↓↓夏コミの新刊 『とらのあな』で通販中!! ↓↓                    

nightmare1 nightmare1 nightmare1 nightmare1 nightmare1

(クリックで通販ページに飛べます!)


第九話「まもりたいもの」④

遅ればせながら、あけましておめでとうございます!
今年最初のイベント参加予定はリリカルマジカル13。
本年も高町屋をよろしくお願いします!

第九話はここまでになります。
次週より、第十話「雷光と烈火と」
に移ります。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第九話「まもりたいもの」④
になります。




   

 なのはと、はやての指揮する武装隊の戦いが始まってもう随分と時が経過していたが、開始当初よりもその激しさを増していた。
「今だっ、シグナム!!」
 雄叫びと共に一気に距離を詰め、その刀を振るう。
「うっ・・・!!」
 かわしたつもりのなのはだったが、鈍り始めた自分の動きを計算に入れていなかったのだろう。その太刀筋が脛の部分を捉え、苦痛に顔が歪む。
「よし、またクリーンヒットや!」
 離れた場所で戦局を見つめるはやては、拳を握り締める。
 武装局員にかなりの被害を出しながらも、戦局はだいぶ傾きつつあった。
 実質上の攻撃を行うのは、シグナムとクロノのみ。
 はやては、武装隊なんて最初からあてにしていなかった。攻撃を当てる、という点においては。しかし、当たらない局員たちの砲撃でも使いようはある。
 彼らの作る、砲撃によって閉じられた空間。そこにクロノが援護射撃を行い更になのはの移動範囲を限定し、そこに生まれた隙をついてシグナムが一気に距離を詰めて一撃を放つ。
 完全に数にものを言わせた作戦。たった一人の相手にここまでするのは普通なら卑怯と言われても仕方ないが、それが今のなのはの力なのだ。そして、この作戦をもってしても、未だに致命的なダメージを与えるには至っていない。
「チャージさせる時間を与えるな!! 撃ち続けるんだ!!」
 こちら側もだいぶ息切れしてきた感じは否めないが、それはなのはにしてもそうだった。
 最初に比べて降り注ぐ光球の数が明らかに減った。こちらの隙をついて、収束砲を放つことも何度かあったが、満足にチャージタイムを取ることが出来ずに威力も射速もそれまでに比べれば随分と中途半端なものだった。
 それに加えて、致命的ではないにしろ、ダメージは確実に蓄積されていた。
 峰打ちではあるものの、シグナムの剣は右肘、左太腿、そしてさっきの右の脛と打ち抜いており、それによってなのはの動きに最初の頃のきれはもう見られない。
「さすがのなのはちゃんもこの数が相手では、もう時間の問題ですね・・・」
 はやての隣に立つシャマルの意見は、現状を見て判断するに一番現実味のある見解であるだろう。・・・しかし。
「・・・本当に、そうなんやろか」
「どういうことですか?」
「・・・うまく、いき過ぎてると思わんか?」
 作戦的にもこちらの優位は最初からある程度予想されたことではあるのだが、それにしても・・・、とはやては疑念を抱かずにはいられない。映像で見た、あの鬼神の如き圧倒的なまでの力を見せるなのはと、今、目の前で苦戦を強いられているなのはがどうしてもイコールで繋がらない。
「考えすぎじゃないですか。そんなの目的が無いじゃないですか」
「・・・私には、なのはちゃんが何かを待っているように見える」
「な、何をですか? ま、まさか援軍がいるとでも?」
「それがわかったら苦労せぇへんよ・・・」
 援軍というのは、あまりにも現実味が無さ過ぎる。じゃあ、とてつもなくでかい魔法でもチャージしているというのだろうか。いや、まさか・・・。それならとっくに大気圏外で待機しているアースラスタッフが気付くはずだ。
 本当に自分の思い過ごしであってくれればいいのだけれど・・・。
 そうは思っても、どうしても頭の中にある悪い予感は消えてはくれなかった。


