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第四話「さよなら」①

先週のLIVE JOURNEY STATION 9 に参加してきました!
奈々様の生歌聞けるって最高ですね!
会場の一体感とか、やっぱりLIVE、いい!!
もう欠かせないですね。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第四話「さよなら」①
になります。



 崩れ落ちる建築物。炎上する都市。津波に呑まれる海岸沿いの街。逃げ惑う人々、見捨てられる人々。そして、上司の尻拭いに必死に奔走する管理局員という名の犬たち。
 モニターに映る、第38管理世界の惨状を前に、肩を震わせる科学者が一人。
「ふふ・・・、予想通り・・・いや、予想以上じゃないか・・・」
「ご機嫌ですね、ドクター」
 秘書の言葉に、科学者は満足そうに頷く。
「やはり視覚に訴える実験というのは、心躍るものだよ。それは子供でも大人でも変わらない。私とて、その例外ではないさ・・・」
「あのー・・・、結局これって成功なんですか?」
 首元に「Ⅵ」「Ⅹ」の数字の入った二人の少女は事の成り行きを理解していないらしく、No.Ⅵがおずおずと手を挙げて尋ねる。
「えーとねぇ・・・、そもそもぉ、成功とか失敗とか関係無いの。というかぁ、正確には実験ではありませんしね。ねぇ、ドクター?」
 素なのか、それとも意識的なのか、甘ったるい話し方で答える少女の首元には「Ⅳ」の文字が躍る。
 話を振られたドクターは「おいおい、酷い言いようだねぇ」と肩をすくめる。
「ごめん、よくわからない」
 首を傾げるNo.Ⅹに、No.Ⅳはモニターに被害前のとある建物を映し出す。
「これはパトロンからの依頼なの。この研究所で大きな魔力暴走を起こせ、っていうね」
「・・・何で?」
「わっかりませぇーん。恐らくはぁ、消さなければならない“何か”があったんじゃないかしらん?」
 人を馬鹿にしたような、見下した態度を取ることもNo.Ⅳの特徴の一つである。
「ふぅん・・・」
「えぇ!? 今のでわかった? ディエチ?」
「いや、さっぱり」
「よかった~。バカが私一人じゃなくて・・・」
「流石にそれは酷い、セイン・・・」
 自分の疑問に明確な答えを提示してくれたのかすら理解出来ない二人は、これは自分たちの頭で処理できる限界を超えた話なんだなという結論に至り、思考を終了させて会話への参加を辞退する。
「その辺のことはご存知なんですかぁ、ドクター?」
「さてね・・・。ウーノが調べてくれているだろうが、私はあまり興味が無い。今回引き受けたのはタイミングがよかったから、だよ。これの研究も順調に進んできている。研究者なら一度はその力を見てみたいじゃないか。百聞は一見に如かず、と言うだろう?」
 科学者の視線の先にあるのは赤く輝く宝石。名をレリックと言い、後に第一級捜索指定遺失物となる、超高エネルギー結晶体である。
「ドクターってば、お好きですねぇ」
 完全に蚊帳の外となったNo.Ⅵは、映し出された幾つものモニターの中の一点を険しい目で凝視しているⅢとⅤのナンバーがそれぞれ刻まれた二人の間から首を出す。
「トーレ姉、チンク姉、何をそんなに真剣に見てるの?」
「あぁ、セインか。あれだ」
 指差されたモニターに映るのは、自分たちと比べても更に幼い一人の少女。その歳で既に管理局の犬となったか、孤軍奮闘しながら救助活動を続けている。
「局にも少しは出来る奴がいるようだな・・・」
「しかし姉上・・・。この者の動きは、人という種からいささか逸脱しているように思えます・・・」
 右目に眼帯をした、この中で最も幼く見える少女の声は、その容姿に反して低く、落ち着いた印象を与える。
 画面の中の少女は数人の小隊でなければこなせないような作業を一人で、それも数人で行うよりも迅速にこなしている。集中力を必要とされる上位魔法を移動しながら発動させ、それを制御しながら、行く手を阻む障害物を砲撃で破壊。既に建物の構造は把握済みなのか移動経路の選択にも迷いが無い。あれよあれよという間に逃げ遅れた民間人がまた一人救出された。一つ間違えれば惨事は免れないような魔法も躊躇無く使い、ミスも無い。自分の魔法に絶対の自信があるのが見て取れる。
「うわ・・・すご・・・」
「私、この娘きらーい」
 いつの間にかNo.Ⅵの横に立っていたNo.Ⅳは渋い顔で画面を眺めている。
「そうかい? 良い素体になりそうじゃないか」
 興味が湧いたのか、ドクターも画面の中の少女に注目している。
 そんな中整然と歩み寄って来る秘書はモニターになど興味もくれない。
「今回の件の詳細がわかりました。一応お耳に入れておいた方がよろしいと思うのですが」
「聞こうか」
 秘書の報告を受けて、科学者は口元を緩める。
「なるほど・・・。彼らには過ぎた玩具だな・・・」
 何がそんなに面白いのか、一人くつくつと肩を震わせる。
「急ごう。上手く事が運べば、私の夢の成就がより近い未来となる・・・」
 科学者の言葉に、少女たちはそれぞれの任務の為に散開する。
 モニターの中にいるこの白き天使が、いずれ自分たちの前に悪魔の如く立ちはだかることになるとは、ここにいる誰に想像できようか。



