↓↓夏コミの新刊 『とらのあな』で通販中!! ↓↓                    

nightmare1 nightmare1 nightmare1 nightmare1 nightmare1

(クリックで通販ページに飛べます!)


第八話「雲の契り」①

最近テスタロッサ家が好きすぎる。
フェイト、アリシア、リニス、プレシア。って。
奇跡じゃないだろうか、この人員構成。
テスタロッサ家になのはが愛されまくる漫画が読みたくてしょうがない。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第八話「雲の契り」
になります。




 初めて会ったときは、心の底からだいっ嫌いだった。
 良い子振ってるところがいちいち癇に障った。私たちの前に現れては邪魔をして、単なる魔導師のくせに騎士である私たちと対等であろうとした。話を聞かせろというくせに、攻撃はしてくるし抵抗はやたらと厄介で、会う度にこんな奴消えてしまえばいいのにと思っていた。
 でも、はやてを・・・救ってくれた。何も出来なかったあたしたちの代わりに、誰よりも大切なあたしたちの主を救ってくれた。
 あいつは、逃げなかった。はやてからも、あたしたちからも。
 ちゃんと向かい合って、馬鹿なあたしたちの事情を聞こうとしてくれて、助けてくれようとしてたんだ。
 強い奴なんだな、と思った。悔しいけど、そう思った。
 よく笑う奴だった。私がどんなに怒っても、鬱蒼しがっても、何故かあたしにやたらと構ってくる面倒な奴だった。
 どうやら生意気なことに、私のことをライバルだと思っているようだった。・・・あたしは別に何とも思ってねーけど。模擬戦の対戦成績が殆ど五分五分なのは、あたしが情けをかけて手加減してやってるからだ。
 戦闘スタイルは完全に重戦車。やたらと堅くて、一撃で敵を吹き飛ばす。まぁ、魔導師にしてはまぁまぁ出来る方だと認めてやらないこともない。少なくとも、背中を任せられるくらいには。
 あたしの中で何かが変わったのは、一年前の『あの』出来事だった。
 いつものあいつなら、何の問題も無くそつなくこなして任務は終了。・・・そうなるはずだった。
 でも、あいつは墜ちた。
 敵が強かったわけじゃない。これまでにずっと続けてきた無理が、あいつを墜とした。
 あいつはあたしたちと違って、戦うために生み出された存在じゃない。ましてや、魔導師になるべくしてなった人間でもないのだ。そんな素人が騎士であるあたしたちと対等に戦うために、体への負担も考えずカートリッジシステムを使うことを、躊躇無く選んだ。
 はやてのことを、助けるために。
 あたしたちが、なのはを墜としたようなものだ。そう考えると、頭が真っ白になった。声の限りに、助けを求めて叫んだ。
 ずっと嫌いだと思っていたのに、涙が、止め処無く溢れていた。
 いつの間にか、あたしの中で高町なのはに対する意識は変化していたのだ。

 なのはのことはあたしが守る。

 そう心に誓える程に。

 我らが主、八神はやてを救ってくれたからじゃない。あたしがなのはを守ってやりたいんだ。自分自身の意思で。
 口が裂けても言えねーけど、なのはに何かあったら、多分・・・あたしは悲しい。
 なのはだけじゃない。私たちを救ってくれた全ての人たちを守りたい。
 だって、あたしたちは『守護騎士』だから。

「ヴィータちゃん、お願い・・・・・・してもいいかな」
 まだ、なのはが長い眠りに付く前。まだ少しだけ魔法の調子が悪いと言っていたあの頃。
 模擬戦に付き合った後、いつもならあまり見せることのない少し弱気な表情をしていたのを今でもはっきりと覚えている。
「あ? あんだよ、いきなり改まって」
「私がもし・・・、みんなに迷惑掛けちゃうようなことがあったら・・・ヴィータちゃんが、私のこと止めてね」
「はぁ? 何わけわかんねーこと・・・」
 咄嗟に、あたしははぐらかした。なのはが言わんとすることが何となくわかったからだ。なのはもはっきりとは言葉にしなかったが、それは恐らく、自分で魔力の制御が出来なくなって周りに被害が出てしまいそうな時には、あたしに自分のことを討て、ということなのだろう。そんなこと出来るわけが・・・。
「お願い」
 それは果たして、信頼と呼べるものだったのだろうか。それともフェイトに対する気遣いでしかなかったのか。
「わぁったよ。・・・でも、覚えとけよ。おめーに何かあっても、はやては悲しむんだからな」
「ありがとう、ヴィータちゃん」
 なのはは珍しく、あたしを撫でなかった。


