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第六話「接触」②

一気に気温が下がって、ようやく過ごしやすくなってきましたね・・・。
まだ半袖の人もいれば、もうマフラーを捲いている人もいる。
この時期の都会の風景はだいぶ興味深いです。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第六話「接触」②
になります。


   

 ばっ、と目を覚まして慌てて周りを見渡す。えっと・・・。ここは・・・病室だ。
 そうか、また私、眠っちゃったんだ・・・。時計を見ると朝の四時半。次元の海に浮かぶこの本局には外の明るさによる朝とか夜の概念が無いから何だか変な感じだ。
 そっと、なのはの顔を覗き込む。いつもと変わらない、可愛らしい寝顔。まだ、目が覚めそうな様子は無い。朝を迎えるたびに、朝日の明るさが無いからなのはは目覚めないんじゃないかって、真剣に思う。
 なのはが数日中には目を覚ます。私はそのいつかをずっと心待ちにしていた。日がな一日側に付きっ切りで、いつの間にかなのはの手を握ったまま彼女の眠るベッドに寄りかかって眠ってしまうという生活をずっと続けていた。そして、なのはが目を覚ましたら最初に何を言おう、と最近はそればかりをずっと考えて過ごしていた。
 おかえり? ・・・何かちょっと違う気がする。ありがとう? ・・・うーん、それもちょっと。
 ・・・好き。
 ・・・いや、それはだめ。絶対ダメ。嬉しさのあまりつい、口走ってしまいそう。でも、この気持ちは私の心の中にしまっておかなければいけないものなんだ。なのはのことが本当に大切だから。なのはを困らせたくないから。
 目が覚めたら、なのはとはちゃんと『親友』として向き合おう。
 ・・・アリサやすずか、はやてと同じ『親友』として。
 それを思うと、胸の奥が苦しくなって、少しだけ涙が出そうになる。でも、耐えなきゃいけない。なのはと心まで離れてしまうのが、一番辛いから。
 あ、そろそろ時間かな。時計を確認して、私は部屋の照明をつける。
 それがいいことなのかどうかはわからなかったけど、少しでも早くなのはに目覚めてほしい私は、出来るだけなのはの普段の生活リズムに合わせるようにしていた。
 朝は、いつもなのはと一緒に早朝訓練をしてたから目が覚めるのはこれくらいの時間のはずだ。
「なのは、朝だよ」
 本当はそんな必要ないんだけど、唇が触れてしまいそうなほどになのはに近づいて、そっとその耳元で囁く。
「もう起きないと。朝練出来なくなっちゃうよ?」
 まだ眠いよぅ・・・と、布団に潜るなのはの姿がちょっとだけ懐かしい。
「そっか。じゃあもう少しだけ休もうか」
 何の反応も見せないなのはに、私は調子に乗って続ける。
「・・・なのは・・・好き。・・・愛してる」
 臆病な私は、こんなときだけ自分でも驚くほどに大胆になれる。最初は誰も見ても聞いてもいないにも拘らず顔から火が出るくらい恥ずかしかったのに、今ではもう、言わずにはいられない。
 せめてなのはが本当に目覚めるまでくらいなら、自分の気持ちに正直でいたっていいよね。
「なのははフェイトちゃんが好き、フェイトちゃんが好き、フェイトちゃんが大好き・・・」
 ささやかな抵抗だな、と自分でも思う。・・・でも。たとえそうだとしても、目が覚めたなのはが私のことを好きでいてくれたのなら、それはどんなに素晴らしいことだろうと思う。つい、そんな理想の未来を思い描いてしまう。
 いつもの朝の日課、なのはと二人きりの時間はこれでおしまい。これからは朝の検診などで慌しくなるので、この後はいつも一人で朝の訓練に出掛ける。繋いだ手を離すのは辛いけど、どうせ離すのならば、なのはのために離したい。
 なのはに心配掛けたくないから。自分の看病してたせいで練習が疎かになったんじゃないかって。私はいつも、なのはを守る盾でありたいから。なのはの前ではかっこいい自分でいたいから。・・・それになのはの目が覚めたら、ちゃんと練習に付き添ってあげたいから。多分これが一番の理由。だって、少しでもなのはの側にいたいから。
「じゃあなのは、行ってくるね」
 本当はここで練習が出来れば一番良いんだけど、みんな怒るから・・・。
 再び耳元で囁いて、その頬に触れる。
 ・・・なのはが目を覚まさないのをいいことに、私ってば普段よりもなのはにべたべたさわりすぎかも。・・・やめないけど。もっとさわるけど。
 握った手を離す瞬間。これが一日で一番の憂鬱。これさえなければ、一日中なのはに触れていられるのに。いつも離そうとして出来なくて、を数回繰り返し、泣きそうになりながらやっとのことで手を離す。常に、もしかしたら離そうとした瞬間になのはが無意識にでも手を握り返してくれるかも知れないと期待している自分がいる。・・・今日だってそう。
