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第四話「さよなら」⑤

今日からですね、夏コミ。
参加される方、熱中症にはくれぐれもお気を付けて・・・。
あれは本当につらい・・・。

第四話はここまでになります。
ちょうどこの四話までがNightmareのⅠ巻の内容です。

次週より、第五話「それは望んだ世界なの?」
に移ります。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第四話「さよなら」⑤
になります。



   

 ―――もういい。

 信じてくれる人を、裏切るのも。
 信じられることも。

 悲しいんじゃない。苦しいんじゃない。
 無力な自分に、絶望していた。

 お願いだから、もう誰も優しくしないで。
 これ以上私に誰も傷付けさせないで。

『・・・いいわ。願いを叶えてあげる』

 ・・・いいの?

『あなたが、この世界に未練が無い、と言うのなら』

 私は、ゆっくりと頷いた。
 ずっと好きだった女の子の顔が一瞬浮かんで、消えた。
 どうしてだろう。もう枯れたと思っていた涙が、今更になって一粒、頬を伝っていった。


   ◆

「ただいまー」
「おかえり、はやて!」
 主の帰還に、リビングからヴィータが飛び出してくる。玄関に腰を下ろして靴紐を解く背中にぎゅっと抱きつく。
「こぉら、ヴィータ。靴脱がれへんて」
「ヴィータちゃんずるいです、リィンもやるですー!」
 出迎えてくれる人がいるってええもんやなぁ、としみじみ感じる。
 ヴィータとリィンを張り付けたまま、リビングに戻ると他の守護騎士たちも口々に「お帰りなさい」と告げる。何だか少しくすぐったい。
「留守中、何か変わったことは?」
 それを誤魔化すように、あえて抑揚を抑えた声を使う。
「特にありませんが、強いてあげれば、なのはちゃんが学校をサボったことくらいですね・・・」
「それはまた・・・、やっぱり重傷みたいやね・・・」
 ちょうど学校が始まる日と局の仕事が重なってしまい、なのは同様、はやても学校に顔を出さないまま、週末を迎えていた。
「そろそろフェイトちゃんも海鳴に戻って来とる頃や。もう、フェイトちゃんに任せるほか、ないやろうなぁ・・・」
 他人任せだと言われても、こればかりはどうしようもない。自分がその役ではないことくらい重々承知しているつもりだ。
 ただ、烈火の将が自分の言葉に微妙な表情を浮かべるのが気になってしまう。
 ああ、もう。かわええなぁ。
「シグナムは私がちゃーんと面倒見たげるから、安心してな」
 ぽふっ、と肩ではなく、わざとその豊満な胸に手を乗せてやると、二つ名の如く顔が燃え上がる。
「あ、あの・・・。一体何を・・・。主、いけません・・・。緊急通信です」
 なんやええとこなのに、と唇を尖らせながらも、その表情は真剣だった。緊急通信、という情報だけで連絡主はほぼ確定している。
『はやて、頼まれていた解読が終わったわ・・・』
 モニターに現れたカリムも、そのことを心得ているのだろう。前置きをせずに、本題に入る。
『知っての通り、古代ベルカ語は常に何通りかの解釈の仕方がある。これが正解、ということは基本的に無いのだけれど、出来るだけ全体的に意味が通るように訳してみたわ・・・』
「大丈夫。その辺は理解しとるし、信用もしとるから」
 それなら、とカリムは頷き、翻訳結果を静かにゆっくりと語り出す。
「魔癌・・・恐ろしき病・・・、心を蝕み、その者の魔力を使い災厄を呼び、そして・・・孤独な最期を与える・・・」
 災厄・・・。きっと第五部隊長の起こしたような、魔力暴走のことを指すのだろう。これで、魔癌の正体、そしてこの事件に絡んでいるのがその『魔癌』であることは確定した。
 しかし、何かが引っかかる。
 被害者の魔力を使っての暴走そして・・・、心を蝕む、というフレーズ。
「・・・なぁ、聞くの忘れとったけど、あの次元震の日の夜、空に向かって伸びる桜色の光が見えんかったか? あれって・・・」
 いきなり何を言い出すのか、と守護騎士たちは顔を見合わせる。
「・・・ひょっとして、誰からも聞いてないんですか? あれは・・・」
 はやてはあの晩、フェイトがなのはのミスショットによって倒れた、ということしか知らない。あんな馬鹿げた魔力量の出力が、そのことと関わりがあるなんて考えてもいなかった。
 事の詳細を知らされたはやての顔から、血の気が引いていく。
「まさか、そんなっ・・・」
 いや、そんなとこが有り得るわけが無い。でもこれまでに感じていた嫌な予感の正体がこれであるのなら、確かに納得することも出来るような気がした。
「はやて、どうしたの? 何かわかった?」
 ヴィータが俯いて固まるはやての顔を覗き込むと、勢い良く立ち上がる。
「シャマル、一緒に来て!! 急がなあかん!!」
「え!? あ、はいっ!」
 有無を言わさず、といったはやてに反射的に返事をしてしまう。それが緊急を要することであることくらい、察することは出来る。
 しかし、はやてが一人焦って玄関を出たところである異変に気付く。
 正体不明の魔力攻撃がこちらに向かっている。それは明らかな敵意を持って自分に対してに向かってきていた。
 はやてがしようとするよりも早く、ザフィーラが飛び出してきて主の前に立ちシールドを展開する。
 それを凌ぎきると、間を置かずに今の魔力砲を放ったであろう者たちが襲い来る。しかし、烈火の将と紅の鉄騎を前にして、主に触れることなど出来る筈も無い。
 正体不明の集団による、突然の強襲。
 それが一体何を意味するのか、考えている余裕など無い。とにかく、今は一刻も早く行かなければならないところがある。
「主、ここはお任せください!! ザフィーラ、主たちを頼むぞ!!」
「承知している!!」
 既に走り出しているはやてたちの前では数人の無頼たちが進路を塞いでいる。
「てめぇらっ! 道を、開けろぉっ!!」
 そのはやてたちを後ろから飛び越し、ヴィータは鉄の伯爵を振り下ろす。
 彼女の破壊力は知るところであるのか、誰もそれを受け止めるような無謀な真似はせずに、回避行動を取る。
 道は開き、はやてたちは一気に駆け抜ける。追おうとする連中は容赦なく叩き潰されるか、切り落とされるかの末路を辿る。
「ここから先は一歩も通さん!!」
「ぶっ潰されてー奴はかかってこい!!」
 殺意漲る二人の視線に、残った者たちはたじろぐ。
 追い討ちをかけるかのように、風景の色が変わる。狭い範囲ではあるが、シャマルが外から結界を張ってくれたようだ。
 退路を塞がれ、彼らに残された逃げるための選択肢は、目の前の敵を倒すか、結界を破壊するかのみになった。
 圧倒的な戦力の差を見せ付けられ戦意を喪失しつつある彼らにかける情けなど、二人の騎士は持ち合わせていない。
 じりじりとその距離を詰め、格好が私服から騎士甲冑へと変化する。
 カートリッジをロードする重い響きと薬きょうが落ちて奏でる甲高い音が、彼らの絶望を加速させる。
「おい、お前ら」
「我が主に刃を向けた以上、生きて帰れると思うなよ」


