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第三話「Nightmare in Christmas」②

夏コミに受かりました。
三日目 東4ホール ラ08a です。
前回のリリマジ11で配布予定だった新刊を持っていこうと思います。
どうせだからがっつりなおそう。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第三話「Nightmare in Christmas」②
になります。




 休憩室のテーブルについても突っ伏してぐったりしているユーノにコーヒーを差し出す。
「忙しいとは聞いとったけど、いつもあんな感じなん?」
「まぁ殆どの依頼が突然で、緊急を要するものだから。それが事件だったりしたら、被害を最小限に抑える為にこちらも手を抜くわけにはいかないからね」
 コーヒーを一口飲んで、ようやく一息ついたのか、姿勢が元に戻った。
「それにしてもクロノは酷い」
 落ち着いたところで、今度は怒りが込み上げてきたようだ。休憩時間にまで忙しい人だ。
「あいつは本当に遠慮が無くて、『これは最優先だ』『頼んでいた資料はまだか』と無茶ばかり言う・・・。無限書庫を自分専用だと勘違いしてるんじゃないかと思うくらい図々しい」
 滅多なことでは人のことを悪く言うことの無いユーノがここまで饒舌に罵るのはクロノくらいのものだ。
「相変わらず、クロノ君とは仲ええんやね」
「はやて・・・流石に今、その冗談はきつい・・・」
 再びぐったりとうな垂れるユーノに、冗談やないんやけどなぁ・・・、と内心思う。
 顔を合わせればいつも、とりとめもないことで言い争いを始める二人だが、何だかんだ言いながらもお互いのことを心の底の部分では信用しているのがわかるのが、見ていて何とも微笑ましい。
 どちらも全力で否定はするだろうが。
「・・・最近なのはの様子は、どう?」
「っちゅうことはなのはちゃん、ユーノ君ともあんまり連絡取ってないんや・・・」
「・・・」
「・・・」
 お互いの沈黙に、現状を把握する。
 あの日のなのはとフェイトの出来事はユーノも知るところであった。
 いつも『なのはとは友人だ』と言い張り、微妙な立ち位置にいるユーノも、ショックを受けなかったわけではない。フェイトのなのはを一途に思う気持ちには気付いていたし、二人の間に、入り込む余地がないことくらいわかっていた。
 それなのに何故なのははフェイトの気持ちに応えてあげなかったのか、ということ以上に、それがもしかしたら僕のチャンスなのではないかと考えてしまう下劣な自分がユーノはショックで、許せなかった。
 その日以来、なのはから連絡が来ることはなかったし、ちょくちょく顔を出していた無限書庫に現れることもなくなってしまった。心配になって何度かこちらから連絡をしたものの、いつもなら弾むはずの会話が全く続かず、話題を考えなければならないほどだった。励まそうとすればするほど、なのはの早く電話を切りたいという雰囲気が強く伝わってきて、ちょっとだけユーノを傷つけた。
 そうして最近は、司書の忙しさに託けてこちらから連絡をすることもなくなってしまった。そうしたところで、お互いに傷つくだけのような気がしていたから。
「ごめんな、本の話でもしよか」
 沈黙に耐えかねて、はやてがいつもより明るい口調で切り出す。
「最近何か面白いのあった?」
 本の無いところという希望の下に場所を休憩室に移したというのに、本の話題。
 これは、二人の秘密の暗号であった。
 本の話をしよう。というのは、はやてが依頼していた件についての話をしよう、ということの意思表示となっていた。
 休憩室にははやてたちの他にも一息つく為にやってきた局員たちが何人かいる。
 その人たちの耳に入れて良い話ではないので、実際に最近読んで面白かった本の話をしながら、念話で本題の方を進めるのだ。
 同時に二つ以上のことを考え、実行するマルチタスクは職業魔導師には必須事項である。
『こっちはようやく一仕事終えたところや。情けない話やけど、思ってた以上に作業効率が悪い。今日は結構ユーノ君を当てにして来ました。すんません・・・』
