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第四話「さよなら」②

昨日からめっちゃ寒いな・・・。
暑いよりかは全然良いけど。
今週末はLIVE JOURNEY in 埼玉スーパーアリーナ。
きっと物販とかえらいことになるんだろうな・・・。

来週には夏コミの詳細を記載する予定です。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第四話「さよなら」②
になります。



   

 中央評議会会議室では定時報告が行われていた。今回その中央に立つホログラフは、地上本部の実質上のトップ、レジアス・ゲイズ中将であった。
「例の事件に関しましては、ほぼ沈静化が完了致しました」
 彼の言う「例の事件」とは、ゼスト・グランガイツ率いる部隊が戦闘機人に関する施設に突入捜査をした際に、隊員が全滅した事件のことを指している。
 レジアスとゼストは局の未来を語り合うほどの親友であり、レジアスは彼がこの戦闘機人の件に深入りしないよう配慮するつもりであったが、それを待たずにゼストは突入捜査を強行。既に稼動を開始していた戦闘機人たちによって殺害されてしまったのだった。
 全てが想定外の出来事であった為、レジアスはこれまで事実の隠蔽に奔走していた。
 犠牲になった局員は全員不慮の事故死として扱い、遺族にも十分な金をくれてやった。ゴシップ的に取り立てようとするマスコミには片っ端から圧力を掛けた。事情を知る局員にも情報を外部に漏らせないように、何らかの措置を取った。
 本来ならば、唯一無二の親友を失ったレジアスにとってもこの事件は許せないものであるはずだった。
 しかし、秘密裏にジェイル・スカリエッティと進めていた戦闘機人計画をこんなところで潰されてしまうわけにはいかなかった。
 今は法に照らし合わせると様々な問題とぶつかってしまうため、表立ったことは出来ないが、この計画はいずれ地上世界全ての平和に繋がると、レジアスは確信していた。
(海の連中は、地上のことなど何一つ分かっておらん! 海のせいで、陸が犠牲になって良い理由などあるものか!! 戦闘機人の件は、実戦投入と初披露目を同時に行って、その有用性を明らかにしてやれば、多少のことで文句は言われまい・・・)
 彼の思考の根源は、現在の管理局のシステムのせいで、彼の言う海『本局』と陸『地上本部』の連携がスムーズに進まず、本来なら助かるはずであった何千、何万という犠牲の上に成り立っている。
 悪評高いレジアス・ゲイズも、元々は純粋に地上の平和を願う者であったのに、その強すぎる想いが彼を歪ませてしまったようだった。
 そのせいで大切な友までも失ってしまったが、もはや後戻りなど出来ない。
(人を守るとは、結局こういうことなのだよ。わかってくれ、ゼスト・・・)
「今回の件で評議会の皆様にまで被害が及ぶ可能性は無いでしょう。この度はご心配をお掛けしまして・・・」
「この馬鹿者がぁっ!!」
 室内に怒号が響き渡る。
「情報は全て、38世界の若造に筒抜けであったわ」
 モニターに第38管理世界の駐屯部隊、第五部隊長の顔写真が映し出される。
「な、何と・・・」
 どうやらゼストは裏で情報を流していたらしい。生きて帰れない可能性があることを考え、自分に何かあったときは代わりに情報を公開するように依頼していたようだ。
「いつ気が付くかと黙って見ておれば・・・。この役立たずが!!」
 ということは随分と以前から、情報が漏れていることを彼らは把握していたことになる。
 この顔にも見覚えがある・・・。そうだニュースだ。発狂して射殺された部隊長だ。
「それでは・・・皆様が?」
「直に手を下してやったわ」
「も、申し訳ありません・・・」
「・・・ゼスト・グランガイツとは旧友であるそうだな?」
「貴様・・・ここに来て変な気を起こしてはおるまいな・・・」
 話が思わぬ方向に向かい始める。
「め、滅相もございません! 地上世界の平和こそが私の願い! その為であれば友の屍でも踏み越えて見せましょう!!」
 癪だが彼らの局内における力は未だに健在だ。ここまで足を踏み入れてしまった以上、自分の命は彼らに握られているも同然であった。
「友の死は無駄にしない、か。結構なことだな」
「その歳で友情を口にするか。暑苦しい男どもよ・・・」
「とはいえ、奴は人造魔導師として仮初の命を宿して蘇る。いずれは貴様のもとにも姿を現すかもしれん。懺悔の言葉でも考えておくんだな」
 場内に下衆な笑い声が木霊する。
(おのれ、老いぼれども!! 言わせておけば・・・)
 レジアスは拳を振るわせながらも、耐える。
 今はまだ、耐えねばならない。自分の計画の為に、地上の平和の為には、悔しいが彼らの力はどうしても必要なのだ。
 犠牲にしてきたものが多すぎた。つい最近、そこに旧友が加わったばかり。それらの犠牲を無駄にしない為にも、私情になど流されてなるものか。
 レジアスは耐え続ける。己の理想の為に。