   ◇

 ベッドの上で膝を抱え、独り不安に弄ばれる。
 任務から外された。私ではなのはと戦うことは出来ないだろうから、と。
 しかも、私が任務の邪魔に入らないように、知らないうちに対策が取られていた。
 部屋からは出られないようにロックされているし、私が無理やり魔法で扉をぶち抜かないように魔力制限まで掛けてある。このブレスレットはレーダーに引っかからないだけだって、言ってたのに。みんなで・・・私のことを騙してたんだ。
 みんなが、私となのはを引き離そうとしてる。
 きっと今頃、なのはは皆と戦っている。クロノやシグナムたちに囲まれて、たった一人で戦っているんだ・・・。
 このままじゃ、なのはが危ない。
 どうすれば・・・、一体どうすればいいの・・・。
『フェイトちゃん・・・』
「なのはっ!?」
 ふいに聞こえたその声に、私は驚いて周りを見回す。
 なのはだ。今のはなのはの声だ。幻聴じゃない、私がなのはの声を聞き間違うはずがない。たとえそれが、念話であったとしても。
『なのは? どこにいるのっ!! なのはっ!!』
 私は姿の見えないなのはに向かって、必死に呼びかけ続けた。なのははきっと答えてくれる。根拠の無い確証が、私を突き動かす。
『フェイトちゃん・・・、助けて・・・。痛いよ・・・、苦しいよ・・・』
 返ってきたのは、今にも消えてしまいそうな、か細い叫び。
 なのはの苦しそうに助けを呼ぶ声に、私は心の底から湧き上がる何かを感じた。
 何も出来ないと言い訳をして、目の前の現実から目を背け、また彼女のことを苦しめている。それは現状に甘んじていた自分自身への怒りであった。誓ったんじゃないのか。彼女を守ると、命をかけて彼女のことを救ってみせると。
 私は、何度自分に嘘を付いて裏切り、そして、彼女を傷付け、苦しめれば気が済むのだろうか。
「くっ・・・、こんなものっ・・・」
 力の限りブレスレットを引っ張るが、どうしても、抜けない。
 でも、抜かなくちゃ。なのはが、なのはが待ってるんだから。
 力尽くで引っ張るうちに、擦れた手首には血が滲み始める。
 こんなの痛くない!! なのはの苦しみに比べたらこれくらい!!
「取れろっ!! なのはがっ、なのはがっ!! ・・・・・・えっ?」
 何故か、ブレスレットの輪郭がゆっくりと消えていく。やがて、私の手首から忌々しいリングは完全に消えてしまった。そしてそのタイミングを見計らったかのように、ロックされているはずの扉が開く。
 一体何が起こったのかまるでわからなかったが、これがチャンスであることだけは明白であった。私は一目散に駆け出していた。
 ・・・リングが完全に消え失せるその瞬間に、桜色の光が見えたような気がしたのは私の目の錯覚だったのだろうか。

「か、艦長! フェイトちゃんの部屋のロック、解除されました!!」
 突然の事態に、混乱気味にエイミィが叫ぶと、ブリッジに動揺が走る。
 破壊などによって無理やりこじ開けたわけではなく『鍵が、開いた』のだ。フェイトの部屋は鍵が無ければ外からですら開けられないのに、である。
「フェイトは今どこに?」
 一人冷静を保つリンディ。
「転送ポートに向かっています」
「転送ポートのコントロールをブリッジに移して」
 そこさえ塞いでしまえば大気圏外にいるこのアースラから出る術は無い。
「・・・駄目です! こちらからのアクセスを受け付けません!!」
「何ですって・・・」
 まさかシステムがハッキングされたというのだろうか。一体この状況で誰が・・・。
「フェイトちゃん、地上に転送されました・・・」


   ◇

 勝負はもう、決しつつあった。
 なのはは既に満身創痍の状態で、こちらの攻撃を捌くのが精一杯。彼女に反撃をする余裕はもうなかった。
 そんな状況に入ったアースラからの連絡に、はやての表情が曇る。彼女の悪い予感を助長するかのように、空には暗雲が立ち込め始める。
『まずい・・・。フェイトちゃんがこっちに向かってる・・・』
 フェイトが自分たちの間に入って戦闘を止めさせようとするのは明白。あと少しなのにこんなところで邪魔をされては、折角のチャンスが台無しになってしまう。そしてそれはなのはに反撃の機会を与えることにもなり兼ねない。その一瞬の反撃で、戦局がひっくり返ることだって十分にあるのだ。
 まさか・・・なのはちゃんが待ってたのって・・・。
『クロノ君! 急いでっ!!』
『わかっている。面倒なことになる前にかたをつける!』
 クロノにもはやてと同じ不安があった。恐らくこれが、最後のチャンスだろう。暗雲から不穏な轟きが響く。・・・雷?
 自分の中にある不安をかき消すように、S2Uを改めて強く握り締める。
「シグナム、次で必ず仕留めてくれ!!」
「・・・無論だっ!」
「これで最後だ、全力で弾幕を張れっ!!」
 鼓舞するように叫ぶと、これまでにも増して局員たちの砲撃が勢い付く。
 それを見てクロノもまたなのはに向かって突貫を掛ける。
「ブレイズキャノンっ!!」
「くっ!!」
 襲い来る熱量になのははシールドを張って、それを何とか弾く。しかしながらそれもその場凌ぎで、もう今のなのはには次の攻撃を想定した動きではなかった。
「スティンガーブレイドっ!!」
 そんな中、クロノは更に畳み掛ける。十本の魔力刃がなのはに襲い掛かる。
 ギリギリのところでかわされているが、それでいい。敢えて、かわすことの出来る空間を提供してやることで、対象を任意の方向に誘導することがクロノの目的であった。
「きゃっ! ば、バインド!?」
 設置型のトラップ。二重に掛けられたバインドに、クロノは更に用心のためにもう一つバインドを重ねる。
「普段の君なら引っかかるようなことは無いだろうが、流石に限界のようだな・・・」
 なのはは何も答えず、特に抵抗する素振りも無い。
「高町なのは、覚悟っ!!」
 シグナムが一気に詰め寄り、最後の一刀を振りかぶる。
 なのはは諦めたのか、静かにその目を閉じた。
 勝負は決した。そう誰もが思った。