 捜査開始当初こそ、誰も巻き込んではいけないとずっと単独行動を続けていたが、手掛かりが少なすぎること以上に、出来るだけ目的を察知されない為に行動に慎重さを要するため、一つ一つの調査にかなりの時間を費やしてしまうことが問題だった。
 そのせいで未だに、「少なすぎる手掛かり」すら捜査が終わっていない。そうして思うように進まずに、気が付けば二ヶ月の時が流れてしまっていた。
 こうしている間にも、もしかしたら新たな被害者が出てしまうかもしれない、と焦るはやてに残された選択肢は幼馴染である無限書庫の司書に頼ることだけだった。
 そうしてユーノに捜査協力を依頼してから、今回が初めての会合となる。
『まぁこっちも期待に添えているのかどうかはちょっと怪しいところなんだけど・・・はやて、本当に大丈夫?』
 この事件に首を突っ込むことではやての身に危険はないのか、ということなのだろう。
『心配してくれてありがとうな。・・・覚悟はしてる。でも無理はせぇへんよ。カリムとの約束もあるしな』
 それならば自分に出来ることはもう、事件が日の当たるところに出してはやてに危害が及ばないように、全力で協力することくらいだろうと思い、ユーノは本題に入った。
『じゃあとりあえず、そっちの結果から聞いていい?』
 はやてはこの二ヶ月間ずっと、現在、時空管理局と聖王教会に管理されていることになっている古代遺産の確認をしていた。表面上の情報だけを信じるわけにはいかず、その一つ一つの確認を自分で納得するに至るまで、随分と苦労をさせられた。聖王教会はカリムとシスターシャッハに頼んでいたが、負担が半分になったところで、その数は相当なものであった。
『結論から言えば、盗難、消失の可能性はほぼゼロや。危険度の高いものに関しては確認できんかったけど、それくらいの代物となれば持ち出すんもそれなりのリスクがある。一応、持ち出された可能性のあるものに関してはリストアップしてあるけど、どれも現実味の無いもんばっかりや』
『つまり今回の古代遺産は、まだ管理されていない代物と考えた方がよさそう、ってことか・・・』
『ということやね・・・』
 結局、二ヶ月の時を費やしてようやくスタート地点に立ったということか。
『この段階で何かしら掴めると思ってたんやけどなぁ・・・。まるっきり無駄足っちゅうのは流石にショックや・・・』
『無駄ってことは無いよ』
 ユーノが即座にフォローを入れる。
『こういう捜査は地道に可能性を潰していくほか無いんだから。今回のはやての検証は結構大きいと思うよ』
『あかんよ、ユーノ君』
 急にはやての声のトーンが下がる。
『え? ・・・何が?』
『精神的に弱ってるところに、そない優しくされたら。惚れてまうやんか・・・』
 何か気に障ることでも言っただろうか、と不安に思った自分が馬鹿らしい。全く、何を言うかと思えば。
『ばっ・・・馬鹿なこと言ってると、僕仕事に戻るよっ』
 表面上では普通に本の話をしているのに、何の脈絡も無く赤面してしまった。
『冗談やって。そないやから、他の司書さんにからかわれるんよ?』
 さっきのも聞かれていたということか。ユーノは再び何の脈絡も無く、ぐったりと項垂れる。
『話の腰折ってすんません。ユーノ先生のお話を聞かせてください』
 ユーノをからかう余裕を見せるはやても、実際は内心かなり焦っていた。既に人々の記憶からは、殆ど消えてしまっている事件である。時間が経てば経つほどに真実は自分の手から遠ざかっていくような気がしていた。
 もう付き合いも長いユーノは、彼女のそういった焦りも理解しているつもりでいる。
『古代遺産を特定しようにも手掛かりは殆ど無し。とりあえず過去に似たような事件が無いか調べようにもキーワードが【古代ベルカ】だけじゃ絞り込みもあまり意味が無い。旧暦の時代から古代遺産絡みの事件は規模もそれぞれだけど、本当に数が多いんだよ・・・。古代ベルカのものに限っても相当な数になる・・・』
『そんなに・・・』
 その数だけ人々に悲しみが訪れ、今回また一つ悲しみが増えてしまった。はやては無意識に唇を噛む。
『それにしてもこの事件、本当に手掛かりが少ない』
『ごめんなー、私の力不足や』
