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第二話「すれ違う二人の想いなの」③

久しく同人誌を買ってない気がする・・・。
よし、今月の給料が入ったら久々に秋葉原に行こう。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第二話「すれ違う二人の想いなの」③
になります。



   

 いつも、気が付くと立っている深い深い闇の中。
 しかし、今回はいつもとその様子が違っている。・・・人が、いる。・・・・・・私?
 そこにいたのは、幼い頃の自分だった。
 そこに、お父さんが現れる。しゃがんで幼い私と目線を合わせ頭を撫でながら言う。
『なのははいい子だもんな』
 ――ちがうよ。なのは、いい子なんかじゃないよ。
 幼い私の言葉は父親には届かず、父親は、闇に消えた。
 次に現れたのは、お母さんだった。同じように、しゃがんで私を撫でながら言う。
『なのはは強い子だものね』
 ――ちがうよ。なのは強くなんてないよ。強くなんて・・・。
 それも母親には届かずに、母親もまた、闇に呑まれた。
 その後現れたお兄ちゃんもお姉ちゃんも、幼い私を褒めて、でも呼びかけには応えずに消えていった。
 ――ちがうよ。みんなでなのはのこと、決めつけないで。
 なのは悪い子だよ、弱いんだよ?
 だからお願い、お願いだから。
 誰でもいいから、側にいて・・・。
 独りは・・・、独りは嫌だよぉ・・・。

 あまり思い出したくない、記憶だった。
 誰も幼い私が我慢していたことに、気付いてくれなかった。
 貰ったのは口先だけの賞賛と、応援。
 一番欲しかった、人の温もりを、誰一人与えてはくれなかった。

『だから、家族を信じることをやめたんだ?』

 背筋をなぞるような不気味さに、思わず肩が跳ねる。
 この闇の中に必ず現れる、あの声だ。
「・・・違う」
『あなたは家族から浮いているんじゃない。自分から、遠ざけているの』
 全てを見透かしたような言葉。自分よりも自分のことを的確に理解しているようなその物言いに、心はどうしても動揺してしまう。
 そうか、私は・・・。
 でも、この声に流されてしまうのは危険な気がした。本能が、そう告げていた。
『もう嫌だよね? 辛いよね? 裏切られるのは』
 それでも闇の声は的確に、私の心をなぞってきた。存在しない優しさの幻影に、心が包まれる気がした。
『フェイトちゃんさえいてくれれば、それで、いいよね?』
「・・・うん」
 初めて理解された気がした。生き方を肯定された気がした。
 それなのに。
『・・・本当に、そう?』
「・・・え?」
『信じちゃうんだ? フェイトちゃんのこと?』
 私を弄ぶかのように、いとも簡単に手の平を裏返す。
『あの娘はあなたのことを、裏切るよ?』
「・・・どうして?」
 真っ先に否定するべきだった。それなのに、動揺した私は浮かんだ疑問をそのまま言葉にしてしまった。
『あなたが勝手に信じただけだもの』
「っ!!」
 私の思考回路が、動きを止めた。
 心の生じた隙を、闇の声は見逃さず、一気に私を追い込んでくる。
『あなたの家族だってそう。あなたが勝手に信じただけ。だから裏切られたんだよ?』
 全ての声が、聞きたくも無いのに事実として脳に刻み込まれていく。
『我侭な女ね。自分勝手に信じただけなのに、裏切られたと勝手に傷付いて悲しむ。信じられた方はいい迷惑だよね?』
 足が震えていた。でもそれがどうしてなのか、わからなかった。
 自分自身への絶望か、信じた者たちへの絶望なのか。
『もう一度言うよ。フェイトちゃんはあなたを裏切るよ』
 耳を塞いでも、その声は頭の奥にまで響き渡って木霊する。
「嘘っ! フェイトちゃんは、フェイトちゃんはそんな子じゃないっ!!」
『すぐにわかるよ、私の言うことが』
 確信めいた物言いは、来るべき未来を揺ぎ無いものにするかのようで。
『また逢いましょう』
 残された私は、声にならない悲鳴を上げた。


 目を開くと、当然の如く、自分の部屋。
 瞼が熱い。鏡を見ると真っ赤だった。・・・学校に行くまでに治まるかな?
 携帯を開く。ディスプレイには天使の微笑を浮かべるフェイトちゃん。不安が込み上げて、携帯を胸に抱いて震える。嘘だよね・・・。そんなことないよね? フェイトちゃん。
 その時の私は、初めて悪夢の記憶が残っている、ということに気付く由も無かった。