 ―――その、瞳を閉じる少女以外は。

 空に轟音が響き、地に向かって雷が放たれる。
 雷光が、目を閉じた少女と、今まさにその少女に切りかからんとする騎士の間を、裂くように割って入った。
 その時、なのはの口元に笑みが浮かんだのを誰も見てはいなかった。
 その直後、天から大量の黄金の槍が降り注ぎ始める。
 それらは、最後の力を振り絞って攻撃を続けていた武装局員たちを、いとも簡単に打ち抜いてしまう。
 その空域に響き渡る爆音と悲鳴。成す術も無く、局員たちは次々と地へと墜ちていく。
「・・・この攻撃はっ!?」
 何とか槍の雨を捌きながら、クロノは激しく動揺していた。
 この金色の魔力光。フォトンランサー・ファランクスシフト。クロノはこの魔法を使用する者を一人しか知らない。
「はぁぁっ!」
 槍の雨が止んでも奇襲は更に続き、突然姿を現した少女は金色の大型の魔力刃を振るい、シグナムに襲い掛かった。
「ぐっ・・・、何の真似だっ・・・テスタロッサっ!!」
 咄嗟に受け止めはしたものの、思いもよらぬ不意打ち。その勢いにシグナムは、押し切られそうになり、一旦引いて距離を取った。
 なのはを守るように、その前に立つフェイト・テスタロッサ。その瞳には揺ぎ無い強い意志が宿る。
「フェイトっ!! これは・・・、これは一体どういうことだっ!!」
 クロノの問いには答えず、フェイトはなのはに掛けられたバインドを解く。
 体勢を崩したなのはのことをしっかりと抱きとめ、再び、対峙するクロノたちに視線を合わせる。
「・・・あなたたちに、なのははやらせない」
 その剣先を親しかった者たちに向け、フェイトは高らかに宣言する。



「なのはは・・・、なのはは私が守る!!」




(第十話 ① に続く)
スポンサーサイト
拍手する

テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

FC2カウンター
プロフィール

高町屋

Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

↓↓↓リリカルなのはの二次創作、同人活動をしている方、マイミク/マイピク募集中です。お気軽にどうぞ♪mixi pixiv Dolce

≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
pixiv
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
ブログランキング
FC2ブログランキング
サイトについて
※高町屋は「健全系」小説・漫画サークルを自称しています。本サイトでは成人向けは取り扱っておりませんが、なのはとフェイトがとてもとても仲良くするような表現が多々見られますので、そういったものはちょっと・・・という方は、ご覧になるのをお控えになったほうがいいかもしれません。
カテゴリ
リリカルプリキュア(2)


【長編】魔法少女リリカルなのはNightmare(59)
  第十三話
  第十二話
  第十一話
  第十話
  第九話
  第八話
  第七話
  第六話
  第五話
  第四話
  第三話
  第二話
  第一話

SS(7)
  ぷろぽーず ぱにっく!⑦
  ぷろぽーず ぱにっく!⑥
  ぷろぽーず ぱにっく!⑤
  ぷろぽーず ぱにっく!④
  ぷろぽーず ぱにっく!③
  ぷろぽーず ぱにっく!②
  ぷろぽーず ぱにっく!①
(ViVidとForceの間?/なのは、フェイト、ヴィヴィオ)
  きねんび(後編)
  きねんび(前編)
(A's/なのは、フェイト)
  じぇらしー
(ちゅーなの/なのは、フェイト)
  わたしのままとまま
(StS/なのは、フェイト、ヴィヴィオ)
  わがまま
(A's/なのは、フェイト)
  ぱぱ?
(StS/なのは、フェイト、ヴィヴィオ、機動六課)

漫画(22)
  勉強会⑦+⑧
  勉強会⑥
  勉強会⑤
  勉強会④
  勉強会③
  勉強会②
  勉強会①
  わがまま
  今は反省している。
  休日の過ごし方②
  休日の過ごし方
  戦場では一瞬の判断の遅れが死を招くんだ!
  共働きの核家族でありがちな風景
  間接キス⑤+⑥
  間接キス④
  間接キス③
  間接キス②
  2時間15分59秒。
  たしなみ
  虫刺され?
  またふーふー
  ふーふー

絵(20)
  ぜくしぃ!
  40000hit記念!!!
  ViVid連載開始記念!
  高町なのはで表情練習
  甘えんぼなのはさん
  SAI購入記念?
  10000hit記念!!!
  らくがき11
  あけましておめでとうございました。
  メリクリ②
  メリクリ①
  らくがき10
  らくがき9
  らくがき8
  らくがき7
  らくがき5
  らくがき4
  らくがき3
  らくがき2
  らくがき1
リンクについて

※当ページはリンクフリーです。バナーは以下のものを使用してください。

(http://takamachiya.web.fc2.com/banner.jpg)

リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

NxF Union

当サイトは『NxF Union -なのフェイ同盟-』を応援しています。

BBS&別館

bbs
bekkan

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。