 ・・・じゃあなのは、行ってくるよ。すぐに戻ってくるからね。心の中でもう一度そう呟いて手を離そうとした瞬間―――。
「え?」
 私は驚きのあまり、呼吸の仕方とか、これから自分が何をしようとしているのかとか、そういうのが全部頭から吹き飛んでしまった。
 だって、離そうとする私の手を、なのはが握ってくれたんだ。とてもか細い力だけど、それでもきゅっと、私の手を包んでくれた。
「なのはっ! 私だよ、わかる? フェイトだよ?」
 その瞬間を逃すまいとその手のひらを力強く握り返し、なのはの顔を覗き込む。
 瞼が少しだけ揺れて、ゆっくりと開いていく。
「・・・ん、・・・ふぇ、・・・いと・・・・・・ちゃん?」
 私はぶんぶんと首を縦に振って肯定する。
 ・・・ダメだ。なのはが目覚めたら笑顔で迎えてあげようって決めてたのに。絶対泣かないって決めてたのに・・・。久しぶりになのはの声を聞いたら涙腺が壊れちゃったみたいだ。でも、きっとなのははまだ目が覚めたばかりだから私の顔がちゃんと見えてないはず。私が普通にしていれば、きっと、ばれない。
「・・・おはよう、なのは」
 あれだけ、最初に掛ける言葉をどうしようか悩んでいたのに、結局開いた口から出てきたのは「おはよう」だった。おはようって・・・。
「ふぇ・・・いとちゃん・・・ない・・・てるの?」
「・・・泣いてない。泣いて・・・ないよ、なのは。私は・・・大丈夫」
 どうして? どうして見えてないはずなのに、私のことそんなにわかっちゃうの? なのはの優しさが、頑張って塞き止めていた涙腺をいとも簡単に壊してしまう。
「ごめん・・・ね。ふぇいと・・・ちゃん」
「違う・・・。謝らないで、なのは。私、嬉しいんだ。なのはが目を覚ましてくれて。また、なのはの声が聞けて。またこうしてなのはと一緒に話せることが。本当に」
「ありがとう・・・フェイトちゃん」
 掠れるような小さい声でも、なのはの優しい声は心に響いて、私を満たしてくれる。
 それから意識の安定したなのはの負担にならないように、ゆっくりと少しずつお話をした。なのはがどれくらい眠っていたのか、その間にどんなことがあったのか、学校の話や、翠屋の話、アリサやすずか、はやての話。どれも取りとめも無いものだったけど、二人の空白の時間を埋めるように、私たちはひとつひとつ言葉を紡いでいった。
 夢のような時間は残酷なほど瞬く間に過ぎ去って、なのはの瞬きの間隔が随分と長くなっていた。
「なのは、そろそろ眠ろうか。焦らなくても、またいつでも話せるから」
 その言葉は寧ろ、自分に向けたものだ。本当はもっと早く切り上げたほうが良かったはずなのに、私の我が侭でなのはに随分と無理をさせてしまった。
「・・・やだ・・・よ。もっと・・・ふぇい・・・とちゃんと・・・お話・・・してたい・・・よ・・・」
 ・・・。なのはは頑張って襲い来る睡魔と闘っているようだった。それでもそう言ってくれるのは本当に嬉しいけど、とても嬉しいけど、ここは私がちゃんと我慢しなければ。
「大丈夫。またなのはが目を覚ます時には絶対側にいるから」
「・・・本当?」
 う・・・。不謹慎この上ないことは重々承知している。でも・・・、でも・・・。この舌足らずな感じのなのは・・・。・・・すっごくかわいい。やばい、今すぐぎゅってしたい。うぅ、我慢だ我慢・・・。
「なのはが嫌がっても絶対に離れないよ」
「・・・あり・・・がとう・・・ふぇいとちゃん・・・」
 なのはが握った私の手に、少しだけ力を込めてくれた。
「だめ・・・まぶた・・・・・・おもい・・・」
「大丈夫。目を閉じて。また・・・・・・すぐに会えるから」
「ふぇ・・・い・・・と・・・ちゃ・・・」
 それから寝息が聞こえるまでにさほど時間は掛からなかった。
 今日は久しぶりに話せて嬉しかったよ、なのは。私はそっと、なのはの左手を両手で包み込んで祈った。なのはが、早く元気になれますように。
「なのは・・・・・・好きだよ」
 別に言おうとしたわけじゃないのに、溢れ出した気持ちが無意識に言葉になっていた。気が付いたら、零れ落ちていた。もしなのはがまだちゃんと眠っていなくて、聞こえていたらどうしようと私は慌てふためいたが、なのはは静かな呼吸を繰り返すだけで私は胸を撫で下ろした。
 ―――なのに。
「・・・・・・」
「えっ!?」
 私は驚いてなのはを見たが、当然ながら眠ったままで、特にさっきから何かが変わった様子も無い。
 ふいに、なのはが呟いたような気がしたんだ。
 ―――私も、と。
「・・・気のせい、だよね」
 それはきっと、私の願望が作った幻聴なんだ。
 なのはがそんなこと言うわけ、ないんだから。