   ◆

 学校祭を明日に控えた聖祥小学校はいよいよ、テンションが最高になりつつあった。
 本日は授業も無しで、明日に向けて一日準備の日となった。忙しさ、という点においてはクラスそれぞれといったところで、事前に準備をしっかり行っていたところは暇を持て余して適当に騒いでいるし、計画性の無いところは今も必死になって作業を行っている。
 なのはたちのクラスは前者であったため、学校のテンションとは無関係に、準備完了した教室で騒ぐことも無く、だらーっと過ごしていた。
「・・・暇ね」
 アリサは呟きながらもうつらうつらしている。
「フェーイトちゃーん・・・」
「なのはちゃん、また『フェイトちゃん』って言った」
 アリサの頭を膝に乗せているすずかは、呆れたようにくすくすと笑う。
「ふぇ? 私? 言ってないよ?」
 身に覚えの無いなのはは、目をぱちくりさせている。
「無意識っちゅうのが重症やね」
 膝の上に乗せた小説から目線を逸らさずにはやてが言う。
 現在、フェイトはミス聖祥として明日の打ち合わせの為に生徒会に呼ばれているため、不在。
「これはもう罰金ね。次に『フェイト』って言ったら十円よっ!」
「えぇ~!? 何で、何で~?」
 結局、フェイトが教室に戻ってくるまでに、なのははジュース一本分巻き上げられる破目になった。


 昼休みになり、準備が終わったクラスは下校も許可された。なのはたちはフェイトがまだ打ち合わせが終わっていないので、ランチだけ一緒に食べて解散することにしていた。
「ねぇフェイトちゃん、今日の夜、時間あるかな?」
「え?」
 これは明らかに、一緒に居られる時間はありますか? の流れだ。
 アリサとはやては慌ててフェイトに視線でサインを送る。『断れ!』と。
 今日は明日のビッグイベントに向けての最終打ち合わせを行う予定なのだ。なのはには悪いが、今日だけはフェイトを譲る気は無い。
「ごめん・・・、今日の夜はちょっと予定があって」
「そう・・・なんだ・・・」
 しゅんとなるなのはに情が移ったか、フェイトは慌てて妥協案を提示してしまう。
「でも、それが終わったあとなら、大丈夫だよ」
「ホント?」
(またアンタは余計なことを~!!)
 アリサは心の中で地団駄を踏む。
 なのはにばれてしまったらこの計画は全てが台無しだというのに、どうしてわざわざその危険を冒すような真似をするのか。
 アリサの思ったとおり、フェイトの一言は、結果的に本当に不用意なものとなってしまう。
 その一言がなければ、全てが上手くいったのかも、知れないのに。


   ◆

  時空管理局 デバイスメンテナンスルーム

「マリーさん、お疲れ様です」
「おつかれさまー、なのはちゃん。レイジングハートのオーバーホール、終わってるよ」
 先日のヴィータとの模擬戦が終わった後、クロノの勧めでレイジングハートをオーバーホールに出していた。本局の技官であるマリエル・アテンザはレイジングハートをなのはに手渡した。闇の書事件でレイジングハートとバルディッシュにカートリッジシステムを組み込んだのが彼女である。それ以来交流があり、デバイスの検査等は全てマリーに一任している。
「どうでした?」
「なのはちゃんの予想通り。何の異常も無かったよ」
「そう・・・ですか」
「大丈夫だよ、なのはちゃん。ちょっとくらいの不調なんて直ぐに治るから」
 落ち込むなのはを励ますマリーだったが、返ってきたのは意外な答えだった。
「いえ、そうじゃないんです。結果的にレイジングハートを疑う形になってしまったのが、申し訳なくて・・・」
 なのはとしてはレイジングハートをオーバーホールに出すことはあまり気が進まなかった。クロノはなのはの不調の原因が、レイジングハートの方にある可能性を考えて検査を勧めてきた。でも、それに従うということはマスターとして、自分のデバイスを疑う、ということの意思表示になってしまう。なのはは、信頼を裏切るようなその行為に嫌悪感を抱いていた。
「ごめんね、レイジングハート」
《no problem》
 魔導師とデバイス。
 その在り方は、ペアの数だけあるのだろうが、これほどまでに心を通わせている例をマリーは他に知らない。
 本当にこのデバイスは幸せな子だな、と思う。
「私、頑張るから。また、手伝ってくれる?」
《with pleasure》
「ありがとね、レイジングハート」
 そんなマスターとデバイスを見て、マリーは確信する。
 この二人なら少しくらいの不調なんて、どちらに原因があってもきっと補い合って、乗り越えていくに違いない、と。