「あれもまだまだ若い・・・」
 レジアスが姿を消しても、三人の会議は続いていた。
「あのような無能に任せておいては、局の未来も暗い・・・」
「カリスマ性くらいしか、使い道の無い男であるからな・・・。ここらが限界かもしれんな・・・」
「皆様、ルカ・ベルリネッタ様がお見えです」
 そこに世話役の女局員が現れ、次の来訪者を告げる。
「通せ」
 再び中央に人の映像が現れる。今度は随分と若い男であった。
「失礼します。定時報告に参りました」
 権力者三人を前にして、緊張する様子も無い。
「で、その後の経過はどうなっておる?」
「研究所は既に跡形もありませんからね・・・。もはや調べようもありませんよ・・・」
 報告者は吐き捨てるように言う。
「・・・何か不服でも?」
「・・・これほどの犠牲を出してまでやらなければならないことだったのでしょうか」
 まさかそんな理由で機嫌を損ねているなどとは思い至らず、評議会に失笑が漏れる。
「そんなことは我々の知るところではない」
「文句があるのならスカリエッティに言ってもらおうか」
 そのスカリエッティに指示を出したのはあんた達だろう! と怒鳴りたくなるところをルカは何とか抑える。
「それよりも、対象の様子はどうだ? 未だに変化は無いのか?」
「例の次元震にて、ようやく暴走が確認されました」
「故障はしていないのだな?」
「・・・恐らく」
「残る問題は八神はやてか・・・。そちらは大丈夫なのか?」
「例の本にどれ程の情報が記載されているのかが分からない以上何とも・・・。本を奪おうにもあのセキュリティと戦力はそうそう崩せるものではありません・・・」
「ええい、忌々しい!!」
「未だに昔のガラクタに頼らねばならんとは難儀なものよ・・・」
「我々は新暦を迎えてなお、古代の技術に追いつけん。何故だと思う?」
「・・・考えたこともありません」
 ・・・突然何を言い出すのか。
「血、だよ。人々の血が足りんのだ」
 嬉々として語り始める老人たち。それは随分と狂気じみていた。
「戦争が技術を発展させてきたのは歴史を見れば明らかだ。止まらない人々の悲しみが、終わらない憎しみの連鎖が、人類を進化させてきたのだよ。そんな野蛮な戦いが熾烈であった古代であれば、今の人類では辿り着けないような叡智を得ていたとしても不思議ではあるまい?」
 まるで夢見心地と言った語り口に、ルカは悪寒を覚える。
「・・・あなた方は、戦争をしたいんですか」
「この世界の更なる発展を望んでいる、と言いたまえ」
「何かを成すということは、何かを犠牲にする、ということだよ」
「君も愛する家族を守るためなら、何でもするのだろう? それと変わらんよ」
「・・・・・・報告は以上です。失礼します」
 彼らとこれ以上議論することは無い。したところで意味は無い。そう悟ってルカ・ベルリネッタはその場から姿を消した。


