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第九話「まもりたいもの」③

冬コミ一日目のなのはブース。
8:00くらいから並び始めて、買えたのが16:00。
ぎりぎり過ぎる・・・。
いつか、徹夜組しか買えなくなるんじゃないか、という
不安を覚えずにはいられませんね・・・。

年内の更新はこれで最後になります。
このブログをご覧になってくださっている方々に
感謝申し上げます。
今年もありがとうございました、良いお年を!

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第九話「まもりたいもの」③
になります。




   

「各自散開し、所定の位置で待機っ!! 対象は直ぐに来るよっ!!」
 これから戦場になるであろう場所から少し離れたところで、はやてが前線の武装局員たちに檄をとばす。既に対象はこちらのレーダーに引っかかっている。その規格外の速さのために、超高域のレーダーを遣わなければ満足に戦闘態勢も整わない。
 なのはが、再びフェイトを奪い返しに来るであろうことは明確であったため、アースラクルーは場所を無人惑星へと移していた。ここならばどんなに暴れたところで被害は無い。とはいっても、次元震を起こされてはたまらないが。
 今回の指揮ははやてが取るため、シグナムとクロノは前衛に回っていた。
「クロノ君、前線指揮よろしくな」
「ああ。君も迅速かつ的確な指示を期待する」
 フェイトのブレスレットを外してその存在を露呈してやると、やはりそう時をおかずに彼女は現れた。予想を裏切らずに、次元を超えて脅威の執念でフェイトを追ってくるなのは。後はここで迎え撃つだけ。
「全員、回避ーっ!!」
 実戦に決まった開始の合図など無い。前衛部隊は、はやての怒号によって戦闘が始まったことを知る。桜色の収束砲が容赦無く襲い来て、はやてのすぐ左を通過する。その凄まじさを始めて肌で感じ、思わず息を呑む。全員、直撃は避けられたものの、予想以上の射速に何人かは負傷して、戦線を離れていく。
(早速人員削られた・・・。思いっきり、出鼻を挫かれてもうた・・・)
 暴走していてもやはり、なのははなのはということか。
「何をしているの? クロノ君、シグナムさん、それに、はやてちゃんまで・・・」
 それから間もなく戦場になのははその姿を現した。
「これは私からなのはちゃんへのちょっとした恩返しや。受け取ってくれるか?」
 アースラの武装隊と追加召集された武装局員たちがなのはを取り囲む。
 囲まれたなのははまるで彼らが視界に入っていないかのように、何の反応も示さない。
「それならフェイトちゃんを、返してもらえるかな?」
「なのはちゃんがフェイトちゃん大好きなんはよぉわかってるから。そんなに一緒にいたいんやったら、魔力放棄してこっちきたらええやん・・・」
 からかうような笑顔に、なのはから放たれるオーラが怒気で揺らめく。
「いい加減にしないと・・・くっ!」
 局員たちによる砲撃によって、なのはの言葉は途切れる。張られたバリアによって、ダメージは与えられなかったが、あちらからの攻撃を未然に防ぐことは出来た。既に上空には無数のシューターたちが待機している。
「いい加減にするのは君だ、なのは」
「こんなことを続けて、テスタロッサが喜ぶとでも思っているのか」
 加えられた攻撃、向けられた刃。明確な敵意に、なのはは一度だけ大きな溜息をついた。
「容赦は・・・いらないみたいだね」
 なのはの視線がはやてにその確認を求める。心構えはあったはずなのに、普段のなのはからは想像もつかない冷たい視線に、はやては背中に悪寒が走るのを感じた。
「・・・元からこっちもそのつもりや」
「悪いけど、時間が無いの。最初から本気でいくから」
 空から光のシャワーが降り注ぐ。この辺は事前に打ち合わせ済みなので、局員たちもおっかなびっくりではあるが一応回避することは出来ていた。
「散開!! 各個、回避行動を取りつつ対象への攻撃の手を緩めるな!!」
 クロノが叫ぶと、本格的に戦闘が開始した。
「さぁ、これから・・・やね。頼むで、みんな・・・」
 はやては誰に聞かせるでもなく、そう呟いた。