 フェイトの視線の先にはカプセルの中に横たわる狼姿の彼女の使い魔。
 魔力ダメージによる一時的な昏倒。幸い目立った外傷もないらしい。いずれは、目を覚ますだろう。
 でも、これをやったのは・・・・・・あいつだ。
 何で、・・・何でこんなことになってるんだよ、なのは。
 おまえ、ひょっとしてこうなるのがわかってたんじゃないのか? ・・・わかってたんだったら、止められなかったのかよ。
 まさかこんな未来がやってくるなんて思っていなかったけど、あたしも騎士だ。
 ・・・約束は守る。

 てめぇのことは、あたしが止める。




   第八話 雲の契り


「お疲れ様です」
「ちょっと待ちなさい」
 書庫の入り口、受付の前でユーノは思いがけず呼び止められた。
 恰幅のいい中年の女性で、司書の中でも結構以前からここに勤めている。少々大雑把・・・というか豪快な性格の人なのだが、持ち前の陽気さが助けて評判は悪くない。
「あなたが寝てくるって行ってからまだ一時間しか経ってないわよ? いつまでこんな生活続けるつもりなの?」
 始めの頃は若いからって無理するわねぇ・・・と呆れられていたが、最近は本気で心配を掛けてしまっている。
「えっと・・・、すみません・・・」
「一体何について調べて・・・って、言えないんだっけ」
「すいません・・・」
「本当に体壊すわよ? 大概にしなさいね・・・。あぁ申し訳ないんだけど、これついでに戻しといてもらえる?」
「あなたはまた勝手に書庫のものを・・・」
 この人はよく書庫内の蔵書を司書であることを利用して、正規の手続きを踏まずに勝手に持ち出すことが多々ある。次元世界の全ての書物が随時搬入されてくるため、ここにいさえすれば、読めない本はない。それが大衆小説でも漫画本でも、あるいは女性週刊誌であっても。彼女が持ち出すのはそういうジャンルのもので、歴史的に重要な価値のある本では無いのだが、そういう問題でもない。
「いいじゃない、減るもんじゃないし」
 いやいや、持ち出したことによって書庫の貯蔵数は減るだろう、と言いたくなるところだが、そこは呑み込む。このやりとりももう何回目かになる。あまり意味は無い。
「子供が絵本にはまっててね、すぐ全部読んじゃうのよ。早く次の持ってこいってうるさいし」
 今回は絵本か・・・。ユーノ自身、子供が本好きになってくれることに異存はない。せめて、無断で持ち出すことをやめてさえくれれば言うことはないのだが・・・。
 渡された絵本を何の気なしに見てみる。どれも子供の頃に一度は読んだ記憶がある。懐かしく感じるが内容に関しては結構あやふやだった。
 そんな中に一冊だけ、全く知らない本が混ざっていた。
 『さみしいおうさま』。中を軽く見てみて納得。どうやら昔のベルカの絵本を現代版に再版したもののようだった。外観もちょっと違って見えたのはそういうわけか。
 とはいっても子供が読む絵本。時代や次元、世界が変わってもそう大きく違うものでもないだろうと、簡単にその内容を追う。
「・・・・・・」
「・・・どうしたの?」
「・・・・・・これはっ!?」
 ユーノ以上に、声を掛けた彼女の方が驚いていた。
「すいません、急ぎますのでこれ、お願いします!!」
 一冊以外を全て彼女に返し、ユーノは無重力空間に消えていった。
「本当に、忙しい子だねぇ・・・」

