↓↓夏コミの新刊 『とらのあな』で通販中!! ↓↓                    

nightmare1 nightmare1 nightmare1 nightmare1 nightmare1

(クリックで通販ページに飛べます!)


第十話「雷光と烈火と」①

スマイルプリキュアに密かに期待を寄せています。
まさかキュアマジックリンがキュアハッピーに進化するなんて・・・!
うん。2月が待ち遠しい。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第十話「雷光と烈火と」①
になります。





 暗雲立ちこめる空には雷鳴が轟いている。
 いつもなら軽い悲鳴と共に、近くにいる誰かにしがみついているところだが、今のはやてにそんな余裕はない。
「・・・・・・フェイトちゃん。どういうことか、みんなにもわかるよぉに説明してくれるかな」
 本当はわかっていた。これが、どういうことなのか。でもその事実を受け入れるのは、今の彼女にはあまりにも酷であった。
「言葉通りの意味だよ、はやて」
 フェイトがその表情を変えることはない。
「・・・・・・なのはを傷付けようとするのなら、私は私の全てを掛けてなのはを守る」
 フェイトの周りには幾つものスフィアが発動体制で待機していて、対峙する者たちへの牽制となっている。
 強い意志を秘めたその瞳に、もはや迷いは見られない。
 今の彼女なら向かってくる者に対して躊躇なくそのトリガーを引くだろう。
「フェイトっ、馬鹿なことはよせ! この状況が理解出来ないわけじゃないだろう!!」
 いつもは冷静なクロノも、予想を超えた義妹の行動に感情の昂ぶりを押さえることが出来ないようだった。
「ごめんクロノ・・・。でも私、みんなのやり方にはどうしても賛同出来ないんだ。だから、私は私のやり方でなのはのことを救ってみせる」
 揺るぎない意志の下、フェイトは別離を宣告する。
「・・・・・・たとえ、みんなと戦うことになっても」
 それは一体、何の為の戦いなのか。
 目的は、同じだというのに。
 皆がただ、一人のかけがえのない少女を救いたいだけなのに。
「・・・・・・ふざ・・・けるなっ!!」
 烈火の将は己の感情の赴くままに剣を振りかぶっていた。
 シグナムを突き動かすのは、ただ純粋な戦友への怒りであった。
 しかし、少女の確固たる決意の前に、ただ振るわれる感情に意味はなく。
 がら空きになった腹部に、戦斧の柄がめり込んだ。
 体勢を崩す将を、フェイトは少し哀れむような視線で見つめる。
「いつもの貴女らしくないですよ、シグナム」
 行こうか、とフェイトが呟くとなのはは頷き、二人の足下に桜色の魔方陣が現れ、溢れる光に包まれていく。
「・・・・・・約束する。なのはのことは私が必ず何とかしてみせる。だから・・・・・・出来ることなら、私たちのことを放っておいてくれれば・・・嬉しい」
 二人の輪郭が、段々と薄れていく。
「待てっ! 逃げるのかっ!!」
 追いすがる将の一振りは桜色の魔力の残滓を、霧散させただけだった。
 残された者たちは、ただ立ち尽くすことしか出来ない。
 その一時の間に、家族を、親友を、戦友を失ってしまったのだから。
「・・・・・・テスタロッサ、貴様ぁーーーーっ!!」
 シグナムの怒れる雄叫びは、雷鳴の彼方へと吸い込まれていった。



