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第八話「雲の契り」②

出ましたねぇ、THE MUSEUM Ⅱ。
もうLIVE CASTLEが来週なんて、楽しみ過ぎる!
もどかしい一週間になりそうです。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第八話「雲の契り」②
になります。





   

 聖王医療院の一室では緊急のミーティングが開かれていた。
「・・・偽者?」
 訝しげな表情でフェイトはクロノの言葉を復唱した。
「ああ。あいつらは管理局員じゃない。やつらのパーソナルデータは局内に存在していないんだ」
 彼らの身柄は今のところ聖王教会に拘束してもらっている。
「じゃあ・・・」
「いや、上層部が関わりあることに変わりは無いだろう。とはいえ、あちらも表立って行動するのには慎重なようだ」
 行動させるのは存在しない部隊。足がつくのを恐れてのことだろう。
「あちら側のこれからの出方が気になるところではあるが、僕たちには大きな問題がある」
 クロノの言葉に反応してエイミィがモニターを開く。映像にはバルディッシュが記録した、なのはが一人で偽局員を撃墜し、その後アルフを撃墜した時の姿が映る。
「・・・やはりこれは、・・・なのは一人でやったものだと?」
 クロノの問いにフェイトは無言で頷いて答える。
「これ・・・、本物のなのはちゃん・・・なの?」
 それはエイミィだけの疑問ではなかった。
 そもそも今のなのはは魔法が使えないはずなのだ。第38管理世界シャルフでの小規模次元心が発生した際に、フェイトを昏倒させ、大気圏外で待機していた艦隊を掠めた魔力暴走による一発の砲撃。それによって彼女には事実上無期限の魔法使用の禁止という処分が与えられている。局の措置により、リンカーコアと魔力素の結合を完全に遮断されてしまうため、使おうと思っても使うことは出来ないのだ。そしてその措置は対象の管理責任者が、局の決定を受けた上でのみ、解除することが出来る。
 つまりはなのはが魔法を使えているということだけでも、充分に有り得ない状況なのであるが、エイミィたちが疑問に思っている問題はそれだけではない。
 画面に映る彼女の、その能力の異常さについてである。
 まず彼女は魔法の運用においてデバイスを使用していない。偽局員たちを一瞬で撃墜したあの砲撃。あれだけの数の対象に、実力は劣るとはいえ、ある程度の訓練を受けてきたであろう武装局員もどきたちが気付かないほどの高速のシューターを、詠唱も無しに発動させ、デバイスも無しにあれほど正確に制御してみせた。そのような力、なのはには・・・、いやそれどころかここにいる者には無い。それを平然とこなし、怪我をしたフェイトを元々使えないはずの治癒魔法を使って治療して、今度は人質に取られたアルフをこれも使えないはずの補助系、強制転移魔法で救い出して、果ては自身が転位魔法でその場から離脱してみせたのだ。
 そして、いつもとはまるで別人のようなその人格。
 あまり好戦的ではなく、基本的には話し合いで解決を・・・という彼女の性格を真っ向から否定するようなその映像。奇襲のような最初のあの一撃に始まり、部隊長への執拗なまでの攻撃。突然錯乱したようにアルフに奇襲をしかけ、その後交戦状態なり徹底的に撃破。
 彼女を知るものなら、その姿をした偽者か、この映像自体が作られたものかと考えるのは当然のことであった。
「禁止されている中での魔法使用だけでも十分問題なのに、それに加えて攻撃行動まで・・・。そして本人は行方不明・・・」
「どう考えても、これって結構まずいよね・・・」
「しかし、まだ大事にはなっていない。これからが本当の勝負だろう」
