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第八話「雲の契り」④

LIVE CASTLE、
セットリスト凄かったですねー。
個人的にはinnocent starterを
久々に聞けて、大満足!!

第八話はここまでになります。
次週より、第九話「まもりたいもの」
に移ります。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第八話「雲の契り」④
になります。





 地面に横たわる小さな騎士を見下ろすなのはの表情は、心底つまらなそうだ。
「残念だけど、さよなら・・・だね」
 構えた指の先に、魔力が集まり始める。
「そこまでだ」
 紅の鉄騎の前に、烈火の将が立ちはだかった。
「・・・何の真似ですか、シグナムさん」
 なのはが構えを解くと、留まっていた桜色の魔力光がゆっくりと発散していく。
「勝負は既に決した。もう・・・いいだろう」
「・・・それがあなたの騎士道ですか?」
 まさか自分たちから決闘を申し込んでおいて、そのようなことを言われるとは思ってもいなかったのだろう。その声には明らかな侮蔑の色が浮かぶ。
「何と言われようと構わん。これで事が済むとも思っていない」
 シグナムは己の命とでも言うべきその炎の魔剣を目の前に掲げ、その手を離した。
 乾いた金属音が、辺りに響き渡った。
「私の命を、差し出そう。それで、許しては貰えまいか」
「・・・本気ですか?」
 沈黙とその眼差しを持って答える。
 きっと主は、紅の鉄騎を失うことを一番悲しまれるだろう。シグナムはそう思っていた。守護騎士の中でも主とあの小さな騎士には特別な絆があるように思えた。これは我らが主のためであり、最後に騎士としての生き方を思い出させてくれた仲間のため。
 しかしそんな将の想いは届かずに、なのはを取り巻く雰囲気が、発されるオーラが、段々と怒気を帯びていく。
「不愉快です。・・・本当に不愉快です。これは何のお芝居ですか? これじゃあ私、完全に悪者じゃないですか・・・」
 一体私が何をしたって言うの? 悪いのはあなたたちじゃない。そう責めるようななのはの声は静かに、それでいて怒気を孕んだ重みを持って響く。
 やがて合点がいったように、笑って吐き捨てる。
「あぁ、そうですね。・・・・・・私、悪魔なんですものね」
 失笑しながら少し肩を震わせていたが、それもやがては止まり。また、汚いものでも見るような目で冷たく言い放った。
「それなら私、悪魔らしく、貴女の申し出を断ろうと思います」
 そして狂気にも似た笑顔を浮かべ、優しげな口調で宣言する。
「どちらの命も、いただきます」
「なっ!? ぐぅっ!!」
 驚く暇すら与えられず、バインドによって動きを封じられる。その術式はかなり複雑になっていて、解こうにも解けない。
 もがくシグナムを気にかけず、なのははその横を飛び去ってクロノのもとへ。
「フェイトちゃん・・・、迎えに来たよ・・・」
「なのは、もう馬鹿なことはやめっ・・・ぐっ!!」
 クロノの必死の説得も、バインドによって遮られてしまう。なのはの意識は既に、クロノの膝元で眠るフェイト以外に無い。
「取り返しの付かないことになるぞ! おい、聞いてい・・・・・・」
「もういいです。あなたたち全員、まとめて消えてください。偽者は・・・いりませんから」
 なのはが手を翳すと、上空に桜色の魔力光が急激に集束を始める。この周辺にある魔力素を全て消費していまいそうな勢いで膨れ上がるその光球の膨張具合に、クロノは言葉を失う。これは・・・広域殲滅魔法だ。
『ちょっ・・・、な、なのはちゃん!! 一体何してるのっ!? 次元震でも起こすつもりっ!?』
 手元のモニターで観測している値が、それくらいのとんでもない値を叩き出しているのだろう。しかしエイミィの叫びもなのはには届いていない。
「フェイトちゃん・・・、ごめんね、怖かったよね?」
 ようやく取り戻したフェイトを抱きしめながら、その耳元で優しく囁き、その感触確かめるように暫しの間そのままでいた。
「なのはやめろっ! あんなものを発動させたらこの辺一帯は・・・。近くには聖王医療院もあるんだぞ!!」
 次元震さえ起こりかねないほどの魔力を集束させた塊は嵐を巻き起こし、天には雷鳴が轟き、大地は緩やかに振動を始める。
「とりあえず帰ろうか。私も怪我の治療しなくっちゃ」
 クロノ、エイミィの叫びも意味をなさず、なのははフェイトを抱えたまま、膨張を続ける光の玉へと近付いていく。
 異変は、その途中で起こった。
 なのはの体が突然、びくんと跳ねる。
「いや・・・・・・、いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 断末魔の悲鳴と共に、クロノたちを縛っていたバインドが解ける。なのはが集束させていた巨大な魔力素の塊も膨張をやめ、再び大気へと自然発散していく。
「うぅうぅぅぅぅぅっ、ふぇいとちゃ・・・、あぁっ、・・・あぁぁあぁぁぁぁぁっ!!」
 暴れてもがくその手元から、フェイトが滑り落ちるが、苦しむなのはには救う術が無い。
「フェイトっ!!」
 クロノが再びその腕の中にフェイトを取り戻す。何とか、怪我は無さそうだ。
「テスタロッサは無事かっ!」
 ヴィータを抱えたシグナムも合流し、空中で胸を掻き毟りながら悲鳴をあげて苦悶するなのはを見上げる。
 苦しみ続けるなのははいずれ、自身の魔力光である桜色の光に包まれて忽然と姿を消した。あんな状態で、転送魔法が使えたというのだろうか。
「・・・・・・一体、何が起こっているんだ」
 晴れ間の覗き始めた廃墟に残されたのは、二人の局員と、想いを伝えられなかった者、約束を果たせずに倒れた騎士、そして、急激に収縮して既に安全圏に達した魔力の塊。
 遠くでサイレンの音が聞こえる。恐らくは今の莫大な魔力の膨張と収縮に誘われてきたのだろう。
 どうしようも無いほどの、安堵感と失望感。クロノとシグナムはただ呆然と、その場に立ち尽くしていた。
「なのは、君の身に何が・・・」