   ◇

「あー、はいはい。もうわかったから、切るわよ? はーい。・・・・・・ったく」
 携帯を切ったアリサは少しだけ呆れたような表情をしている。
「どうしたの、アリサちゃん?」
「ひっさびさに惚気をたっぷりと聞かされたわ・・・。最初は我慢してたんだけど、もうあの子たちのばかっぷりときたら・・・」
 言いながら久々の感覚が蘇ってきたのだろう、拳を戦慄かせ、今にも唸り出しそうだ。
「しかもあの子ったら、なのはの目が覚めたのに、話すのに夢中になって、誰も呼ばなかったらしいわよ。後でみんなに相当怒られたみたいだけど・・・」
「フェイトちゃんらしいね・・・」
 くすくすと笑うすずかに、アリサは毒気を抜かれてしまう。
「よかったね。フェイトちゃん元気になって」
 いつも私の中の怒りの感情は、大抵はすずかの笑顔に吸い込まれてしまうのだった。
「まぁ・・・ね。これからまた二人のいちゃべたぶりを見せ付けられると思うと、憂鬱ではあるけどね・・・」
「そう・・・だね・・・」
 華やかな雰囲気は少しだけなりを潜め、沈黙が流れる。
「・・・私たち、また前みたいに戻れるのかな」
「・・・それは、・・・なのは次第よ」
「アリサちゃん・・・」
「私は嫌よ。全部無かったことにして、表面だけ仲良くするなんて、私は嫌」
 すずかの気持ちはわかるけど、これだけは譲れない。
「クラスの子とだったらそれでもいいけど、すずかやなのはとはそういう風になりたくない」
 いざこざ無く、自分を押し殺して他人に合わせて。そんな風に波風を立てずに過ごせれば、きっとみんな嫌な思いをせずに何となく楽しく過ごせるのかもしれない。でも、私はそういうのは違うと思うから。私が信じたい人からまで、逃げたくはないから。
「アリサちゃんはなのはちゃんのこと、ちゃんと信じてるんだもんね」
「・・・当然よ。・・・友達なんだから」
 呟くように吐き捨てた台詞はしっかりとすずかの耳に届いていたようで、「そうだね」と微笑まれると、自分がとんでもなく恥ずかしいことを口走ってしまったように思えてアリサはぷいとそっぽを向く。それでも後ろからでも窺える、真っ赤に染まった耳が彼女の羞恥を表していて、すずかがそれを見て、また優しく微笑んだ。




(第六話 ③ に続く)


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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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