「シグナムの言うとおり、これは不幸中の幸いだ」
 未だ実害と呼べるほどの実害は出ていない。しかし・・・。
「仮に何かあったとすれば・・・。いずれくるであろう、上からの命令は僕たちにとっては最悪のものとなるだろう」
 恐らくは完全に行動を制限されてしまうだろう。局に反旗を翻した者の一味として、身柄を拘束されることだってありえる。元々、古代遺産所持の疑いは本当のことではあるのだから。
「そうなる前に何としても、僕たちでなのはのことを確保しなければならない」
 何かがあってからでは、なのはが被害者であることを照明することが今にも増して困難となる。
「でもさ・・・、居場所がわかんないと」
「なのはは・・・来るよ」
 フェイトは静かに、しかし確信を持って言う。
「・・・フェイトちゃん?」
「なのははきっと、私のところに来る。私を・・・迎えに」
 理由はわからない、でもフェイトが言うのなら、そうなのだろうと納得してしまう。
「クロノお願い。なのはと・・・話をさせて」
「無論だ。こちらとしても話し合いで解決出来るのが一番だからな」
「意味があるとは思えんがな・・・」
 敢えて言葉を選んではいるが、その声色がはっきりと「無駄だ」と言っている。
「シグナム・・・」
「奴の、お前の使い魔に対する態度を聞けば、話が通じるとは思えんがな・・・」
「シグナム、そんな言い方せんでも・・・」
「主、一つお聞きしたかったことがあります。魔癌が、被害者が命を落とすまで暴走を続ける、という可能性は無いのですか?」
 沈黙が部屋を包む。それが、答えだった。
 俯くフェイトに、シグナムは諭すように続ける。
「テスタロッサ。我々は覚悟を持って望まねばならん。その可能性を受け入れられないなら・・・」
「行きます。なのははきっとわかってくれます」
「・・・そうか」
 その目を信用してもいいものか、シグナムは半信半疑だったが、それを口にすることはしなかった。
「ロッサ、すまんが彼らからの事情聴取を頼めるか」
「了解だよ、クロノ君」
 ヴェロッサの稀少技能『思考捜査』によって何かしらの情報は得られるはずだ。
 久しぶりに有力な情報が手に入る。そう思っていたのに、血相を変えたシャッハがモニターに顔を出しその未来を否定した。
『大変ですハラオウン執務官! 身柄を拘束していた偽局員たちが揃って姿を消しました!!』
「・・・何だと!?」
『鍵を開けた形跡も無く・・・、本当に消えたとしか・・・。申し訳ありません!!』
 恐らく八神家が襲撃された時と同じ手口だろう。しかし、今回は彼らに魔法は使えないはずなのだが・・・。
「やられたね・・・。僕はこれから現場に行ってみるよ。何か掴めるかもしれない」
「・・・よろしく頼む」
 ヴェロッサは足早に部屋を後にした。気にはなるが、そちらは彼に任せ、こちらはこちらでやらなければならないことがある。
「これからは二手に分かれる。フェイト、ヴィータ、シグナムは僕となのはの保護に。はやてとザフィーラはユーノの・・・」
 クロノの言葉を遮るように、モニターが急に赤く点灯を始める。
「センサーに魔力反応! 移動スピードが凄い・・・。真っ直ぐこっちに向かってくるよ!!」
 モニターの中を移動する点のスピードは確かに尋常ではない。
「映像、出ます!」
 映し出された人物を知らぬものはその場にはいない。
 白きバリアジャケットを身に纏い、羽根のように美しい桜色の魔力残滓を煌かせながら、一直線にこちらにむかって飛んでくるその姿は美しくもあり、恐ろしくもあった。
「ここを戦場にするわけにはいかない。急いで移動するぞっ!!」
 一気に部屋が慌ただしくなる。
「君らはユーノの安否の確認を頼む。連絡が取れないんだ!」
「そんなっ・・・」
 はやてがその詳細すら聞けぬまま、クロノもまた部屋を飛び出していった。


