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第九話「まもりたいもの」①

冬コミ。
なのはブースは劇場前売券かぁ・・・。
当日は配置の影響であの辺一帯とんでもないことになりそうですね。
・・・がんばろう。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第九話「まもりたいもの」
になります。





 ふと気が付くと、あの廃棄区画に立っていた。
「フェイトちゃんっ!!」
 突然、なのはが私の胸元に飛び込んでくる。
「よかった・・・。フェイトちゃん、無事だったんだね・・・」
「なのはも、無事で・・・よかったよ・・・」
 あれ? 私、どうしちゃったんだろう・・・。体のねじが一瞬で全て緩んでしまったかのように、体ががくがくと震えだす。
 なのはと視線が合った瞬間、その可愛らしい顔から表情が消えた。
 私は心臓が止まる思いだった。
「フェイトちゃん・・・。どうして、震えてるの?」
「ち、ちがっ・・・、私震えてっ、なんてっ・・・」
 否定したいのに、否定しなきゃいけないのに、喉が、唇が止まってくれない。
「フェイトちゃん、私、本当になのはだよ? 信じて・・・くれないの?」
 私の胸元から離れた、なのはの言葉からは悲しさよりも怒りを強く感じた。
「ごめんっ・・・、わた・・・しっ、そんなっ・・・つもりじゃ・・・」
 首を横に振りながら、気が付くと頬を涙が伝っていた。
 自分の全てが理解出来ない。どうして、震えは止まらないの? どうして、涙が流れるの?
「そんなの私のフェイトちゃんじゃない」
 私が一番恐れていた言葉が、聞きたくなかった言葉が、私を絶望へと叩き落す。
「やっぱり・・・あなたも、偽者だったんだね・・・」
「違うっ!! 私フェイトだよ!! 信じてっ!! なのはっ・・・なのはぁ・・・」
 私・・・、私は、フェイト・テスタロッサは、高町なのはのものです。本当です。
「本物のフェイトちゃんを・・・探さなきゃ・・・」
 どんなに涙を流して彼女の名を呼んでも、既に私には興味は無くなってしまったのだろう。踵を返して私から離れていってしまう。
「待ってっ!! ぐうっ!」
 追おうとする私のことを、バインドが締め付けて邪魔をする。
 なのはがどんどん遠ざかっていく。私の手の届かないところへ行ってしまう。もうなのはに二度と会えない、そんな気がして私は気が狂いそうになる。

「なのはぁっ!!」
 自分の声で我に返る。
 そこはもう、あの廃墟ではなかった。
「・・・なのは?」
 上半身を起こして、半開きの目で辺りを見回す。そうか、ここは本局の仮眠室だ・・・。
「・・・夢、か・・・」
 時計を見ると、横になってから一時間くらいしか経っていない。頭がボーっとして、フラフラする。
 最近は全然良く眠れない。眠れたとしても、見るのは悪夢ばかり。いつも、なのはとの最悪の結末で目が覚める。
「なのは・・・会いたいよ・・・」
 シーツをぎゅっと握り締める。顔を埋めた膝元が濡れていく。
 会ったところで、さっきの悪夢のような展開になってしまうかもしれない。それでも、今はどうしてもなのはに会いたかった。その可能性を否定して欲しかった。