『いや、そういう意味で言ったんじゃないんだ。他の事件と比較して、ってこと』
 この事件、背景が全く見えてこない。局の行った公式なコメントは事件翌日、現地の広報による記者会見のたった一度きりで、部隊員たちの証言、隊長の家族のコメント、その他一切が明かされていない。
 そもそも、古代ベルカの物であることすら未だに公表されていないのだ。
『それなりに大きな事件なはずなのに、それに反して報道期間は驚くほどに短い』
『あんまりそこんとこはユーノ君に気付いて欲しくなかったんやけど、無理な話やね・・・』
『情報規制にしても度が過ぎてるからね・・・』
 余計なことに気付かず、有力な情報だけを探し出してくれたらそれが一番ベストな形であったのだが、やはりそれは叶わなかった。
『・・・そういう可能性もある、と考えていいんだよね?』
 はやては沈黙をもって答える。
 第五部隊長の死には、局が隠蔽しなければならない“何か”がある。
『・・・カリムも、そう考えてたんやと思う。でもこれはあくまでも、可能性や。忘れんとってな』
 知らなくてもいいことを知ったばかりに、彼を危険な目に合わせたくは無い。
『でもこれは一つのヒントだよ。古代遺産に関係無く、規模の大きい割りに報道期間の短い過去の事件を辿っていけば何か引っかかるかもしれない、ってことだからね』
『で、その結果は?』
『局の不祥事がその大半だけど、それ以外にもやっぱりあった。不謹慎な言い方になってしまうけど「そういう見方」で捉えるなら、時空管理局が発足する直前、局とは別に次元世界を管理する組織をワンマンで作ろうとしていたリーダーが次元震に巻き込まれて志半ばで行方不明になった事件。そして30年前、歪んだ管理局のシステムを一新すべきだと訴えていた、当時の次期管理局トップ候補の不慮の事故死なんかが、その最たる例かもしれない。それと最近ではクライド・・・』
 言いかけて、ユーノはハッとして口を噤む。この情報まで出すつもりはなかった。表面で饒舌に話していたはやての言葉が、一瞬止まる。
『クライド・ハラオウン提督の「闇の書」暴走事故・・・やね』
 会話は再会されるが、さっきまでと違って、目が笑っていない。
 クロノの父であるクライドが殉職した事件。
 彼の艦であるエスティアで護送中であった闇の書が突然の暴走、艦の制御を奪われた為に沈められ、彼はその艦と命を共にした。未だに、何故突然闇の書が暴走を始めたのかは、明らかになっていない。
 現在の主、八神はやてとしては目を背けることの出来ない、闇の書の悲劇の一つである。
『も、勿論これらが全部そういった類のものであるとは限らないし、僕だってそうじゃないと思いたい』
 随分と慌てた様子のユーノに、「別に気にしてへんよ」とフォローを入れる。
『・・・でもこれだけ長い年月、全次元世界をたった一つの組織で守ってきたんや。何かしら闇の部分を抱えとってもおかしない』
 時空管理局は、次元世界の法と秩序の守護者。聞こえは良いが、所詮は人が行う事である。万人を守る為に、理不尽にその歴史に埋もれていった人たちが少なくないことくらい、想像に難くない。
 争いたくない。大切な人を失う悲劇を、もう繰り返したくない。
 そんな旧暦の人々の願いから生まれた、時空管理局であったはずなのに。
 人々の平和への願いは長い時を経て、随分とその形を歪ませてしまったようだった。
『・・・ちょっと話を変えようか』
 今は“倫理”や“正義”を考える時じゃない。そんなのはお偉方がやってくれる。
 自分たちに出来るのは、少しでも人々の悲しみを減らし、その分を笑顔に変えることだけだ。
『最近は無限書庫も以前と比べて随分と待遇が良くなってね・・・』
 とは言ってもそれは施設として、の話で人員の問題はまた別なんだけど・・・、とユーノは言う。
 捜査協力の依頼数が格段に増加したことでその重要性が見直され、最近は改装工事やら、新設備の導入やらで、夜中に作業を行う為に入れないことも多いようだ。
『嬉しいんだけど、忙しい時には逆にちょっと困ってる・・・』
『・・・あの、ユーノ君?』
 そういう会話なら別に念話である必要はないんじゃないだろうか。その真意を図りかねる。