   ◆

  時空管理局 巡航L級八番艦 アースラ

 愛杖を受け取ったなのはは、一旦アースラに戻ってきていた。レイジングハートに異常が無かったことをクロノに報告するためだ。
(クロノ君、いるかな・・・)
 艦長室の前、ノックしかけた手が、寸でのところで止まる。
 ・・・・・・クロノ君の他に、誰かいる。
「それで、なのはちゃんのことなんだけど・・・」
(シャマル・・・さん?)
 守護騎士、風の癒し手の異名を持つシャマルははやては勿論、自分とフェイトの魔力関連における主治医となっていた。いつでも無茶をする自分とフェイトは怒られてばかり。今ではもう、すっかり頭が上がらない。
 自分が話題に出ていると言うことは、以前に受けた検査の結果がもう出たらしかった。
 部屋に入ってクロノと一緒にそれを聞くことも出来たが、そうはしなかった。そもそも、この場に自分が呼ばれていないことが引っかかる。自分がいたら、一番重要な部分を教えてくれないんじゃないか、そんな予感があった。
「レイジングハート」
《all right》
 いけないことだとはわかっていたが、レイジングハートに中の会話を傍受してもらう。

「検査は何の異常もありませんでした。普通の医者であれば、単なる風邪のようなもの、自然治癒でいずれ治る、と診断すると思います」
 随分と含みを持たせた言い回しをする。
「シャマル、彼女の主治医としての、君の意見は?」
「・・・それ以外の可能性においても、念のため考慮しておく必要があるかと」
「・・・そうか」
 あまり考えたくはなかったが、やはり彼女を預かる身としては目を背けるわけにはいかないようだ。
「なのはちゃん程の魔力を持ってる子が、その力を制御出来ないというのは極めて危険です」
「そして、その原因がわからないとなると尚更・・・か」
 魔法に関しては、今現在までの発展を経てなお、解明されていない部分が数多い。
 何故、古代遺産(ロストロギア)は創り得たのか。
 出生時の魔力量の個人差は何よって決まるのか。
 そもそもリンカーコアとは、魔力素とは何か。
 細かいところまで、挙げ出したらきりが無い。
 長い年月をかけて、多くの研究者たちが挑んできた謎。その解明されない謎によって起こった悲劇、その悲劇によって解明される謎。これだけ歴史を重ねても、人は未だに発展途上だ。
「なのはちゃんの力が、何らかの形で無制御で解放されてしまったら・・・」
「しかもそれが殺傷設定であれば・・・、惨事は免れんな」
 なのはの瞬間的な出力に関して、現状把握している数値が上限である保証など無い。
「そのまま武装隊に復帰させなかったのは、正解だったかもしれないな」
「デバイスであるレイジングハートの剥奪、魔力の永久封印、いずれにしてもなのはちゃんには辛い仕打ちになっていまいますからね・・・」
 それまで深刻な顔で話をしていた二人だが、視線が合った瞬間、ふっと気が抜けて笑みが漏れる。
「まぁ、どれも可能性の域を出ない話だがな」
「ですよね~」
 どれも与太話。真剣に話し合い過ぎたことが随分と滑稽に思える。可能性でここまで恐ろしい話が出来てしまうのも、彼女の凄いところではあるのだが。
「とりあえず、今はまだ何とも言えない。しばらくは様子を見ることにしよう」
「・・・そうですね」
「今の話、なのはには」
「その辺はちゃんと心得てます」
 シャマルは席を立った。今日はこれからはやての友人が訪ねてくるので、その準備をしなくてはならなかった。
「忙しいところすまなかった」
「はーい、それじゃあ失礼します・・・って、なのはちゃん!?」
 扉を開けると、俯いたなのはが立っていた。
 声を掛ける間もなく、走り去ってしまう。
「聞かれちゃった・・・みたいですね」
「失態・・・だな」
 また一つ厄介ごとが増えたクロノは眉間に手を当てて、溜息を漏らした。




(第二話 ④ に続く)



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Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

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≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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