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第三話「Nightmare in Christmas」③

最近雨ばっかりですね。
しかもいきなり暑くなるし・・・。
夏よりも冬が好き。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第三話「Nightmare in Christmas」③
になります。




  

 古代遺産研究所から一番近い街に転送されたクロノとアルフは、その光景に一時絶句する。
 近いとは言っても、研究所は人里離れた山の中にあり、数十キロは離れている。それにも関わらず、無事な建物を探すことが困難な程の壊滅状態で、いつどの建物が崩れ落ちてきてもおかしくないような緊迫した状態が続いている。
 かといって他の地域を放っておくわけにもいかず、局員は各地に分散されているため、現状最も危険な区域にも関わらず、最も局員の足りていない区域であった。救援が段々増えてはいるものの、まだ全然足りてはいない。
「・・・やっぱり、実際目の当たりにすると、結構きついもんだね・・・」
 二人は既に、指定されたポイントに向けて飛行移動中。
 眼下に広がるのは、凹凸の激しい道路と、おもちゃのようにひしゃげた車やトラック。左右を見渡せばガラスのある建物と、地面と垂直に建っている建物は存在しない。もはや廃墟となり寄り掛かり合う二つのビルの隙間を抜けながら、本当はどんな街だったのだろうかと思う。所々で見かける救急テントはどこもかしこもけが人で溢れていた。
「本音を言えば、君の主含め、こういうことには慣れずにいてくれるのが一番良いんだが、局員である以上、そうも言っていられない」
「流石にアンタは慣れたもんじゃないか・・・」
「・・・そうでもない。次元震なんてそうそう起こるものじゃない。それに今回は局の失態も大きい。内心、かなり堪えてる」
 デュランダルを握る手に力が籠もる。
「・・・なのはを連れて来なくて、正解だったかもしれないねぇ」
「・・・全くだ」
 こんな状況で、何かあったときに同僚の面倒まで見切れる魔導師などそうはいない。そして何より、情緒不安定気味な今のなのはにこの現場はちょっと刺激が強いように思われた。
 指定ポイントに着くと、現地の局員らしき人が一人、敬礼をして二人を出迎えた。
「クロノ・ハラオウン執務官でいらっしゃいますね。応援感謝します。代行で現場指揮をしていたのですが・・・」
 本当に人員が足りていないのだろう。本来ならその任ではないはずの彼が、処理しきれない情報によって右往左往していたのが、その幾枚にも重なり合ったモニターによって物語られている。
「ご苦労様です、代わります。彼女を連れて現場に向かってください。・・・と、いうことだ。アルフは他の局員と協力して救助活動にあたってくれ」
「あいよー」
 到着して早々に、アルフとその局員は現場に向かって行った。
 ここに来るまでに必要最低限の情報は頭に叩き込んだ。後は臨機応変に対応していくしかあるまい、と覚悟を決め、クロノは現ポイントを中心に救助活動を行っている局員へオープンチャンネルで呼びかける。
「こちらポイント381。執務官のクロノ・ハラオウンです。ただいまを持って現ポイントの現場指揮の任に着きました。緊急時につき、基本的に個人の判断を優先することを許可します。それでも判断し兼ねる案件についてのみ、こちらの指示を仰ぐよう願います。各個、迅速な対応を期待します」
 目の前に雑然と広がる廃墟と瓦礫の山。背後には救護テントがあり、怪我人が次々と転送されてくるか、もしくは運ばれてくる。彼らの呻き、悲鳴、叫び・・・。現場は混沌としている。クロノは現場に指示を出しつつ、片手間に、怪我人たちを収容してくれる戦艦を手配する。
(くそっ、どうしてこんなことに・・・)
 今回の次元震、誰の目から見ても局の責任であることは明らかであった。
 局の施設である古代遺産研究所で起きた魔力暴走。管理に問題があったと言わざるを得ないだろう。
 そのせいで失われる命など絶対にあってはならないが、これだけの規模だ。既に犠牲になった人たちは少なくないだろう。無意識に、奥歯をぎりっとかみ締める。
 仮にここで誰かに背中から刺されたとしても文句は言えないな・・・、と思うクロノであった。