   ◇

 私たちは局の軍事演習場としても使われる、廃墟区画へと移動していた。ここならば半径数キロ圏内に被害は無い。
 私としては、最初からなのはを信用していないみたいで嫌だったけど、もしものことがあってはいけないから。そう・・・もしも・・・。
 アルフのあの光景が頭に蘇り、私は言いようの無い恐怖と不安に襲われる。
 しっかりしろ、私! なのはとちゃんと話すんだ。流されずに、ちゃんと。
 向こうに見慣れた桜色の光が見える。
 あの魔力光は、確かになのはのものだ。
「フェイトちゃんっ!!」
 私を見つけて停まるのかと思いきや、なのははそのまま私に抱き付いた。
「よかった・・・。フェイトちゃん、無事だったんだね・・・」
「なのはも、無事で・・・よかった・・・」
 あれ? 私、どうしちゃったんだろう・・・。
 いつものなのはなのに、どうしてか、緊張してしまう・・・。震えが・・・、手の震えが・・・止まらない。止まれ・・・、止まれっ・・・!
「行こう、フェイトちゃん。早くはやてちゃんたちを助け出さなきゃ」
 そう言って引っ張る手は、いつも以上の強引さがある。
「待って、なのは!」
 思ったよりも大きな声になのはだけじゃない、私も驚く。
「ちゃんとなのはと話がしたいんだ・・・」

「おい、あいつ大丈夫かよ・・・」
 廃墟に身を隠しながら、宙に浮かぶ二人を見上げてヴィータが不安そうに呟く。
「テスタロッサが自分で言ったことだ、見守るほかあるまい・・・。気は抜くなよ」
「・・・わぁってるよ」
「で、どうだエイミィ。なのはの様子は・・・?」
『うん・・・。魔力値は普段のなのはちゃんくらい・・・。それよりみんな、気付いてる・・・よね?』
「あぁ。上のあれ・・・だろ?」
 目視出来ないくらい遥か上空に、光球が控えている。それも、ご丁寧に三つも。
 どうやらここに身を隠していることは既になのはにはばれているようだった。牽制のつもりなのだろうか。

