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第六話「接触」④

合否不明の冬コミに向けて新刊の準備中。
もう来週ですね、リリマジ。
とりあえず、カタログを買いに行こう。

第六話はここまでになります。
次週より、第七話「交錯」
に移ります。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第六話「接触」④
になります。





 はやてたちと局員たちが対峙した場所から数キロ離れた地点。そこに聳えるビルの屋上に、二人の少女が立っていた。
「ディエチちゃん、上手、上手~」
 眼鏡をかけた方がぱちぱちと手を叩きながら喋るその様は、ともすれば馬鹿にしているようにも見える。
「どーお? 今回の感触は?」
 構えを解いて一息。しかしディエチと呼ばれたその少女に、表情の変化はあまり見られない。
「悪くない。照準のずれもだいぶ無くなってきたよ」
 長い銃身を持つ重狙撃砲を撫でながら言うその声が割と満足気であることは、彼女と長い時間を一緒に過ごしていた者にしかわからない。
『やぁ。首尾の方はどうだね』
「ドクター」
 頃合を見計らったのか、彼女たちの前に生みの親である科学者が映像で現れる。
「成功でぇす。ねぇドクター、ディエチちゃんったら凄いんですよぉ」
 その映像に頬ずりを始めるのではないかと思えるほどの体のくねりと猫なで声。
『ほぉ、それはそれは。よくやってくれたね、ディエチ』
「いえ、これ・・・くらいのことは・・・」
 湧き出した感情をどう扱っていいのかわからずに、しどろもどろになる。
「もぉ、ディエチちゃんってば照れてるの?」
「クアットロ、あまりからかわないでくれ・・・」
 じゃれる二人を、ドクターは満足気に眺めている。
『今のところ経過は順調だ。後は彼女たちの様子を観察するとしようか』
「はぁい。それじゃあこれから帰還しまぁす」
 その映像が途切れてもⅩのナンバーが刻まれた少女は、さっき自分が砲撃をしたその先から視線を外そうとはしない。
「どうしたの、ディエチちゃん?」
「・・・ねぇクアットロ、あのヘリにはそんなに大事なものが載っているの?」
 言われるがままに砲撃を繰り返していただけだったので、今更ながらディエチにはそれが疑問として浮かんでいた。
「ものじゃなくてぇ、人が乗っているの」
 人? 首を傾げるその様子が「どんな人?」と聞いている。しかしそれには答えずに不適な笑みを浮かべる。
「そう、とーっても、大事な人がね・・・」


   ◇

「まずいことになったな・・・」
 未だ夜の明けていない、聖王医療院の応接室には重苦しい空気が充満している。
 囲むようにテーブルに座るのはクロノ、はやて、カリム。そしてその周りを取り囲むようにシャッハ、ヴェロッサ、ヴィータが立っている。シグナムは戻るヘリの護衛、シャマルは医療院になのはの現状を説明するために席を外していた。
 あの空域を離脱した後に追っ手が来ることは無く、何とか無事になのはをこの聖王医療院まで届けることが出来た。
 これによってなのはの安全は保障され、魔癌調査も一気に攻勢に出ることが出来る。・・・そうなる、はずだったのに。
 渋い表情のクロノの眉間の皺が心なしか、いつもより多いように見える。
「謎の砲撃・・・、それによる相手側の撃墜・・・。これは思いもよらぬ痛手や・・・」
「そんなの、あたしらがやったわけじゃないんだから、いいじゃんかよ」
 ヴィータの言うことは確かに正論ではあるのだが。
「事実はそうかもしれない・・・。でも、問題はあちら側が今回のことをどう受け止めるか、なのよ・・・」
 カリムは教え諭すように言う。
「ま、ヘリで起こったいざこざでの相手の出方から考えれば、確実にその砲撃ははやてたちの仲間が撃った、ということになるだろうね」
 普段は飄々としているロッサも、今ばかりは真剣な表情を見せている。
「そんなっ!?」
「最悪の場合、僕たち全員が拘束される可能性もある」
 クロノは敢えて『可能性』という言葉を選んだが、その『可能性』が限りなく高いことをその場にいる誰もが知っている。
 好転するはずだった状況は一転し、最悪のものに変わった。これでは、これまでと何ら状況は変わらない・・・いや、それどころか寧ろ悪化したと言える。あちら側に自分たちを拘束することの出来る、恰好の口実が出来てしまったのだ。これでは、たとえ聖王教会でも私たちを差し出さないわけにはいかないだろう。
 これでは、彼女を守ることが・・・出来ない。
 残されていた唯一にして、最後の希望が絶たれてしまったのだ。
 そういった未来も候補の一つとして考えていたが、まさかそれが現実になるなんて・・・。はやては目の前に出されたお茶を飲もうと手を伸ばすも、慌ててその手を引っ込める。・・・手が、震えていた。止めようと思っても、止めることが出来ない。こんなはずじゃない・・・、こんなはずじゃ・・・なかったのに。
 カリムがそんな震えるはやての手に自分のを重ねる。・・・なんて、冷たさだろう。
「彼らによる自作自演…ということですか。姑息な手段を使いますね」
 武闘派で正々堂々を重んじる修道騎士シャッハは静かに怒りを燃やしているようだった。
「いや、恐らく・・・それはないだろう」
 クロノはその険しい表情をそのままに続ける。
「・・・彼らを襲ったあの砲撃。・・・あれは、魔力によるものではなかった」
 聖王教会側の三人は驚愕する。
 魔力とは違うエネルギー。そこから彼らが連想するのは、遠い過去にその存在を封印された禁忌。
「まさか・・・・・・質量兵器?」
「いや・・・、まだ何とも言えないが、魔力とは異なるエネルギーが使用されていることだけは確かだ」
「ここにきて、第三勢力が介入してきた・・・と?」
「常識で考えれば、局員が自らそんなものに手を出すとは思いたくはないからな」
 せめて、管理局がそこまで堕落していないと信じたい。
「とはいえ、あちら側に聞く耳があるとは思えない。ここはもう、証拠を見つけ出して彼らに差し出す意外に方法は無いだろう。僕はこれから、あの砲撃の犯人を追う」
 言いながら、クロノは席を立つ。
「恐らく、もうそんなに時間は残されていない。あちら側になのはが拘束されてしまう前に、それを阻止するための何らかの手段を講じなければならない」
「わかりました。こちらからも、時間を稼げるように手を打ちましょう」
「申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
 クロノは一度頭を下げて、足早に部屋を出て行った。
「ロッサ、シャッハ」
 カリムから指示を受けた二人も部屋を後にしたが、残されたはやては俯いたまま動かない。そんな彼女を心配そうにヴィータが見つめている。
「はやて、あなたにもやるべきことがあるわ」
 敢えてカリムは厳しい口調で接するが、はやてに反応は無い。
「はやて!」
 強い声で名を呼ばれ、肩がびくりと跳ねる。
 震えるその手を強く握り締め、カリムはしっかりと彼女の瞳の奥を見据える。
「はやて、気をしっかり持って。最後まで、絶対に諦めてはだめよ」
「・・・うん。わかってる、わかってるよ、カリム」
 しかし、来るべき未来への恐怖に震えるその声に、いつものはやての姿を見ることは出来なかった。