 魔方陣を展開し、検索魔法を起動させる。キーワードや関連項目、それらの重要度や優先順位、その他諸々の設定をして検索を開始する。関連書物が次々と引き寄せられて彼を取り囲むように配置される。それらの書物が開き、ページが瞬く間にめくられていく。終わったものから次の本へと交換され、彼を取り囲む本の絶対数が変わることはない。
 情報の収集量にこれまでとは明確なほどに差が生まれる。核となりそうな情報がある程度有るか無いかでは、やはり違うな・・・とユーノは思う。
 次々と検索に引っかかった項目が優先順位に従って羅列されていく。それらを確認しながら、仮説が段々と真実へと形を変えていく。
 調査を続けながらも進展が無い近況に、ずっと疑問を抱いていた。
 ひょっとして僕たちは、何か大きな思い違いをしているのではないか、と。でもそれは漠然とした考えで、どこが違うかなんてさっぱりわからなかった。何の確証も無いまま、ここが違うんじゃないか・・・なんて事を始めたら、それこそ途方も無い作業になってしまう。
 でも、その予感はやはり外れてはいなかった。
 導き出された答えに、自分たちが直面している状況への認識の甘さに、ユーノは言葉を失う。
 まさか、こんなことになるなんて・・・。
 はやてもそうだが、緊急で騎士カリムにも連絡を取らなければ・・・。
「何かわかったの?」
 急に背後から声が。
「うわっ! 何ですかいきなり。びっくりするじゃないですか・・・」
 さっきの受付のおばちゃん司書だった。
「いえね・・・、あんまり真剣に作業してるもんだから声掛けるタイミングが掴めなくて・・・。で?何か進展あったの?」
「そう・・・ですね。これから急いで友人のところに行ってこようと…」
「そう・・・」
 急に彼女の表情から笑顔が消え、何事かを呟き始める。すると、僕の周りに自分のものではない魔方陣が展開される。これは・・・強制転送魔法!?
「お前・・・誰だっ!!」
 少なくとも、僕のよく知る司書はそんな魔法を使えない。
「ユーノ・スクライア・・・。聞きたいことがある。私と一緒に来てもらおう」
 周りの景色がぼやけ始める。これではもう、なす術が無い。
 くそっ! まさかこんなタイミングで・・・。はやてにすら連絡することが出来ないなんてっ!!
 そしてユーノは、円形に配置された書物の中心から、忽然と姿を消した。
 残された中年の女性史書はハッと我に返る。
「あれま・・・。私ってば何でこんなところに・・・?」
 辺りを見回して首を傾げ、もうボケがはじまっただろうかと不安になる。
「まったく・・・、誰だい? こんな本を散らかして・・・」
 目の前に規則正しく円形に散乱している本を片付けていると、下の方から「すみませーん、どなたかいらっしゃいませんかー」と来客を告げる声が。
「ごめんなさいね、すぐ行きますからー!!」
 彼女もそれらの本を放り出して、慌てて入り口へと戻っていった。


(第八話 ② に続く)


スポンサーサイト
拍手する

テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

FC2カウンター
プロフィール

高町屋

Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

↓↓↓リリカルなのはの二次創作、同人活動をしている方、マイミク/マイピク募集中です。お気軽にどうぞ♪mixi pixiv Dolce

≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
pixiv
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
ブログランキング
FC2ブログランキング
サイトについて
※高町屋は「健全系」小説・漫画サークルを自称しています。本サイトでは成人向けは取り扱っておりませんが、なのはとフェイトがとてもとても仲良くするような表現が多々見られますので、そういったものはちょっと・・・という方は、ご覧になるのをお控えになったほうがいいかもしれません。
カテゴリ
リリカルプリキュア(2)


【長編】魔法少女リリカルなのはNightmare(59)
  第十三話
  第十二話
  第十一話
  第十話
  第九話
  第八話
  第七話
  第六話
  第五話
  第四話
  第三話
  第二話
  第一話

SS(7)
  ぷろぽーず ぱにっく!⑦
  ぷろぽーず ぱにっく!⑥
  ぷろぽーず ぱにっく!⑤
  ぷろぽーず ぱにっく!④
  ぷろぽーず ぱにっく!③
  ぷろぽーず ぱにっく!②
  ぷろぽーず ぱにっく!①
(ViVidとForceの間?/なのは、フェイト、ヴィヴィオ)
  きねんび(後編)
  きねんび(前編)
(A's/なのは、フェイト)
  じぇらしー
(ちゅーなの/なのは、フェイト)
  わたしのままとまま
(StS/なのは、フェイト、ヴィヴィオ)
  わがまま
(A's/なのは、フェイト)
  ぱぱ?
(StS/なのは、フェイト、ヴィヴィオ、機動六課)

漫画(22)
  勉強会⑦+⑧
  勉強会⑥
  勉強会⑤
  勉強会④
  勉強会③
  勉強会②
  勉強会①
  わがまま
  今は反省している。
  休日の過ごし方②
  休日の過ごし方
  戦場では一瞬の判断の遅れが死を招くんだ!
  共働きの核家族でありがちな風景
  間接キス⑤+⑥
  間接キス④
  間接キス③
  間接キス②
  2時間15分59秒。
  たしなみ
  虫刺され?
  またふーふー
  ふーふー

絵(20)
  ぜくしぃ!
  40000hit記念!!!
  ViVid連載開始記念!
  高町なのはで表情練習
  甘えんぼなのはさん
  SAI購入記念?
  10000hit記念!!!
  らくがき11
  あけましておめでとうございました。
  メリクリ②
  メリクリ①
  らくがき10
  らくがき9
  らくがき8
  らくがき7
  らくがき5
  らくがき4
  らくがき3
  らくがき2
  らくがき1
リンクについて

※当ページはリンクフリーです。バナーは以下のものを使用してください。

(http://takamachiya.web.fc2.com/banner.jpg)

リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

NxF Union

当サイトは『NxF Union -なのフェイ同盟-』を応援しています。

BBS&別館

bbs
bekkan

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。