「お話? それ、今じゃないとだめかな?」
 フェイトは首をぶんぶんと縦に振る。
「あのねっ、はやては大丈夫だよ! あの後シグナムが助け出したんだよ」
「・・・シグナムさんが? そう・・・。じゃあ、アルフさんを探さなきゃね」
「なのはっ、あのアルフは本物なんだよ。嘘じゃない・・・本当なんだ・・・」
「・・・」
「なのは、落ち着いて聞いてね。なのはは今、魔法を使っちゃいけないんだよ。でも、それはなのはが悪いわけじゃなくて、なのはの体の中にある病気が原因なんだ。だから、ちゃんと病気が治るまで魔法は我慢しよ? でないと、本当に魔法が使えなくなっちゃうんだよ。病院に戻ろう? 私、ずっとなのはの側にいるから・・・ね?」
「フェイトちゃん・・・、どうしてそんな嘘言うの?」
「嘘じゃない。なのは、私のこと信じてくれないの?」
 なのはは答えずに静かに眼前の少女を見据える。その責めるような視線に、フェイトは泣きそうになる。届かない想いが、もどかしくて、辛い。
 やがて、何かに得心がいったように一度頷いて笑みを浮かべる。
「そっかぁ・・・。フェイトちゃんは騙されてるんだね・・・。あの人たちにっ!!」
 なのはが睨むと爆発が起こる。それは、クロノたちが身を隠していた廃墟。瞬時に、上空で控えていた光球がその建物を打ち貫いたのだ。
「なのはっ!!」
「隠れてないで、出てきたらどうなの?」
 なのはの呼びかけに答えるかのように三人が姿を現す。フェイトの前に壁が出来る。
「なのは、魔力を放棄して僕たちと一緒に来るんだ。このままでは、まずいことになる」
「クロノっ! 私の話はまだ終わってない!!」
 フェイトの叫びを無視し、クロノは問う。
「どうなんだ、なのは」
 返答は、一発の砲撃。防いだものの、魔力を大きく削られる重い一撃だった。
「交渉決裂・・・だな。残念だ」
「クロノ待って! なのはもやめてっ!!」
「よせ、テスタロッサ。これ以上は無駄だ」
「同感だな」
 前に出ようとするフェイト。シグナムとヴィータが制しても、耳を貸そうとはしない。
「待ってっ! お願いだから待っ・・・」
 言葉が途切れる。シグナムの手刀によって気を失ったフェイトをクロノが肩に担いだ。
「テスタロッサのことを頼む」
 言いながらもなのはから視線を逸らすことはない。
「ああ、君らも・・・油断はするなよ」
 その声色から、油断など出来るような状況でも無いことはクロノも分かっているようだったが。
 クロノがその場を離れると、なのはから放たれる殺気が増すのが肌で感じられた。
「・・・フェイトちゃんを返してもらえませんか? 私・・・怒りますよ?」
 刹那降り注いだ一筋の光球を、シグナムは瞬時の抜刀で切り払う。
「自分の思い通りにならないものは全て敵・・・。子供の発想だな。いつからそんなつまらん人間になった、高町なのは」
 鞘に刀を戻す姿に、なのはの目が少しだけ驚きに見開かれた。
「流石ですね、フェイトちゃんが惹かれるだけのことはあります」
「本当に投降する気は無いか。無駄な戦闘は、テスタロッサを悲しませることになるぞ」
 なのはは何が面白いのか突然くすくすと笑い出す。
「バトルマニアのシグナムさんにしては随分と尻込みをしますね。ひょっとして自信がありませんか?」
「貴様っ!!」
 一気に距離を詰めて切りかかろうとする所を、降り注いだ光球によって進路を塞がれる。危なく直撃を受けるところだった。
「珍しいですね、シグナムさん。あなたが冷静さを欠くなんて」
 さっきまで笑っていたのが嘘のように、侮蔑の視線が注がれる。その視線が「そんなので戦えると思ってるの?」と言っている。
 確かになのはの言うとおり、今のシグナムの心境は冷静とはかけ離れたところにあった。
 ――将。
 烈火の将、という二つ名は、彼女がこれまでに切り抜けてきた幾千、幾万もの戦いを経て得たものである。その彼女が――
(焦っている・・・だと?)
 本能が、これまでに数え切れないほどの修羅場を切り抜けてきた彼女の騎士としての本能が、この戦闘は危険であると結論付けていた。これまでにだって命を賭した戦いにおいて、心躍る決闘は数多くあった。今では良き戦友となったフェイト・テスタロッサとの戦いもまた一つ。しかし目の前に用意された戦いは、・・・違う。
(気圧されているというのか・・・)
「ふっ・・・ここで散るなら、私もそれまでの騎士だったということか」
 まさか年端もいかぬこんな幼い少女に気圧されるとは、烈火の将も地に堕ちたなと自嘲的な笑みが零れる。
「以前の貴様との勝負は決着が着かず終いだったな。丁度良い、ここで白黒はっきりつけさせてもらおう!!」
 しかし、意気込みも虚しく振るう剣先はどれも空を切り、なのはを捉えることはない。
「逃げるなっ!!」
「シグナムさん・・・無駄な戦闘(殺し合い)は避けませんか?」
「貴様、騎士の戦いを侮辱するかっ!! 何をしているヴィータっ! 戦えっ!!」
 一方的な戦いはつまらない、そう言われたも同然の発言にシグナムは激昂する。しかし感情的になるほど動きは直線的になる。そんな彼女をからかうように、ギリギリのところを光球が掠め、距離が生まれる。
「ね、ヴィータちゃんもそう思うでしょ?」
