明の管理局魔導師が現れていた。
 そして彼らは海鳴に滞在している魔導師と騎士の魔力探査領域が及ぶ『ぎりぎり外側』にその身を潜めていた。
 それならば、何故八神家は彼らの存在に気が付くことが出来たのか。
 答えは単純にして明快。シャマルの探査可能な範囲は、管理局に報告しているよりもずっと広いからである。
 はやてがそのことを知ったときに、それはちょっと不味いんじゃないか、という話になったが、シャマルははやてを取り巻く環境を考えればこれくらいの嘘は必要です、と頑として譲らなかったのだ。それがここにきて役に立つことがあろうとは。
「未だに誰が狙われてるのか、はっきりせぇへんしな・・・」
「個人ではなく、我々海鳴にいる者全員という可能性もあります」
 とは言うものの、その標的は恐らく自分かフェイトであるだろう、という予想がはやての心にはあった。
 罪に問われていないとはいえ、被害者にとってはどちらも犯罪者であるという事実は消えない。そういう事を忌み嫌う人がいることも事実で、認識もしている。
 被害妄想も甚だしい、とクロノや守護騎士たちに怒られること必至だろうが、自分が暗殺される可能性はゼロではない、とさえ考えていた。誰にも話したことはないけれど。確認したことはないが、それに関してはきっとフェイトも同じ事を考えているだろう、とも思っている。
 ただ、だからといってその状況を甘んじて受け入れるつもりなど更々無い。
 生き永らえたこの命は、こんな悲劇を繰り返させない為のものだ。その上で散る命ならば、それで本望ではあるが。
 自分に死に方を選ぶ権利があるなんて思っていないけれど、私の中に溶けた祝福の風(リィンフォース)が残してくれたこの力で、救える命があるのなら。
 死ぬわけには、いかない。
 少なくとも、今はまだ。
「あっちが動かん以上、こっちからは手ぇ出せへんしな・・・」
「・・・そうですね」
「言うても二人ともエース級の魔導師や。何かあってもウチらが駆けつける頃には殲滅完了しとるかもしれんけどな」
「あはは・・・」
 冗談にならないところが恐ろしい。
「ふぅ・・・。なかなか世の中、平和にならんもんやなぁ・・・」
 はやては誰に言うでもなく、そう呟いた。
「大丈夫、はやて頑張ってるよ」
「それに、だからといって諦められる道でもありません」
「わたしたちは常にあなたとともにあります」
「大切なのは今を悲観することではなく、これからどうしていくか、です。我が主」
 予期せぬ守護騎士の励ましに、はやては両手で頬をパン! と叩いて気合を注入する。
「みんな、ありがとうな。家の末っ子が平和に暮らせるように、もぉちょい頑張ろか」
 主の問いかけに、騎士たちは力強く頷いた。