   ◆

 冬の空はどんよりとした雲に覆われている。ついさっき、雪がちらほらと舞い始め、寒さをより一層際立たせている。
 目的地に向かって歩くクロノはそんな空を見上げて、一人溜息を吐く。
 せめて、天気くらい晴れていてくれればいいのに。
「あれ、クロノ君だ。珍しいね、どうしたの?一人?」
 呼び鈴を押して現れたのは、なのはの姉である美由希であった。エイミィとは既に親友と呼べる程に仲が良く、休暇の際にはよく二人で出掛けているようだ。互いの家もよく行き来しているようで、クロノも無理矢理引っ張られてきたことがあった。
「はい、今日はなのはに伝えることがあって来ました」
 クロノの言葉に何か思うところがあったのか、その表情が曇る。
「やっぱりなのは・・・、何かやっちゃった?」
「・・・どうしてそう思うんですか?」
「・・・会えばわかると思う。ノックしても返事無いと思うから、勝手に入って大丈夫だよ」
 部屋まで送っていこうか? という申し出を断り、なのはの部屋を目指す。
 外の天気のせいで、家の中まで薄暗い。気分が益々、重くなっていく。
 高町家の人たちが、なのはの魔法に関してこちらが与えた情報以上のことを求めて来た事は未だに無い。
 彼女が自分で決めたことならば、こちらから言うことは何も無い。それが彼女の家族の総意であった。
 彼女に対する絶対的な信頼か、それとも高町家における教育方針なのかは判断し兼ねるが、まだ小学生であるにも関わらずあれ程までにしっかりした子供に育つのなら、確かにこういう家庭環境なのかもしれないな、とも思う。
 とは言え、求められない以上、今回の件は流石にこちらに報告の義務があるだろう。
『なのはのへや』とプレートがぶら下がる部屋の前に立つ。こうして見ると、彼女も普通の女の子であることを改めて認識させられる。初めて彼女を見たときの衝撃か、天才的な魔導師としてのなのはの方が印象が強いため、二人のなのはが中々イコールで繋がらない。
 美由希の言うとおり、ノックをしても返事が無い。「クロノだ、入るぞ」と一声掛けてドアノブに手を掛ける。
「具合はどうだ?」
「・・・クロノ君」
 あのクリスマス・イヴから三日。学校ももう冬休みに入っている。普通の子供であればクリスマスが明けて、来たる年末に向けて浮き足立ち、遊び回っている頃だろう。この雪に誘われて寒さに構わず外に飛び出している子達だって少なくないはずだ。
 そんな楽しいはずの時間をなのはもフェイトもベッドの上で過ごさなければならないことが少し不憫に思える。
 それにしたって、なのはの現状は酷い・・・。
 まだ昼過ぎだと言うのにカーテンを締め切っていて、外の天気の悪さも手伝い部屋の中は夜のように暗い。そんな中、ベッドから上半身だけを起こしてどこを見つめるでもなく、虚ろな目をしてただぼんやりとしていた。額や頬、手の甲の傷を隠す絆創膏が、見ていてとても痛々しい。
「クロノ君、この前は勝手なことして・・・」
 言い終わる前に、それを手で制する。
「謝る必要は無い。君は君の信念に基づいて動いたんだろう。結果として多くの人の命が救われた。本来なら、僕は君に礼を言わなければならない立場なんだと思う」
 クロノは「感謝する」と一度頭を下げる。
「そんな・・・」
 なのはは少し困惑する。それで事が済むなどとは思っていないようだ。
「でも実際、事態はそんなに良くはない。命令違反もそうだが、あの時君が放った一撃が上空に待機していた艦隊を掠めたらしく、かなりの問題になっている」
 艦長を務めていたリンディ始め、アースラのスタッフが事後処理にかなりの労力を費やしたのは事実だ。なのはを訪ねるのが今日になったのも、そういった理由からだった。
「実際に被害が出たわけではなかったから何とか大事にはならなかったが、君の魔力不安定が明るみになった以上、こちらとしても態度を決めなければならない・・・」
 沈痛な面持ちで語るクロノ。
「覚悟は・・・出来ています」
 私情を挟んではいけない、と一息ついて一局員としてのクロノ・ハラオウンに戻る。
「高町なのは。命令違反及び、ポイント74β待機艦隊への危険砲撃に対する処分として、無期限の魔法使用の禁止と自宅謹慎を命じる」
 なのはは落ち込むでもなく、取り乱すでもなく、無表情でただ静かに俯いていた。
「すまん・・・。僕も提督も尽力したんだが、君の逮捕を阻止するのが限界だった。君にとっては辛い決定となってしまったが、出来るだけ前向きに捉えて欲しい。良い機会だから、ゆっくりと体を休めてくれ。地球での行動までは制限しない。暫くは普通の小学生として、普通に暮らしてくれればいい」
《master・・・》
「レイジングハート・・・。ごめんね・・・、私のせいで・・・」
 魔法使用の禁止。それは彼女のデバイスにしてパートナーでもある、レイジングハートの接収をも意味していた。
《It is not your responsibility(マスターのせいではありません)》
「ありがとう、レイジングハート」
《I wait for you, forever(ずっと、待っています)》
 デバイスの言葉に、なのはは笑顔を見せる。
「私のことは・・・もう、いいんだよ。レイジングハートはとっても優秀な子なんだから、もっと色んな人の役にたってあげなきゃ。私のことなんて、早く忘れなきゃダメだよ? 新しいマスターのところでも、ちゃんとサポートしてあげてね。レイジングハートならきっと、大丈夫なはずだから・・・」
《I don’t understand what you say. My master is only you(理解不能です。私のマスターは、あなただけです)》
「レイジングハートは優しいね・・・。本当に今まで、ありがとう。・・・クロノ君、レイジングハートをお願いね・・・」
 なのはは手にしていた不屈の心を、クロノに手渡した。
《master !!》
「連れて行って」
「・・・いいのか?」
 クロノに背を向けて、こくりと頷く。
「では、また連絡する。今はゆっくりと休んでくれ・・・」
 託された朱玉を手に、部屋を出る。
 窓から空を仰ぐと、本格的に雪が降り始めていた。もしかしたら、積もるかもしれない。
 ・・・きついな、こういうのは。
 さて、高町家にはどう説明したら良いものか・・・。クロノは頭を悩ませながら、親族のもとへと向かう。


 新暦0067年、12月27日。
 ――高町なのはは、第97管理外世界「地球」に住む、ただの小学六年生になった。



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Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

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≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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