 もう一度、あの笑顔で、名前を呼んで欲しかった。




   第九話 まもりたいもの



 時空管理局本局の一室に、久しぶりにアースラクルーが全員集合していた。
『クロノ君、あれからロッサから何か連絡は?』
 はやては念話でクロノに問いかける。
 今は艦長であるリンディ待ちの状態であるから、普通に会話をしても問題は無いのであろうが、こう静かでは念話を使う方が無難に思えてしまう。
『今のところは何も・・・。面倒なことになっていなければいいが・・・』
 ユーノ・スクライアの消息が絶たれた。
 はやてたちが書庫に駆けつけたときには既に彼の姿は無かった。誰に話を聞いても、映像を見ても、ユーノが書庫から出て行くのは確認されなかった。これではユーノ自身が転送魔法を使ってどこかに行った可能性しか考えられないのだが、連絡が取れなくては、それすらも定かではない。しかし、状況が状況だけに誘拐されたと思うのは決して考えすぎ、ということにはならないだろう。
 ユーノの行方は、ロッサを筆頭とする別働隊が追ってくれていた。しかし、未だに彼らからは何の連絡も無い。考えたくは無いが、最悪の未来が頭をよぎってしまう。
 部屋の扉が開くと、全員が姿勢を正す。アースラの艦長、リンディ・ハラオウンは彼らを一度見渡すと、軽く咳払いをしてミーティングを開始した。
「本日を持って、我々アースラスタッフは高町なのはの捜索、保護任務に就きます」
 先日のなのはが放とうとした広域殲滅魔法。結局は未遂に終わったものの、下手をすれば次元震に発展しかねない事態であった。これにより、なのはのことは局に知られることになり、現在の状況に至る。
「原因不明の魔法使用、局員に対する魔力攻撃による傷害、そして未遂とはいえ次元震の誘発・・・。局の中には、彼女を殲滅しろという意見もあります」
「そんなっ!!」
「落ち着けフェイト、提督は最初に保護、と言っただろう」
 立ち上がるフェイトをクロノが宥める。ここ最近のフェイトはどうにも神経質になっているようだった。
「・・・とは言っても『次元震』という事実はやはり大きいわ。この任務に許された期間は三日・・・。それを過ぎれば、我々の目的はなのはさんの『殲滅』になります・・・」
 流石にまた立ち上がることはしないが、その事実にはやはり相当なショックを受けているようだった。
「今回は八神特別捜査官と守護騎士のみなさんにも協力を得られることになっています」
 はやて他、守護騎士が敬礼すると、クルーもそれに倣う。
「それと今回の事態に対応するために、武装局員を追加召集しています。任務を迅速に遂行するために、極力問題は起こさないように」
 武装局員はその性質上、気性が激しい人物が多い。故に共同任務などがあると、いざこざが発生したりすることが稀にある。
「明日のメンテナンスが終わり次第アースラは出航、任務に就きます。厳しい任務になりますが、我々の同士を救うために各員の健闘を期待します。以上、解散」
 スタッフがぞろぞろと出て行くと、部屋に残るのはいつもの面々。
「それにしても今回の任務。よくウチに下りてきましたね・・・。艦長、どれだけ裏工作したんですか?」
 エイミィが心底不思議そうに尋ねると、リンディがそのおでこをぴん、と弾く。
「人聞きの悪いこと言わないの。まぁ・・・今回は本当に使えるものは総動員、って感じだったわね・・・」
 それで何とかなってしまうのが、この人の凄いところではあるのだが・・・。
「はやてさんたちのレンタルといい、またレティに大きい貸しが出来ちゃったわね・・・」
 リンディの溜め息は室内に重く響き渡る。みんな、苦笑い。
「あの・・・、リンディ提督。お願いが・・・あるんですが・・・」
 はやては改まって言うと、部屋の雰囲気が少し変わる。
「出向の身でこんなことをお願いするのが図々しいことは十分承知の上で、お願いします。・・・今回のなのはちゃんの保護任務、・・・私に指揮を取らせてもらえませんでしょうか」
 なかなか大胆な直談判に、リンディの表情が真剣なものになる。
「ヴィータさんの敵討ち、ということであれば許可は出来ませんが、何か他に理由があって?」
 はやてもまた真剣な表情で頷く。
「私とヴィータの行動理念は一緒です。私たち八神家はなのはちゃんを助けたいんです。いえ、この命に代えても助けなければならないんです」
「・・・ふざけるな」
 静かに、それでいて怒りを携えた声が。
「クロノ君・・・」
「フェイトも、守護騎士の連中も、そして君もっ! どうして君たちは・・・、直ぐにそうやって簡単に自分の命を捨てる覚悟が出来る。君たちは、残された者の気持ちを考えたことがないのか・・・」
 クロノの怒りの中に、言いようの無い悲しみが混ざる。
「君たちが死んでも、悲しむ者がいないとでも思っているのか? 君たちは・・・そんなに寂しい人間か? それは、自分がたった一人でここまで生きて来れたと慢心する者の考え方だ」
「クロノ・・・、もうその辺にしておきなさい」
 その窘めは上官としての言葉か、それとも母としての言葉なのか。
「・・・すまない。柄にも無く感情的になってしまった。・・・でもこれだけは覚えておいてくれ。自分の命すら大切に出来ない者に、人の命を救う資格は無い・・・」
 それだけ言い残し、クロノは部屋を後にした。
「ちょっ、クロノ君! 待ちなってばっ!」
 エイミィが慌ててその後を追いかける。部屋に残された者の間に漂う気まずい沈黙を破ったのはやはりリンディであった。
「はやてさん、ごめんなさいね」
「いえ・・・、私が浅はかでした。クロノ君の怒りも当然やと思います・・・」
 私は自分の死をもって、自分の罪が償われるとでも思っていたのだろうか。私は死に急いでいるのだろうか。それならば、それは何という傲慢さなのだろう。
「・・・あの子も、父親に『残された』子・・・なのよ」
 はやてもまた、両親に、そして初代リィンフォースに『残された』側だ。
 死に対する恐怖は無い。でもだからといって、そのことに無関心でも無頓着でもあってはいけないんだ。
「リンディ提督・・・。今回の現場指揮、やらせてください。お願いします!」
 はやては深く頭を下げる。リンディはその肩に優しく触れ、顔を上げたはやてに一度頷いた。
「クロノの言葉、忘れないでいてあげてね・・・」
「はい! ありがとうございます!!」