   ◇

 連れて行かれた先は、どこかの廃墟だろうか。自分たち以外、人の気配を感じない。
 その中の倉庫らしき場所に、放り込まれるように乱暴に押し込められる。起き上がろうと焦ってもがく内に、重量を感じさせる音と共に扉が閉められてしまった。その後で響いた音は恐らくは鍵を掛けたのだろう。
「ここで暫く大人しくしてろ、いずれお迎えがくるからよ」
 扉の外から聞こえたその声を最後に、人の気配が消えた。
 ユーノは何とか体勢を立て直し、壁にもたれかかって座る。
「おい君、大丈夫か?」
 部屋の高い位置にある小さな隙間から差し込んでくる光があるので、何とかお互いの顔くらいは確認できる。
「あぁ、問題は無い・・・」
 しかし、その返答とは裏腹に顔色は良くない。
 四肢の自由はさっきの砲撃でほとんど利かなくなってしまったらしく、うつ伏せの状態から仰向けになるのが精一杯のようだった。
「さっきの話だけど・・・」
 何故かユーノは目の前にいるお偉いさんに敬語を使う気が全く起きなかった。その原因が彼とよく似た雰囲気を持つどこかの執務官であることは明白であったが。
「長くもたない・・・って、どういうこと? さっきの・・・」
 吐血が・・・と言いかけて口を噤む。あの時はルカの体を気遣う方に神経が向いていたが、いざ思い返してみるとかなり衝撃的な体験であった。
「半分、そうだな・・・」
 ユーノの疑問を察してか、ルカは続ける。
「私はもともと寿命が長くない。・・・失敗作だからな」
「・・・生命、操作技術」
 こういう仕事をしていれば、余計な知識ばかりが増えていく。人の生み出した負の遺産。彼もまた、その被害者ということか。
「この血は、力の使いすぎだ・・・」
「力? ・・・さっきの転送魔法のこと?」
「それもその一つだ・・・」
「一つ? どういうことだ? そもそもどうやって・・・」
 この男に聞きたいことは山ほどある。湧き出る質問を次から次にぶつけていくと、ルカは何かに気付いたらしく、神経を集中させるために目を閉じる。
「おい、話はまだ終わって・・・」
「・・・待て。何か聞こえる」
「本当か!?」
 誰かが助けに来てくれたのだろうかと、ユーノは急いでドアに耳を当ててみる。すると外から『かっちこっちかっちこっち』と一定のリズムが不穏に刻まれている。
「まさか・・・爆弾!?」
 お迎え、ってそういうことかっ!!
「・・・そうか、私もついに用済みか」
 乾いた笑いを浮かべるルカに、ユーノは激昂する。
「何あきらめてんだっ!! 少しは助かる方法を考えろっ!!」
「・・・お前は、生きたいのか?」
 さも意外そうに言うので、ユーノの怒りは更に加熱する。
「当然だっ!! 魔癌の正体をみんなに伝えるまでは死ねるかっ!!」
「それは、高町なのはのためか」
 幼馴染の名を出され、少しだけ頭が冷える。
「・・・そうだ」
「高町なのはは、お前の友か?」
 ・・・かちん。
「・・・。・・・あぁ、そうだよっ!!」
 ユーノはやけくそになって、ドアに向かってタックルを始める。勿論、びくともしないが。がつん、ごつんと部屋に響く音は段々と小さくなっていき、やがて聞こえなくなった。
「くそっ・・・。このままじゃ・・・」
 座り込み、絶望に打ちひしがれるユーノ。
 それを見たルカの周りに魔力のきらめきが。しかし魔力を制限されているために、魔方陣の生成にまでは至らず、更には・・・。
「げほげほ、ごほっ!! ・・・かはっ」
 再び口からごぽごぽと血が溢れてくる。
「おいっ! 何してんだっ!!」
 驚くユーノとは対照的に、血を吐き捨てるルカは至って冷静だ。
「これ・・・くらいの魔力制限なら・・・と思ったが、ここのところ・・・力を使い過ぎたようだな・・・」
 いつもなら使えると言うのか!? という驚き以上に、どうなるかわかっていながら何の躊躇も無く魔法を使用しようとしたルカにユーノは驚愕していた。
「死にたいのかっ!!」
「お前ほど、生に対する執着は無い・・・」
 その言葉に毒気を抜かれ、溜息を一つ。
「・・・君の死を悲しむ家族や友達がいるだろう」
「元々・・・天涯孤独の身だ。それに・・・」