   ◇

 あれから、夜が二度明けた。
 カリムやクロノ君たちから良い知らせが届くことは無かった。
 ただ、未だに何事も起こっていないことだけが、唯一の救いだった。
 なのはちゃんの病室で控えていた私は、極度の緊張の中、眠れない時間を過ごしていた。彼女の安全を守るために、ここから動くことは出来ない。そんな状態で、仲間からの朗報を待ち、いつ来るとも知れぬ危機に備える。これはもはや精神的な拷問であった。
 しかし人間である以上、体は限界を迎えるわけで。眠く無いのに、時々意識がふっと遠のくことがある。椅子に座りながら、何故か数時間の時がいつの間にか経過していることが何度かあった。
「はやてちゃん、はやてちゃん」
 ハッと我に返るとリィンが私の頬を小さな両手で押していた。
「はやてちゃん、大丈夫ですか?」
「心配せんでも、まだもぉちょい頑張れるよ。ありがとな、リィン」
 末っ子にまで心配掛けとったら家長としての沽券に関わる。頬を叩いて、再び自分に気合を入れる。
 時計を見ると、もう午前八時を回ろうかという頃だった。

 ――それが、始まりの時だった。

 私が目を覚ますタイミングを見計らっていたのかのように、扉をノックする音が部屋に不気味に響き渡る。立ち上がり、ベッドに背を向けて扉に対峙する私の心拍数は一気に最高値まで駆け上がった。扉は、こちらの許可を待たずに開かれた。
 およそ病院には似つかわしくない武装した局員たちが私たちを取り囲んで、その杖の先をこちらに向けている。その中心に立つのは、昨日私たちの乗るヘリの進行を妨害した局員たちの部隊長らしき人物だった。
「ここまでだ、八神はやて」
 頬に治療された痕が残っている。彼もあの未知の砲撃によって被害を受けたのだろう。
「違うんです! あの砲撃と私たちは何の関係もないんです!」
 私の必死に訴えを、彼は鼻で笑って見せた。
「貴様は何を言っているのだ?」
 まるで、あの夜の出来事など最初から無かったかのような部隊長の態度。彼の底の部分に見える揺ぎ無い自信の根源は別なところにあるというのか。
 その私の疑問に答えるかのように、彼は私の前にある書状を突き付けた。
 私は、自分の目を疑った。

「高町なのはを古代遺産不正所持の容疑で逮捕する。アースラのメンバー他、彼女に関わる者たちにも任意同行してもらう」



(第七話 ① に続く)


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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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