  ◆

 こんなに広い部屋だと大変だから、と手伝おうとする使用人たちを追っ払い、アリサとすずかは二人で黙々と部屋の飾り付けに勤しんでいた。
 今日の夜はバニングス宅を会場に、待ちに待った、クリスマスパーティーが開かれる。
 最初こそ会話しながらの作業であったが、いつの間にかアリサが真剣に作業をし出すと、すずかが元々大人しいこともあって、部屋には紙飾りの擦れる音がだけが静かに響く。
 その静寂を破ったのはドアを開けるかちゃん、という音。
「お茶をお持ちしました。ここらで少し、休憩されてはいかがですか」
「ありがと、鮫島。そこ置いといて」
 気がつくと腕をずっと挙げっぱなしだったせいか、少し肩が凝っている。とりあえず、一息入れることになった。
「作業しながら考えてたんだけど、今になって何か色々と・・・すっごく釈然としないのよね・・・」
 ティーカップを置いたアリサが思い出したように言うと、すずかは不思議そうに首を傾ける。
「百歩譲って、フェイトのテストは仕方ないとするわ。でも、なのはとはやてに至っては仕事なのよ!? どういうこと、仕事って!? この歳の子供に、しかもよりにもよってクリスマスイヴに仕事させるなんてどういう会社なのっ!!」
「会社じゃなくて時空管理局だよ、アリサちゃん。やっぱり国が違えば文化も違うんだから、仕方ないんじゃないかな・・・」
 すずかの言うことはわかる。でも・・・。
「だって小学6年生でしか出来ないことって絶対あるでしょ!? 仕事なんて大人になれば飽きるほど出来るわよ!!」
「でも・・・、それがなのはちゃんたちの夢だもの。私たちは見守って、応援してあげなくちゃ」
 ずるい。それは卑怯だ。それを言われたら、何も反論出来なくなってしまうじゃないか。
「・・・あたしはすずかほど物分りが良くないの。我侭だってわかってるけど、やっぱり今は、いつもみんなで一緒に過ごせる普通の日常の方が大切だと思うもん。・・・って何よすずか?」
 それが彼女なりの、友に対する優しさであることはすずかには良く分かる。そのあまりの不器用さについ微笑みが零れ落ちる。
「アリサちゃんのそういう優しいところ、とっても素敵だと思うよ」
 かぁぁぁっ。
「い、いきなり何よ。こんなの単なる私の我侭でしょっ」
 でも、その我侭を絶対本人たちの前では言わないくせに。
「アリサちゃん、機嫌直して。折角のクリスマスパーティーなんだから。みんなを楽しく迎えてあげなくちゃ」
「わ、わかってるわよ。そんなこと・・・」
 決まりが悪くなり、ぷい、と横を向く。
「はい、アリサちゃん」
 すずかが唐突にラッピングされた小さな紙袋を差し出す。
「何よ、これ?」
「みんな来ちゃうと渡し辛くなっちゃうから」
「あ・・・」
 しまった、随分と野暮なことを聞いてしまったものだと、軽く後悔。
「開けていい?」
「もちろん」
 中に入っていたのは携帯のストラップだった。銀のリングの中心にアリサをイメージさせる真っ赤な石がはめ込まれている。
「これって・・・」
「勿論、小学生のお小遣いで買えるものだよ」
 ふぅ、一安心。下手に財力があると変なところにまで気を遣わなければならないのが面倒だ。
「ありがと、すずか。大事にするね」
 嬉しい。本当は凄く、凄く嬉しい。でもはしゃいで喜ぶのも何だかキャラじゃない気がして、恥ずかしい。結局ぶっきらぼうな言い方しか出来ない、素直になれない自分がもどかしい。
「喜んでもらえてよかった・・・」
 憑き物が落ちたようにほっとした表情を見せるすずか。きっと自分の為に、色々と探し回って、迷って一番良いものを選んでくれたのだろう。それなのに・・・。
「・・・ごめん、すずか。あたし・・・」
「そんなの気にしなくていいよ。私がアリサちゃんにあげたかっただけなんだから」
「そ、そうはいかないわ! これじゃあ私の精神に反するもの!」
 変なところで妙に頑固だ。きっと受けた恩は返さねば、とでも思っているに違いない。
「待ってなさい、きっと明日までにすずかの為にすっごいプレゼント用意してみせるから!!」
「うふふ、じゃあ楽しみにしてるね」
 どうやら再びモチベーションが上がってきたらしい。紅茶をぐいと飲み干すと、元気良く立ち上がる。
「作業再開よ、すずか! 目指すものは常に最高のクリスマスよ!!」
「うん!」
 作業はあともう一頑張り、といったところ。料理を運んだりする時間を入れても、急げば十分に間に合うだろう。
 作業をしながらアリサは横目でちらちらと、すずかを見る。
 どうせだから、明日までプレゼントを待ってもらう利子としてキスでもしたら喜んでくれただろうか、なんてことを考えていた。
(って、あたしってば何考えてんのよっ!? これじゃなのはとフェイトと同レベルだわ・・・)
 気が付くと顔面は完全に茹で上がっている。
 壁に手を付き、肩で息をするアリサに気付き、すずかが心配そうに寄って来る。
「どうしたの、アリサちゃん?」
 具合が悪いのではないかと、顔を覗き込まれる。いつも以上の距離の近さが、さっきまでの妄想を蘇らせる。
「な、何でもないわよっ!! 急がないと間に合わないわよ!!」
 恥ずかしさ紛れに、すずかの持っていた飾りを奪い取る。
 何だかもう、頭の中がゴチャゴチャだ。
 あぁサンタさん。いい子にしてますから、どうか私に素直な心をください・・・。



(第三話 ④ に続く)

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