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第三話「Nightmare in Christmas」⑤

純潔パラドックスやばい!
聞く度に鳥肌が立つ!
明日はいよいよLIVE JOURNEY in 名古屋!!
テンション上がる!!

第三話はここまでになります。
次週より、第四話「さよなら」
に移ります。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第三話「Nightmare in Christmas」⑤
になります。




   

『・・・た、高町三尉は再び、民間人の救助に向かわれました』
「こちらアースラ了解。戻り次第、こちらに帰艦するように伝えてください」
 39区画の指揮官との通信を切るとリンディは溜息を一つ。
「まったく・・・。こういう場合、地球では『毒を喰らわば皿まで』って言うんだったかしら?」
「さあ、どうでしょうか・・・」
 答えたのはクロノだった。未だリンディに艦長を任せ、自分はいつでも出られるように待機している。命令違反の手助けをしたエイミィは今も通信士として職をこなしている。とりあえず罰則はこの件が落ち着いてからということになっている。
「大活躍じゃないですか。さっすがなのはちゃん」
 やはり自分は間違っていなかったと自慢げに語るエイミィだったが、クロノにギロリと睨まれ「はーい、すいませーん」と小さくなる。
「命令違反は困りものだけど、今回の活躍を見れば彼女の選択は正しかったと言わざるを得ないわね」
「結果論です。命令違反に変わりは無い・・・」
「クロノ君、可愛くなーい」
 再び睨みを利かせるクロノを非難するようにエイミィは舌を出す。
「すいません、遅くなりました!」
 微妙な雰囲気のブリッジに現れたのは、執務官試験を終えたばかりのフェイト。
「ごめんなさいね、フェイト。試験で疲れてるのに・・・」
「それより、なのはは大丈夫なんですか!?」
 常人では有り得ない働きを休みなしに何時間も続けていると聞いたフェイトは、心配でそれどころではない。
「元気過ぎてちょっと困ってるわ・・・。迎えに行ってあげてくれるかしら?」
「はいっ!」
 フェイトは急いで転送ポートに向かう。
 その後姿に、この子達は本当に自分の事は二の次なんだから・・・とリンディは呆れ気味にまた溜息を一つ。
 これで二人の仲が少しでも元に戻ってくれれば・・・。任務中でも母としての一面が出てしまう。
 ここ最近のフェイトは落ち込んでいるのに、それを見せまいと元気に振舞っているのが健気で、見ているのが辛かった。
 やはりフェイトには元気で、笑顔でいて欲しい。そして、その幸せをあげられるのはあの娘だけ・・・。
「はぁ・・・恋っていいわねぇ・・・」
 ついうっかり口走ってしまった言葉に、ブリッジにいた全員が何事かと艦長席に振り返る。リンディは「何でもありません・・・」とたっぷりとミルクと砂糖の入った緑茶を啜って誤魔化した。


   ◆

 そこは、映画のワンシーンと言っても過言ではないような不気味な光景だった。
 所々穴の開いた壁、床、そして天井。時々思い出したように点滅する赤い非常灯。割れたガラスと、スプリンクラーの名残で水浸しの床。そこに天井から滴り落ちる水が奏でるぴちょん・・・、ぴちょん・・・、という音。ゾンビか何かが突然飛び出してきそうな雰囲気に、なのはの心拍数も常に最高をキープしていた。
 どんなに魔導師として有名でも、その前に一人の女の子である。人助けという目的が無ければ絶対にこんなところに一人では来ない。
(ふぇぇんっ、怖いよぉ・・・、フェイトちゃん・・・)
 男の子を捜して、気が付けば建物の地下にまで来てしまっている。
 いつ崩れるかわからない状況の建物に、ましてや魔法の使えないこの状況で深入りするなど以ての外だが、通信すらままならないこの状況では、自分が突入する他、手段が無い。
 手持ちの灯りは非常用の懐中電灯だけで、その光も随分と弱い。足元よりも、通路や天井の確認に向けているため、なのはは泥まみれと言うよりもはや、血まみれであった。度重なる転倒で手足の至るところが擦り傷だらけ、どこから血が出ているのかわからない。ジャケットは泥と血で染められて、それが元々白色であったことすらわからない。そして、懐中電灯を庇って顔から地面に突っ込んでしまい、頬と額からも流血が。捜してる男の子に怖がられなければいいんだけど・・・、と心配になる。
 もはや走ることは叶わず、レイジングハートを杖に、無理矢理体を引きずっているような状況であった。急ぎたいのに、急げない。体の自由が利かないことがこんなにももどかしいものだなんて・・・。
 レイジングハートによれば、もうかなり対象の近くまで来ているらしいのだが、さっきから何度も大声で名前を呼びかけているのに何の返事も返ってこない。
 時々、天井のみしみしと軋む音が不安を増大させる。
 そんな中、暗闇の奥底から声が聞こえた。それは確かな「助けて」という声。
「聞こえた? レイジングハート?」
《yes, it is an object(はい、恐らく対象かと)》
 段々と大きくなる声に導かれて、広い空間に出る。地下駐車場だろうか。
「おーい、大丈夫? 助けにきたよ!」
「足いたいよー、うごけないよー!!」
 声の方に非常用の懐中電灯を向けると、男の子の姿を確認できた。こんな真っ暗な中にずっと一人でいたのかと思うとぞっとする。早くお姉ちゃんに会わせて安心させてあげたい。
「今すぐそっちに行くから、待ってて!」
 急いで男の子のもとに駆け寄ろうとした、その瞬間。
 さっきから不定期に聞こえていた天井の軋む音が、より大きな音で鳴った。
 懐中電灯で天井を照らすと、下方にVの字に突き出た天井はいつ崩れてもおかしくないような状態だった。しかも最悪なことに、それは少年のいるほぼ真上。
(まずい、崩れる!!)
 本能がそう告げた。
 瞬時に様々な考えが頭を駆け巡っていく。
 恐らく走っていっても、間に合わない。
 それならっ!!
「耳を塞いで、伏せてっ!!」
 レイジングハートをバスターモードに切り替えて構える。
 お願い、私の魔法。
 この一瞬だけでいい。
 ・・・・・・私の想いに、応えてっ!!
「ディバイン・・・」
 すると、願いが届いたのだろうか、それまで繋がらなかった魔力結合が復活し、杖の先に魔力が急激に集まり始める。それも、いつも以上の速さで。
 そして予想通り、轟音と共に天井の崩壊が始まる。・・・間に合った!!
「バスターっ!!」
 掛け声と同時に集まった莫大な魔力が一気に放出される。
《No, master!!》
「えっ?」