『僕が思うに、はやてが騎士カリムから捜査依頼を受けたことも、僕に捜査協力を依頼したことも、既に知られている可能性が高い』
 また話題が別のところに飛んだ。
『ここ最近人の出入りの多い無限書庫、そしてこの情報の巣窟の中に犯人にとって不利益なものが存在しているとしたら・・・』
 ようやく彼の言わんとすることの外郭が見えてきた。
『気付くのが遅かったから、もう手遅れかとも思ったけど、一応出来うる限りのセキュリティ強化をしておいたんだ』
 なるほど。ここまで話を振っといて成果が出ていないということもないだろう。確信を持って尋ねる。
『引っかかったんやね? ネズミが』
『かなり高度な技術を持った人だったよ。履歴を消した上に、解除したセキュリティやトラップを初期の状態にまで完全な状態で復元できるなんて、普通は有り得ないんだけどね・・・』
 その道の専門ではないはやてにはそれがどの位凄いことなのか、まるでさっぱりわからない。
『って言うか、その人を罠に嵌めたユーノ君が凄いんちゃう?』
『まぁ僕は卑怯というか、その道の人からすれば外道みたいな手を使ったから・・・。ってそれはさておいて。これだよ、そのネズミが取ろうとしてた本は』
 表面上の会話も、自然とそれらしいものへと変わる。
「あ、そうだ。この前買ったんだけど、これ面白いから読んでみるといいよ」
「あ、これ私も気になっとったんよ。ありがとぉ、帰ったら早速読んでみるわ」
 勿論、偽装スキンが掛けてある。見た目はこの前出版されたばかりのハードカバーである。
『・・・魔癌?』
 稀少技能持ちであるが故に色々な部隊をたらい回しにされてきたことの一つの恩恵として、確実に自身だけでは得ることの出来ない様々な情報を仕入れることが出来た。
 それでも、そのような単語は初耳だった。
『調べてみたんだけど、その本は発売前に出版が差し止められてて、本来ならこの場にあるはずのないものなんだ』
 当時はまだ書庫の管理も行き届いておらず、誰が、どういう経緯で、何故この書庫に寄贈したのか、一切の詳細が不明となっている。
『タイトルもそうやけど、色々といわくあり気な感じやね・・・』
『お陰で、こっちとしてはレア物目当てで忍び込んだバイヤーか、今回の事件の関係者か図りかねるけどね・・・』
『元々手掛かり無しの状態や。タイミングも考えて、とりあえずは後者で考えてええんちゃう? もう、読んでみた?』
『一応読んだには読んだけど・・・』
 そこでユーノは言葉に詰まる。
 彼による書物『魔癌』の内容についての掻い摘んだ説明によると。
 親を魔導師に殺された主人公が、人の魔力の源リンカーコアに根ざして魔力を喰らい尽くす『魔癌』を手に入れて世の中の魔導師たちに復讐を開始するという物語。
『何というか・・・。最初から最後まで魔導師に対する憎悪に満ちてて・・・。作者自身、本当に魔法が嫌いなんじゃないかな。最後は主人公自身も魔癌によって死んじゃうんだけど、それは魔癌じゃなくて持病の発作のせいで。他の魔癌の被害者も実は、魔癌のせいで死んだわけじゃなくて、結局そんなものは最初から存在しませんでした、ってオチだった。色々とすっきりしない話だったよ・・・』
 それはまた救いようの無い・・・、とは思いつつも口には出さない。・・・本題はそこではない。
『単純に考えれば、その魔癌が今探している古代遺産っちゅうことかな?』
『・・・一概にそうとは言えない。書庫で調べてみたけど、それらしい情報は見つからなかった』
『夜天の魔導書みたいに、昔とは呼び方も性質も違うのかもしれんな・・・』
 カリムに頼んで調べてもらわなあかんね、と付け足す。
『その可能性もあるけど、そもそもこの物語に出てくる魔癌はその効果がはっきりと定義されていない。魔癌は空想上のものである可能性も否定出来ないと思う』
『どういうこと?』
『もしかしたら魔癌というキーワードじゃなくて、この本文の方に何か暗号が隠されているのかも知れない。ちょっとそこまでは調べられてないんけど・・・』
 何だか、自分たちの世界にある聖書みたいな話だな、とはやては思う。