 ルカの声は最初に会ったときから比べて随分と細くなっていた。呼吸も荒い。
「私には・・・友というものがよくわからない」
 ユーノには、その言葉の真意がわからない。
「ユーノ・スクライア、・・・友とは何だ?」
 その質問にユーノは言葉に詰まる。何だと言われても、その定義を懇切丁寧に説明するのは辱められているような気がして憚られる。・・・・・・って、
「それどころじゃない!! 今は助かる方法を考えろ!! そんなもん、ここから出られたら幾らでも教えてやるから!!」
 ユーノは立ち上がり部屋の隅々まで調べ始める。倉庫とはいえ、あるのは少しの棚だけで、それにも何かが乗っているわけではない。調べ終わるまでに、さして時間は掛からなかった。
「くそっ! どうすりゃいいんだ・・・」
 扉によりかかり天を仰ぐ。聞こえるのはルカの具合の悪そうな呼吸と、リミットに向かって時を刻む外の爆弾の時計の音。
 本当に、本当に出来ることはもう無いのか・・・。
 諦めかけたその時、開くはずの無い扉から、何かがにゅっと首を突き出した。
 驚きのあまり、ユーノは声が出ない。まるで隙間が空いているかのように、その生物はいとも簡単にその全身をこちら側に通り抜けさせた。
「・・・犬?」
 その姿を見れば誰もがそう思うだろうが、少しだけ様子がおかしい。透けていて、その犬を通して向こうの壁が見える。そして触れようとしても触れられず、手はすり抜けてしまう。
 その光の犬がやたらとユーノの懐を気にするので、何かあるのかと確かめてみると、一つだけ心当たりが。
「これ?」
 取り出したのは、はやて経由で騎士カリムからもらったあの石。犬はその石に喜んでじゃれ付いている。
 遠くから人の足音が聞こえたのはそれから間もなくしてだった。
 もう聞くことはないだろうと思っていた重々しい扉の開く音。その先にいたのはこんな廃墟にはおよそ似つかわしくない優男だった。
「迎えにきたよっ、クロノ君愛しの王子様!」
 全力で全てを否定したいがそれどころではない。爆弾の示すリミットまではそう遠くないようだった。
「もう時間が無い! 走る・・・のは無理そうだね・・・」
「ヴェロッサ・アコース・・・。この手錠を外せるか?」
 見た目の割りに随分としゃがれた声に、ヴェロッサは少し面食らう。
「何を・・・」
「早くしろ・・・。お前もここで死にたくはあるまい・・・」
「すみませんが、お願いします!」
 ユーノに言われてヴェロッサはルカの手錠を外す。
 その瞬間、魔方陣が展開し、そこから三人の姿は消えた。

 転送先は今までいた建物のすぐ外のようだった。本当に瞬間的な転送であったため、距離もそんなに稼げなかったのだろう。
 それから間を置かず、眼前の建物が大爆発を起こした。爆風で若干転がされ、爆音で耳なりがする。
「いやぁ、あぶなかったね・・・。本当に・・・」
 胸を撫で下ろすヴェロッサの横で、ユーノは目の前に横たわる男を見て青ざめていた。
「おい・・・、大丈夫か!? おいっ!!」
 幾ら呼び掛けても、体を揺すっても、ルカ・ベルリネッタはぐったりとしたまま動かない。
 まさか最後の力を使って、助けてくれたとでも言うのか? 生きることに興味が無いから? そう思うと、ユーノは自分の中にまた怒りが湧き上がるのを感じた。
「・・・ふざけるなっ! お前にはまだ聞きたいことが山ほどあるんだっ! 勝手に死ぬんじゃないっ!! おい、しっかりしろ!!」
 ユーノが声の限りに叫んでも、ルカがその口を開くことは無かった・・・。



(第九話 ④ に続く)


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高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

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≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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