 ずっと沈黙を続けていたヴィータは、回答を求められて、ようやくその口を開いた。
「・・・あぁ。・・・そうだな」
 思いもよらぬ同意に、シグナムの動きがぴたりと止まる。
「お前・・・どういうつもりだ」
「剣を納めろ、シグナム」
 それは戦いをやめろということ。シグナムではなのはに勝つことは出来ない、ということなのか。それともフェイトの言うとおり、話し合いで何とかなるとでも思っているのだろうか。
「何を・・・」
「ここはお前の戦場じゃないっつってんだ、下がってろ」
 ヴィータが自分の前に出て初めて、なのはの相手は自分がする、そういう意味なのだと知り、シグナムは眉を顰める。
「・・・何を考えている。今の奴には・・・」
「んなこたぁわぁってるよ」
 今更言われなくてもな・・・と、ふてぶてしくヴィータは答える。
「だったら・・・」
「・・・そういうことじゃねぇんだよ!!」
 ヴィータが一蹴すると、シグナムは言葉を失う。
「・・・わかるだろ? これが・・・騎士の生き方だ」
 烈火の将は一瞬目を丸くし、頬を緩めた。
「・・・あんだよ?」
「お前に騎士の何たるかを説かれる日が来るとはな・・・」
 私もまだまだ精進が足りんな…と嘲笑的にシグナムは笑う。
「はやてに・・・、ごめんって伝えてくれ」
「断る」
「即答かよ」
 それを引き受けるわけにはいかない。それは主が望まない覚悟だから。
「・・・死ぬなよ」
 烈火の将が自分のことを気遣うなんて珍しい。柄じゃないこと言いやがって、とヴィータは口元を緩ませた。
「最後までリーダー気取りかよ」
「敬愛なる我らが主が仰るであろうことを代弁したまでだ」
「言ってろ」
 それで、会話は終わった。
 長き時を共に戦ってきた、彼らにはそれで十分だった。
「待たせたな、なのは」
 こちらに向き直って対峙する紅の鉄騎に、なのはは表情を曇らせる。
「どういうことかな、ヴィータちゃん」
「こういうことだ」
 手にした鉄槌を相手の顔面へと向ける。
「残念だよ、ヴィータちゃん。ヴィータちゃんは戦いが嫌いなはずなのに・・・」
「勘違いすんな。あたしは無益な戦いが嫌いなだけだ。騎士の誇りを賭けた戦いでまで、逃げたりしねぇ」
 まるで興味が無いと言わんばかりに、ふぅん・・・と答える声には感情が無い。
「なのは、一つだけ答えてくれ。お前があたしにしたお願い、覚えてるか?」
 それは紅の鉄騎が今ここで彼女と対峙している理由。
「・・・何のこと?」
 見下したような視線が、そんなこと聞いて何になるの? と言っている。
「そうか・・・」
 もしかしたら、本当になのははこうなることが分かっていたのかもしれないなとヴィータは思う。
「・・・わりぃが、こっちは殺傷設定にすんぞ」
 純粋な魔力量の衝突になると恐らく自分が不利になる。肉体的なダメージによって、無力化する以外に自分に勝ち目は無い、そうヴィータは思っていた。騎士としてフェアではないかもしれないが、これはなのはとの約束だから。騎士として守らねばならない、大切な約束だから。
「どうぞご自由に」
 構えるヴィータとは対照的になのはは自然体のまま動かない。しかし既に駆け引きは始まっている。
「本気で殺り合うは初めてだな。おめーのその目、悪くねぇ。本気の目だ。人を殺すことに何のためらいも・・・」
 言葉を遮るように、顔の両側を二つの光球が駆け抜ける。巻き起こる風がヴィータの結ばれた二本の髪を後ろへと大きくなびかせた。
「御託はいいの。さっさとかかってきなさい」
 こちらを見据える目に明らかな怒気が宿った。
「・・・上等っ!!」
 それが戦闘開始の合図だった。


「シグナム・・・、これはどういうことだ」
 ヴィータ一人を残して戦列を離れ、自分たちのもとへとやってきた烈火の将は顔色一つ変えずに宣言する。
「手出し無用。これは騎士の決闘だ」
 理解不能な騎士たちの言動に、クロノは怒りを覚えずにはいられない。
「馬鹿なっ! そんな暢気なことを言っていられる状況だと思っているのか!?」
 加勢に行こうとするクロノの喉元にレヴァンティンが突きつけられる。
「手を出すと言うのなら、この私を倒して行け」
 シグナムの目は本気だった。動けば、このまま喉元を切り裂かれてもおかしくはないだろう。
「狂ってる・・・」
「騎士としての矜持を忘れた時点で、我らに騎士として存在する意義はなくなるのだ・・・」
 時代錯誤も甚だしいと、笑いたければ笑えばいい。
「こういう生き物なのだよ。古代ベルカの騎士というものは・・・」



(第八話 ③ に続く)


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Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

↓↓↓リリカルなのはの二次創作、同人活動をしている方、マイミク/マイピク募集中です。お気軽にどうぞ♪mixi pixiv Dolce

≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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