『確かに、この本をここに寄贈した「誰か」が、メッセージを残してる可能性は高そうやね。了解、とりあえず帰ったら調べてみるよ。古代ベルカなら、私より詳しいのが4人おるし、蒐集した能力の中に暗号解読出来るもんがあったはずや。何かわかったら連絡するよ』
 とりあえずは詳細がわかるまで、探している古代遺産の名前を『魔癌』と仮称することになった。
『ようやくヒント見つかったと思ったら、謎が増えてもうたね・・・』
『でも、この本の謎が手掛かりに変われば、捜査は一気に進展する気がする』
『そうやね。とにかく、私はこの本の謎解きを急ぐよ』
『僕はもう少し外部からも情報を集めてみることにするよ』
 初めはちょっとだけのつもりだったのに、もはやこれでは完全に共同捜査になってしまっている。
『ごめんなー、ユーノ君。巻き込んでもうて・・・』
『人の命が懸かってるからね。・・・それに、なのはとフェイトでもう慣れたよ・・・って、これじゃ言ってることがクロノみたいだな』
『あはは、ほんまやね』
 とりあえず現状の確認と、今後の方針は決まった。
『これだけは聞いておきたいんだけど』
 ユーノの口調が一転、真剣なものに変わる。
『はやての心配と、正直、自己保身の心もある。・・・今回の事件、どこまで踏み込むつもりでいるのか、教えて欲しい』
 協力者である以上、それを知る権利はある。
『正直なところ、・・・多分、犯人にまでは辿り着けんと思うんよ』
 敢えて、その理由は問わない。
『でも、物を取り上げてしまえば悪さはもうできん。私はとりあえず、そこまで出来ればこの事件は解決やと思うてる。悔しいけど、まだ私には地位も力も無い。現状で出来ることをやっていくしかない。命は無駄にせぇへんよ。末っ子のリィンもおるからな』
『そっか。・・・それを聞いて安心したよ』
『・・・私って、そんなに信用無いんかなぁ』
『いや、はやてだけじゃない。なのはもフェイトも、時々とんでもない無茶をする時があるから。一応事前に聞いて心構えを整えておかないと、心臓がいくらあっても足りないよ』
 ユーノにそう言われてしまっては、はやてとしては「いつもすんません」ともう平謝りするほかない。
「そろそろお暇するわ。長々とごめんなー、忙しい時に」
「いい気分転換になったから大丈夫だよ。ありがとう」
「今日の夜は来れるんよね?」
「うん、もう許可は取ってあるから、夜は抜けても大丈夫。開始前には到着出来ると思うよ」
 久しぶりに、みんなで揃ってクリスマスパーティー。それぞれが局の仕事に就いてからは、みんなで揃うことなんて年に数回くらいにまで減ってしまった。
「最近はフェイトちゃんとなのはちゃんも少しずつやけど、仲直りに向けて前進してる。今日辺りで元通りになってもらえると、全部丸く収まるんやけどね・・・」
「・・・そう、だね」
 微妙な表情を見せるユーノに、はやてはにっこりと微笑む。
「ユーノ君、なのはちゃんの諦めがついたら、いつでもこっちに鞍替えしてくれておっけーやからね」
「はぁっ!? な、何言ってるんだ。いつも言ってるだろ、なのはとは・・・と、友達だ・・・って、ん?直接通信?」
 しどろもどろになるユーノに助け舟を出すかのように、はやてに直接通信が入る。
 はい、こちら八神・・・と言い終わる前に、大声によって遮られた。
『はやて! 大変だ!!』
「ヴィータ、どないしたん? そんな慌てて・・・」
 守護騎士の中でも一番感情表現の豊かなヴィータだが、ここまで慌てる姿を見ることはそうは無い。少なくとも良い知らせでないことだけは既に確定している。
『38世界の古代遺産研究所で暴走事故が起きた!!』
「な、何やて!?」
 恐れていたことが、また一つ現実に。



(第三話 ③ に続く)



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ジャンル : アニメ・コミック

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Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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