   第四話 さよなら


 控え室で待つ三人に、会話は無い。会話など、出来る筈が無い。
 頭を抱えてうずくまるアルフ。震えながら必死に祈り続けるエイミィ。静かに壁を見つめ続けるクロノ。白を基調として明るい部屋の雰囲気とは裏腹に、室内の雰囲気は息をするのが苦しくなりそうな程に重い。
 あの時、なのはが空に目掛けて放った殺戮の魔力光は、かなり遠方でもはっきりとその空へと伸びる桜色の柱を見ることが出来たらしく、それを不審に思った魔導師らが現場に直行、なのはたちは無事保護されるに至った。意識の無いフェイトは直ぐに本局の医療センターに護送され、集中治療室に入れられた。
 それから一体、どれくらいの時間が経ったのか。お互いの呼吸が聞こえてきそうな程の静寂は、不安を増大させていく。
 あの扉が開けば、真実がやってくる。
 フェイトの容態は気になる、でも何かあった時のことを考えるとそれを聞くのはとても恐ろしい・・・。そんな共通の不安が三人の中に渦巻く。
 嫌な予感が頭を掠め、心臓が跳ねる。そんなことは無いと信じて、自分を落ち着かせる。そんなことを幾度と繰り返し・・・。
 ――そして。
 運命を告げる扉が開く。
「フェイトは? フェイトは大丈夫なのかい!?」
 アルフは押し倒しそうな勢いで、入ってきた医師に飛び付く。クロノとエイミィも息を呑む。
「大丈夫ですよ。命に別状はありません」
 その言葉に、ずっと緊張が続いていた場の雰囲気がほっ、と和らぐ。
 医師の話によると、命に別状どころか、怪我一つ無いらしい。空中で昏倒し、落下するフェイトをバルディッシュがしっかりと緩衝魔法でフォローしてくれていたようだ。
「何があったのかはよくわかりませんが、あれだけの魔力の持ち主が、それを一瞬で消費させてしまったんですから、それは気絶もしますよ」
 尋ねてまではこないが、流石の医師でもその原因については想像が付かないらしい。随分と釈然としない表情をしている。
「随分と疲労も溜まっていたようです。暫くは目を覚まさないでしょうけど、ご心配なさらずにゆっくりと休ませてあげてください。とりあえず目が覚めたらナースコールでお知らせください。・・・あ、それと。魔力が完全に戻るには幾ら回復の早い子供とはいえ、一週間以上は掛かると思います。その間、魔法の使用は控えさせるようにしてください。こちらとしては、しばらく入院されていくことをお勧めします」
 それではお大事に、と部屋を出ていく医師に、一家揃って頭を下げる。
「よかった・・・フェイトぉ・・・」
 膝から崩れ落ちた使い魔は主人の無事を喜び、ぽろぽろと涙を零し子供のように泣きじゃくる。
「アルフ・・・、ごめん。・・・私の、せいだ」
「いいんだよ、エイミィ。別にアンタのせいじゃない・・・」
 クロノはここでの用は済んだ、とばかりに立ち上がる。
「アルフ、フェイトのことは任せてもいいか? 僕らは一旦アースラに戻る。行くぞ、エイミィ」
「そんな、ちょっと待ってっ・・・」
 彼女の意思を無視して、その手を引くクロノ。
 しかし、出て行こうとするクロノを待たずに部屋の扉が開く。
「なのはちゃん・・・」
 患者着から見える肌は、その殆どが絆創膏やら包帯で覆われており、全身を支える松葉杖もどこかから借りたのか高さがあっていない。満身創痍のその姿は見ている方が痛々しい。
「・・・あの・・・フェイトちゃんは・・・」
「大丈夫だ。命に別状は無いし、怪我もしていない」
 安心した表情を見せるかと思いきや、その表情は険しいままだった。
「あの・・・ごめんなさい・・・」
 ガタンっ、と勢い立ち上がるアルフ。
「何なんだよ・・・テメェはよぉっ!!」
 アルフの怒りが部屋に満ちる。
 なのはのもとに歩み寄り、その胸倉を掴む。怒りに満ちたその瞳は怪我人に向けるものには程遠い。
「フェイトはあんたのこと信じてんだよ!! フェイトの気持ち知ってるくせに!! わけのわかんねーはぐらかしかたして逃げて、勝手に落ち込んで・・・。挙句の果てにミスショットで墜としてごめんなさいだぁ!? ふざけんのもいい加減にしろっ!!」