「ごめんくださいっ!!」
 息が切れて声の調節が出来ない。そんなに出さなくても聞こえるよ、というくらいの声量になってしまった。
「あれ、はやてちゃん。シャマルさんも・・・そんなに慌ててどうしたんですか?」
 肩で息をするはやてとシャマルは逆に心配されてしまう。
「どうしても・・・っ、なのはちゃんに会ってっ・・・確かめなあかんことがあるんです・・・」
「そっか・・・ありがとね、はやてちゃん。ちょうどさっき、フェイトちゃんも来たところだよ」
 視線を下ろすと、確かにフェイトのブーツがあった。
 あかん・・・、せっかく二人きりなのにお邪魔やろか・・・ってそんな場合ちゃう!!
「午前中にアリサちゃんとすずかちゃんも来てくれたんだけど、なのはってば二人に随分と酷いこと言っちゃったみたいで・・・。もしかしたらはやてちゃんにも」
 ・・・それってやっぱり、そういうことなんか?
「すんません! 急ぐんで、お邪魔します!」
 焦りすぎて、靴が、上手く脱げない。ええい、鬱陶しい!!
 もうこのまま土足で上がりこんでやろうかなんて考えていると、奥の方から大きな声が聞こえてくる。
 それは、彼女が想い人の名を必死に叫ぶ声であった。
 鼓動が再びフル稼働を始める。靴を乱暴に投げ捨てて、なのはの部屋に駆け込む。
「どうしたん、フェイトちゃん!?」
 はやての言葉に、フェイトはゆっくりと振り返る。
「はやて・・・。・・・私、よく・・・わからないよ・・・」
 その顔は青ざめて、声も微かに震えている。


「何で? ・・・どうしてなのは・・・・・・息・・・してないの?」



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