   ◇

 強制的に拉致されたユーノは、どこかもわからないような場所で見ず知らずの人間の介抱をしていた。
 転送先に着いたら術者に文句の一つでも言ってやろうと構えていたユーノだが、その先で術者が口を開いて最初に出てきたのは言葉でなく、大量の血であった。それからも膝を付いて咳き込み始めて止まらないので、もう怒るどころではなかった。背中をさするやら彼の持っていた薬を飲ませてやるやらで、一体僕はここに何をしに来たのだろう、という状態だった。
「すまない・・・。こんなことを・・・させるために、呼んだわけではないんだ・・・」
 そりゃそうだ、流石に用件がこれだけだったら誰だって怒る。とは敢えて口には出さない。
「落ち着いてからで、いいですよ。逃げたところで帰り方がわかりませんし・・・」
 そんなつもりはなかったが、つい言葉が棘々しくなってしまう。
「いや、そんな暇は無いんだ・・・。魔癌について・・・知っていることを、教えて欲しい・・・」
 まさかいきなり確信を付く質問をしてくるとは思わなかったため、身構えてしまうが、ふと頭に一つの可能性が浮かぶ。
「・・・あなたはひょっとして・・・以前、書庫に魔癌を探しに入りませんでしたか?」
 男はちょっとだけ意外そうな顔をして、それから少し口元を緩める。
「・・・勘がいいな、ユーノ・スクライア・・・。流石私が・・・」
 何だかこいつ、すかし方がクロノに似てる。そう思うと急激に怒りが込み上げてきた。
「やっぱりそうか! お前らっ、なのはに使った古代遺産の取り除き方を本当に知らないのか!? あれはとんでもない代物なんだぞっ!! あれは―――」
 ユーノの説明を聞いて、男は暫く目を閉じながら天を仰いでいた。
「そうか・・・。私は取り返しのつかないことをしてしまったのだな・・・」
 急に部屋の扉が開き、柄の悪そうな局員たちが数人入ってくる。
「何だ、お前たち。部屋には入ってくるなと言っただろう」
「もう貴様の指揮下にいる必要は無くなったよ、ルカ・ベルリネッタ」
「なっ!?」
 ユーノは自分の耳を疑った。まさか、自分の目の前にいる男がはやてから話に聞いていた、あのルカ・ベルリネッタであるということに。
「くっ!」
 ルカが魔方陣を展開させると、ユーノが書庫から拉致されたときと同じ魔力光が溢れる。
 しかし、それをさせまいと局員たちは容赦無くルカのことを魔力砲で打ち抜いた。
「やめておけ。今すぐ死にたいなら話は別だがな」
「何をするんだ、この人はっ!!」
 床に広がる血を見て、局員は「あぁ・・・」と、興味無さ気に吐き捨てた。
「別に気にすることは無い、どのみち長くは持たんよ」
 長く・・・ない? どういうことだ? 疑問を整理出来ないまま、ユーノにもルカ同様に魔力を封印される手錠を掛けられた。
「ユーノ・スクライア。貴様も我々と一緒に来てもらう」



(第九話 ① に続く)


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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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