 クロノが焦って二人の間に割って入る。
「やめろアルフ! こんなことをしてもフェイトは・・・」
「ああ、喜ばないだろうねぇ。私は怒ってないからやめて、って言うだろうねぇ。・・・だからっ!だからアタシはこいつが許せないんだよぉっ!!」
 クロノに押さえつけられてなお、アルフはもがく。感情が、理性を超えていた。
 やがて落ち着きを取り戻すと、崩れ落ちて再び涙が頬を伝う。
「何でだよ・・・。幸せにしてくれるんじゃなかったのかよ・・・」
 呟くように、嗚咽交じりに搾り出した声は悲痛な叫びとなって、なのはの心に突き刺さる。
「せっかくフェイト幸せになれたのに・・・。今更奪うなよ・・・。・・・あんたまでプレシアみたいにフェイトを裏切るのかよ・・・」
 使い魔の声に、再び憎しみの炎が宿り始める。
「これ以上フェイトを傷付けるなら・・・、あたしはあんたを・・・殺すっ!!」
 感情の昂ぶりは使い魔を獣へと戻し、なのはに向かってその牙を剥く。
「アルフやめろっ!!」
 クロノの放ったバインドが狼の体を締め付ける。あと少しでも遅れていたら、なのはの首筋は狼の牙によって貫かれていただろう。
「消えろっ!! 今すぐフェイトの前からっ!!」
「なっ、何をやっているんですかっ!? ここは病院ですよっ!!」
 騒ぎに駆けつけた看護士らによってアルフは取り押さえられ、動ける状態ではないにも関わらず病室を抜け出したなのはは気を失って運ばれていった。
 部屋に残された二人はやりきれない表情で立ち尽くす。
 エイミィはただ震えて立っていることしか出来なかった自分が歯がゆくて、泣きそうになる。
「・・・どうして、こんなことになっちゃったんだろう・・・」
 ――ぱんっ。
 二人しかいなくなった室内に、乾いた音が響く。
 エイミィは頬にじんわりと熱が帯びるのを認知するまで、自分が打たれたことに気が付かなかった。
「すまん・・・。だが、わかっているのか? 今回の件は殆どが君の責任なんだぞ」
 抑えた声の中にも、彼の怒りは感じることが出来た。
「・・・クロノ君、最近おかしいよ」
 左手で頬をおさえて、ぼそりとそう呟く。
「話を・・・誤魔化すな」
「誤魔化してないっ!! 絶対おかしいよ、最近のクロノ君はっ!!」
 滅多に聞くことの無いエイミィの感情的な叫びに、クロノはたじろぐ。
「クロノ君の守りたいものって何!? 地位? 名誉? ・・・それとも、・・・・・・フェイトちゃん?」
「はぁ!? 何を・・・」
「出世するのがそんなに大事? 提督になるのがそんなに大切なことなの!?」
「落ち着けエイミィ。ちゃんと話を・・・」
「クロノ君のばかっ! もう知らないっ!!」
 エイミィは逃げるように部屋を出て行った。
 ひょっとして、泣いていたのだろうか。もしそうだとしたら、彼女を泣かせたのはこれが初めてかもしれない。
「一体僕は、何をやっているんだろうな・・・」
 彼女を打った掌が今になって痛み始めた。



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テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

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プロフィール

高町屋

Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

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≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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