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第五話「それは望んだ世界なの?」④

今回のリリマジ、一冊書き上げるのはしんどいので、
とあるサークルさんとSS合同誌を出そうという話になりました。
詳細はそのうち記載しようと思います。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第五話「それは望んだ世界なの?」④
になります。






   

「すごいよ、なのは。これで史上最年少での教導隊入りはほぼ確実だねぇ」
 アルフさんはふさふさの尻尾をはためかせ、目を輝かせている。
「そんなことないよ、アルフさん、気が早いってば」
「だって、あれだけ凄いことしたんだから、特例があるかもって話があるくらいなんだろ?」
 あの後、事態は思いも寄らぬ展開を見せていた。
 あの時、私が殲滅したあの魔法生物は、いくつもの世代を跨いで封印を繰り返してきた、局にしてみれば厄介な悩みの一つであった。その問題が解決された、ということで管理局は結構な騒ぎになった。表彰やら、マスコミの取材やらで、私は一晩にして時の人となった。読んで字の如くもみくちゃにされて、どちらかといえばそっちの方が疲れた。
 更にアルフさんの言う、特例。
 あの目覚しい功績(←偉い人の評価)というやつのお陰で、戦技教導隊の入隊が認められるかもしれないのだ。
「それはそうだけど・・・。私、ちゃんと試験は受けるつもりだから」
「えらいね、なのは」
「そんなんじゃないけど・・・。その段階を踏まないと、それから先を頑張っていけない気がするんだ・・・」
「全くくそ真面目だねぇ・・・。私のご主人様とそっくりだ」
「だって、私のなのはだもん」
 フェイトちゃんはアルフさんの前だととんでもないことでもさらりと言ってのける。私は、恥ずかしいよ・・・、フェイトちゃん。
「あー、はいはい」
 アルフさんの最近の対応はアリサちゃんに近い。
「なのはもきっとすぐに夢が叶うよ」
「フェイトちゃんも、もう執務官だしねー」
「ねー」
 あー、何かもう、だいぶ二人の世界に入っちゃってる気がする。それを察してか、アルフさんがよいしょと腰を上げる。
「じゃああたしはそろそろ出て行くよ」
「え、アルフさん、まだいいじゃないですか」
 とは言うものの、こんなの社交辞令だよなぁ、と自分でも思う。
「いいよいいよ。二人の邪魔しちゃ悪いし。それじゃなー」
 手と尻尾を振って、アルフは出て行った。
「アルフさん、いい子だね」
「私の使い魔だからね」
「そだね、フェイトちゃんいい子だもんね」
 私が頭を撫でてあげると、すすす、とフェイトちゃんが私に擦り寄ってくる。何だか、今日のフェイトちゃんは甘えん坊さんだ。
「なのは、心配掛けちゃって、ごめん」
 肩にかかる、フェイトちゃんの頭の重みがとても心地よい。
「そんな、ホントはなのはがいけないんだよ。私こそごめん・・・」
 そっと私もフェイトちゃんに自分の頭を預ける。
「もう、気にしてないよ」
 どちらからでもなく、手を絡めあう。
「でも、ごめん。あんな大切なこと忘れるなんて、どうかしてた」
「ちゃんと思い出してくれたんでしょ?」
 頷く私に、フェイトちゃんは「じゃあ、いいんだよ」と言ってくれた。
 その言葉よりも、繋いだ手をきゅっと握り締めてくれたことが嬉しかった。
 心地よい沈黙に、しばし身を任せる。
 彼女に触れている部分で、繋いでいる部分で、全て、分かりあえたらいいのに。
「なのは、すっごく有名人になっちゃったね・・・」
 静寂を破ったのは、ことの他深刻そうな声色のフェイトちゃん。
「にゃはは・・・、そうだね・・・」
 笑って誤魔化すも、フェイトちゃんは何をそんなに思い悩んでいるのか。
 えっと。・・・・・・距離を感じる、とかそういうこと・・・・・・なの、かな?
「なのはのファンの娘、いっぱい出来るんだろうな・・・」
 やきもちだ!!
 思わず吹き出す私に、フェイトちゃんは「笑い事じゃないよっ」と真剣で。それがまた面白くて。
「フェイトちゃんってば、そんなこと心配してるの?」
 笑いすぎの涙を拭う私に、フェイトちゃんは「だって・・・」と口を尖らせる。
 そんなことあるわけないのに。フェイトちゃんならまだしも。仮にそんなことがあったとしても、フェイトちゃんが案じている様なことは絶対に無い。絶対。
「心配だよ・・・。だってなのは可愛いんだもん・・・」
 フェイトちゃんが抱きついてくる。いつもよりちょっとだけ強い、私を抱きしめる力は、彼女の不安の表れか。
 耳元で「なのは、好きだよ・・・」と囁かれると、顔から火が出そうになる。
「・・・浮気しちゃ、・・・やだよ?」
「・・・・・・フェイトちゃんっ!!」
 しまった・・・。フェイトちゃんがあまりに可愛すぎて、押し倒しちゃった!
 慌てて離れようとすると、フェイトちゃんが私の首に腕を回してそれを許さない。
 視線が、重なる。
 フェイトちゃんの瞳に、私は思考を止められて、段々と吸い込まれていく。
 これって・・・、やっぱりそういう流れ・・・・・・だよね。
 これが初めてなわけじゃない。むしろ、そういう関係になってからは毎日してるはずなのに・・・。
 心臓が、跳ねる。
 わかってる。これが期待からくるものではなく、戸惑いが原因であることに。
 それでも、私はフェイトちゃんの誘惑に引き込まれ、徐々にその距離が埋まっていく。
 ・・・・・・こんなの、・・・・・・やっぱりダメっ!!
 フェイトちゃんの唇に触れるその刹那、私は彼女の頬に、逃げた。
「今日は・・・・・・おあずけっ」
「むぅ・・・。なのはのいじわる」
 フェイトちゃんはふくれるものの、怒ってはいないようだ。・・・・・・助かった。
「無茶した罰だよ、それに、大事なこと忘れてフェイトちゃんを泣かせた、私への罰」
「わ、私、泣いてないよっ!」
「じゃあそーゆーことにしといてあげる」
「もぉ、なのはのばかっ」
 何とかこの場を誤魔化せた私は、内心胸を撫で下ろした。