「待ってよ、クロノ君・・・」
 背後からの声にも、クロノが振り返ることは無い。
「エイミィ・・・。君はどうして付いて来るんだ」
 彼女が追いかけてくるものだから、来たくも無いのに随分と遠くまで来てしまった。
「だって・・・、クロノ君泣いてるんじゃないかと思って・・・」
「なっ・・・! 誰が泣くかっ!!」
 反射的に振り向くとそこにはエイミィの悪戯っぽい笑顔が。
「なーんだ、いつものクロノ君じゃない。心配して損したー」
 ぶすーと顔を顰めるエイミィに、クロノにも自然と笑みがこぼれる。
「さっきのクロノ君、・・・ちょっとだけかっこよかったよ」
「からかうな。僕としたことが・・・とんだ大恥だ」
 ぷいと横を向くクロノの耳が赤いのを見て、エイミィはちょっとだけ吹き出す。
「クロノ君の想いは、ちゃんと伝わってるから」
 照れ隠しなのだろう。何も答えることはしなかった。
「クロノ君は、やっぱりずっとクロノ君なんだね・・・。そりゃあ不器用で朴念仁のクロノ君だもんねぇ・・・」
「・・・君は一体、何を言っているんだ?」
 意味が全く分からない上に、中々酷い罵られ具合。
「んーとねぇ・・・。結構前に色々言っちゃったこと、あの時はごめんなさい、ってこと」
「あれはどう考えたって僕が悪い」
 即答するあたり、クロノもずっと気にしていたのだろう。
「だーかーらー、許してあげるって言ってるの」
「君が許しても、僕は僕のことを許すつもりはない」
「あーっ、クロノ君かわいくなーい」
 まぁ、そういう頑固なところがまた可愛いわけだが。
「不本意だ」
 久しぶりのいつものやりとりに、二人はどことなく心地よさを感じていた。



(第九話 ② に続く)


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高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

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≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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