 全てが、ほんの一瞬の出来事だった。

 それらが、なのはの目にはスローモーションで映る。それは、自分の意思に反した盛大な魔力の放出による、一時的な貧血にも似た症状のせいなのかもしれなかった。
 砲撃が着弾するはずの場所に何故か突然、フェイトが現れた。
 そのフェイトがバリアで崩壊する天井を抑えると、襲い来る桜色の魔力光に驚き、脅威の反射でバスターに対してもバリアを展開する。
(・・・どうしてこんな所にフェイトちゃんが? いけない、早くバスターを止めなくちゃ!!)
 崩れる天井を破壊する為に、殺傷設定にしてある。もしバリアを抜いて直撃するようなことがあれば、それは直接、肉体にダメージとして残ってしまう。
 そんななのはの不安を無視して、出力はどんどん上がり、砲撃の破壊力は加速度的に上昇していく。
(そんな・・・。止められないっ!? 魔力の放出が・・・抑えられないっ!!)
 一体、自分のどこにこれだけの魔力が秘められているというのだろうか。そう思わせるほどに、滔々と自分の中から魔力が溢れ出てくるのがわかる。
(お願いっ、止まってっ!! このままじゃ、フェイトちゃんが死んじゃう!!)
 これは尋常じゃない。凄まじい量の魔力が瞬時に生成され、その瞬間に放出される。その媒体となっているなのはは、何度も気を失いそうになりながらも、気力で正気を保っていた。
 普段の自分と同じくらいの魔力量であるフェイトが、それを遥かに凌駕する魔力砲撃を受けている。そろそろ彼女の魔力も底を付く頃だ。
(せめて、砲身をずらせればっ!!)
 もはや自分の手すら満足に動かせないようなその状態で、その杖の向きを変えられたのは、フェイトに対する想いの力としか言えない。
 砲身は天井へとずれ、止まらない殺戮の魔力光は天井をぶち抜いて、夜空に桜色の光の柱が立った。
「・・・はぁっ、・・・はぁっ、・・・はぁっ・・・」
 魔力が底をついたのか、それとも制御能力が復活したのか。でたらめな魔力の放出はようやく収まった。いずれにしても、規格外の魔力消費に、もう体が言うことをきかない。
「お姉ちゃん! こっちのお姉ちゃんが!!」
 声に振り向くと、ぶち破った天井から覗く月の明かりに照らされて、少年の膝元に倒れている人影が。
「フェイ・・・ト・・・ちゃん?」
 動かない体で何とか這いずって、彼女のもとに辿り着く。
 フェイトはぐったりとしていて、動く気配が、無い。
「ねぇ・・・フェイトちゃん、嘘だよね? ・・・目・・・開けてよぉ・・・。そんな・・・、そんな・・・」

 夜空に、少女の慟哭が木霊する。

 それは、天使の悲しみにも、悪魔の怒りにも聞こえた。



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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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