   ◆

 ハラオウン宅

「フェイトちゃんのお家にお泊りするの、久しぶりだね」
「・・・最近はなのはのところに行くことが殆どだったからね」
 以前はお互いの家を行ったり来たりしていたのだが、なのはが怪我をして以来、心配したフェイトが一方的に押し寄せる形になっていた。
 時計の針は丁度九時を指している。
 お風呂あがりの二人は、ベッドの上にぺたんと座る。これからお互い眠くなるまで延々と他愛も無いおしゃべりを続けるのが、お泊りの時の一番の楽しみ。部屋の電気を消して枕もとの灯りだけを点けると、一気に世界は縮まって、二人だけのものになる。誰が聞いているわけでもないのに、話す声が少しだけ小さくなって。そうして二人の世界は更に狭く、近くなっていく。
 二人だけの、秘密の時間。
 安心と、ドキドキ。
 ちょっとだけ、大人になったような気がした。
「フェイトちゃん、試験の勉強は大丈夫?」
「今のところ、順調、かな」
「・・・ごめんね、私のせいで」
 前回の執務官試験に落ちたのが自分のせいであることは、誰が見ても明らかだった。自分が怪我をしたせいで、勉強そっちのけで看病をしてくれていたのだ。
「何度も言ってるけど、あれはなのはのせいじゃないよ」
 フェイトはいつも、あれは自分が好きでやっていたことで、なのはが責任を感じることじゃないと言う。
 それでもやっぱり、それは無理な話で。
「あの状況で、頑張って勉強して執務官になれたとしても、それは私にとって全然意味が無いんだ」
 しょげるなのはにフェイトは優しく、諭すように語り掛ける。
「確かに執務官は大事な夢だけど、一番大切な人を放っておいてまで、叶えたい夢じゃないんだよ?」
 優しい響きは、暖かく心に沁み込んで、そして溢れ出す。
「・・・ありがとう、フェイトちゃん」
「もぉ、なのはってば。泣かないの」
 泣いてないよぉ、と言うなのはの閉じた目蓋をそっと指でなぞる。心が、潤う。
 それから、ちょっと眠そうだったなのはに膝枕をしてあげて、本当に取り止めもないようなことを延々と話しながら、遠慮無くなのはの顔を眺める。何て幸せな時間なんだろう、と思う。
「それでね・・・・・・って、なのは? どうしたの?」
 いつの間にか相槌も言葉も無く、じーっと自分のことを見上げてくるなのはに気恥ずかしさを覚える。
「お風呂のときにも、思ったんだけどぉ」
 眠さのせいか、口調がちょっと舌足らずになっている。
 ・・・お風呂?
「フェイトちゃん、また胸おっきくなったんじゃない?」
「そう、なのかな・・・?」
 あまり意識することの無い自分の胸を見下ろすと、そこにぽふっと自分のではない両手が添えられる。
 ずっとなのはの髪を梳いていたフェイトは、ずざざざざざっとベッドの端まであとずさる。
「なっ、なのはってば何をっ!?」
 枕を失ったなのはは仰向けからうつ伏せになり、のそりのそりとほふく前進で対象ににじりよる。その表情は見えず「うん、やっぱりおっきくなった・・・」と、ゆっくり頷いている。
「あれれー、はやてちゃんはよくて、私はダメなんだー・・・」
 獲物を追い詰めたなのははぼんやりとした表情で見上げる。ちょっと、怖い。
 はやての場合は殆どが不意打ちなので、こちらの意思など始めからないことはなのはだってわかっているはずなのに。その台詞は、ずるい。
「ダメじゃないんだよ? ホントだよ? ただ・・・・・・その・・・」
 ちょっと心の準備が必要なだけで・・・、とか、ホントは触っていいのはなのはだけなんだよ、とか心の中には浮かぶのに、そこから先は言葉にしようかどうか迷ってしまう。
 これは冒険なんだ、とフェイトは思う。
 勇気を出してこの一歩を踏み出せば、なのはともっともっと一緒のものを共有することが出来るかもしれない。もっと心の深い場所で繋がることが出来るかもしれない。
 でもそんな甘美なご褒美には、それ相応の危険も隠れていて。
 もしかしたらこの気持ちの盛り上がりは私だけのもので、拒まれてしまうかもしれない。引かれてしまうかもしれない。それによって、これまで築き上げてきた関係が壊れてしまうかも知れない。
 そんな不安が頭を過ぎると、恐怖で体が動かなくなってしまう。
 ほんの少しずつの勇気を積み重ねて作り上げてきた『今』を賭けることなんて、出来ない・・・。
「・・・なーんてね。もう・・・寝よっか」
 フェイトの心を察したのか、真剣だったなのはの表情は崩れ、照れ隠しにぺろっと舌を出す。
 もしかしたらさっきのなのはの台詞だって、私と同じ気持ちの中で振り絞った勇気なのかもしれなかった。それに応えてあげられなかった心の弱い自分が本当に情けなくて、惨めで、腹が立つ。それでも今は、危険な選択を避けられたことに安堵する気持ちが一番大きかった。
「・・・うん」
 いつか、もう少しだけ強くなれたらいいな、と思う。

 枕もとの灯りも消して、布団を被ると、夜よりも深い闇に包まれる。
 確かなものはしっかりと繋がれた二人の手のひらだけ。
 ようやく闇に眼が慣れてきて、お互いの顔くらいは確認出来るようになると、なのはが思いのほかしっかりとした口調で話を切り出した。
「最近ね、よく怖い夢を見るの」
 どんな? と尋ねると首を横に振る。
「眼が醒めると覚えてないの。でもすっごく怖かったのだけは覚えてる。心臓がいつもドキドキしてるの」
 心なしか、なのはの声は少し震えているようだった。
「眼が醒めて一人だと、もしかしたらもうこの世界には自分一人しかいないんじゃないかって凄く不安になって、涙が出そうになるの」
 だから、だからね・・・と震えるなのはの両手をギュッと包み込む。
「大丈夫。ずっと私が側にいてあげるから。悪い夢から醒めても、そんなのすぐに忘れられる様になのはのことを抱きしめてあげるから」
「うん・・・」
「眠っていいよ。なのはが眠るまで、ずっとこうしててあげる」
 安心したのか、それから静かな寝息が聞こえてくるまで、そんなに時間は掛からなかった。
 何て無垢な寝顔なのだろう。
「おやすみ、なのは」
 そっと、その額に口づけを。
 なのはの辛いこと、苦しいこと。全部変わってあげられたらいいのに。
 この命を賭けてなのはを守ると誓いながら結局、私は何一つ出来ていない。
 なのはの幸せを願うことしか出来ることが無いなんて、何て無力なのか。
 握っていた手をそっと自分の胸元へと導く。
 なのはが救ってくれた命、その鼓動。
 フェイトは静かにその瞳を閉じる。

 なのはが良い夢を見られますように。
 なのはがずっと幸せでありますように。
 そして、願わくばその側にずっと一緒にいられますように。

 それだけを想いながら、フェイトもまた眠りへと誘われる。
 繋いだ手はその想いの証か、ぎゅっと強く握りしめられていた。

 こうして今日も、海鳴の夜は更けていく。
 この時には既に、若き魔導師たちの運命は静かに、ゆっくりと動き出していた。
 夢の中にいる彼女たちは未だに、そのことを知らない。


 試練の時は、そう遠くない。


(第二話 ① に続く)



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Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

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≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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