 でも、どうしてなんだろう。
 ダメな理由なんてどこにもないのに、あのままフェイトちゃんと一つになることが何だかいけないことのように思えていた。
 ―――それは受け入れる、ということだから。
 って、・・・・・・何を?
 あぁもぉ! 今日はずっとこんなことばっかりだ。
 未だに私は悪い夢を振り切れていないようだ。




   ◆◇◆

「フェイト・・・。君には休むように言っておいたはずだが」
 扉が少し開いていたので、もしかしたらと思い覗いてみると、やはり。
「心配かけてごめん・・・。でも、なのはの側にいたいんだ。私は・・・・・・大丈夫だから」
 その視線がクロノを捉えることは無い。
 一体誰が、その言葉を信用出来るというのか。
 ろくに睡眠をとっていない証拠が目の下に黒々と残っているし、頬も心なしか少し扱けたように見える。
「いい加減にしないか。君まで倒れたらどうするんだ」
「嫌だっ!!」
 取った腕を振り払われたことよりも、フェイトが明確な拒絶の意思を見せたことが、クロノを驚かせた。
「私、ここにいる! なのは、きっともうすぐ目が覚めるはずだから・・・。あの時だって、ちゃんと戻ってきてくれた。だから・・・、だから私はずっとこうしてなきゃいけないんだ」
 払った手をなのはの元に戻す。フェイトはずっとなのはの左手を両手で暖めるようにして握り続けていた。食事も満足に取らずに日がな一日そうして、想い人の名を呼び続けるその姿の何と痛々しいことか。
「なのは、大丈夫だよ。私はずっと側にいるから。私、どこにも行かな・・・」
 フェイトのなのはへの囁きは途中で途切れてしまう。そのまま事切れたかのように、なのはの眠るベッドにもたれ掛かって動かなくなった。
「もう、見ていられないわね・・・」
「提督・・・」
 その指先には魔力の残滓が。
「やっぱり母親としては・・・・・・ね。少し酷かったかしら」
 フェイトを抱きかかえて、リンディは自嘲的に微笑む。
「いえ、正しい選択です」
 効率を選ぶのなら、そうだ。
 しかし彼女の母親として、これは最善であったのだろうか、とリンディは思う。
 義理とは言え、母としてここは魔法による強制ではなく、言葉による説得を選ぶべきだったのではないか。自分は娘と正面から向き合うことを放棄したのではないか、と。
 自分たちが『家族』として彼女にしてやれることは、あまりにも少ない。
 わかっている。自分たちでは本当の意味で、彼女の心の支えになってやることは出来ないと。
 これは・・・・・・嫉妬、なのかもしれない。我が娘の想いを一身に受ける、ベッドに横たわる彼女に。
 それは、何て、浅ましい。
「医務室まで運ぶわ。クロノもお疲れ様」
 一礼して部屋を出るクロノの背中を見送り、リンディは溜息を漏らす。
 久しぶりに彼女を抱え、腕にかかる負担が過ぎた年月を実感させる。これが数年を共に過ごした親子の姿かと考えると、やりきれない気持ちになる。
 気を失ってなお、繋がれたその手を引き離さなければならないなんて、これでは完全に悪役ではないか。
 繋がれた手は、驚くほど簡単に、解けた。
「・・・・・・重いわね」




(第五話 ⑤ に続く)


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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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