 転送された先は、どこかのアパートの空き部屋なのだろうか。六畳ほどの空間には何も無く、人の住んでいる様子も気配も無い。窓から覗く空は夜に覆われているが、星の優しい光が互いの表情を見せてくれている。
「・・・・・・なのは、大丈夫? ごめんね、遅くなって」
 でも、そこがどの次元世界の何と呼ばれる惑星であるのかなんて、もうフェイトにとっては関係の無いことだった。
「大丈夫だよ。フェイトちゃんが来てくれたんだもん。こんな傷くらい」
 肩を抱かれたなのはは、フェイトにぼろぼろの体を預けながら微笑んで見上げる。
「だめだよ、ちゃんと手当てしなくちゃ。痕が残っちゃう・・・・・・」
 フェイトはそっと、なのはの頬に赤く残る擦り傷に唇を寄せる。
 二人だけの部屋にちゅっ・・・ちゅぴっ・・・・・・という音が鮮明に響く。
「んっ・・・。フェイトちゃん・・・・・・、くすぐったぁい・・・」
 首を竦めるなのはに、フェイトは「動いちゃだめ・・・」と拗ねたように嗜め、今度はその右腕を取った。傷の一つ一つを愛おしむように、二の腕、手首、手の甲、指先・・・と、唇と舌を賢明に這わせていった。
 時々漏れるなのはのくすぐったそうな嬌声や、舌に広がる彼女の血の味ですら甘美な媚薬となってフェイトの脳を溶かしていく。
 脛に残る痣を丹念に愛撫して、そのまま視界を遮るスカートを払いのけながら上へと進むと、なのははそれまでにも増して悩ましげな声を漏らす。
「やっ・・・フェイトっ、ちゃん・・・・・・そこ、はっ・・・んんっ!」
 太腿に走るくすぐったさと官能的な悦楽の入り交じった感覚。思わず漏れそうになる恥ずかしい声を我慢するなのはと、自分のしていることの大胆さに気付かず必死に愛しき人の痛みを和らげてあげようともがくフェイト。
 二人の世界は、それらの音とお互いの少し早めの鼓動だけ。
 フェイトの唇が左腕までの旅を終え、惜しむようにゆっくりと離れると、それまで触れていたところからつぅ、と銀の橋が架かる。なのはがそっと、その唇を指で拭ってあげて柔らかく微笑むとフェイトは我に返り、頬を染める。
「・・・・・・かえって、汚れちゃったかな」
 フェイトが申し訳なさそうに眉を下げるから、なのははつい頬を弛めてしまう。
「そんなことないよ・・・・・・ほら」
 そう言って取られた手がなのはの胸元に導かれると、フェイトはあっ、と思う。
 自分と同様に彼女の鼓動もまた、高鳴っていたのだから。
 そうして、互いの魂が、共振を始める。
 その波に、いとも簡単に飲み込まれそうになるが、フェイトはその誘惑に耐える。
 どうしても、彼女に伝えたいことがあったから。
「なのは、ごめんね・・・」
 もぉ、フェイトちゃんってば謝ってばっかり・・・、となのはは少し頬を膨れさせる。
「私、ずっとなのはに守られてばかりだったんだね。自分でなのはのこと守るなんて言っておいて、駄目だね私。・・・・・・何にもわかってなかった」
 戸惑ったような表情を見せるなのはにフェイトは続ける。
「今度こそ、・・・私がなのはのこと守るよ。・・・・・・守らせてほしいんだ」
 そう言って、抱きしめる。
 最初は驚いたように小さく肩が跳ねたが、なのはもまた、フェイトをぎゅうと抱きしめた。
「ちゃんと・・・出来ないかもしれないけど、なのはの寂しさや悲しみ、少しでもいいから分けてほしい」
 囁くように、ゆっくりと一つ一つ言葉を紡ぐ。
「これから先に何があっても、私だけはずっと、なのはと一緒にいるから。絶対に私だけは、なのはの味方だから」
 フェイトは一つ息を吐き出して、呼吸を整える。
「私はなのはのことが―――」
「・・・・・・フェイトちゃん、何を言っているの?」
 フェイトの決意は、彼女の胸から抜け出したなのはの怪訝そうな一言によって遮られてしまう。
「私、寂しくなんてないよ・・・? 私はフェイトちゃんさえいれば、寂しくないし、辛くもない」
 夜空を背にしたなのはの表情を、伺う事は出来ない。
 それでも、少しずつ彼女を取り巻く空気が怒気を孕んでいくのを、フェイトは確かに感じていた。
「・・・・・・どうして、そういうこと言うの?」
 なのはが荒々しく眼前の少女を押し倒すと、フローリングの床に黄金色のツインテールが二発の花火のように広がる。
 その両手が、白く細い首筋へと伸びる。
「フェイトちゃんまで私のこと、そういう目で見るのっ!?」
 突如として吹き荒れ始めた激情と共に、フェイトの首を囲む両手に容赦なく力が込められる。
「違うって言ってっ・・・・・・。言えっ!!」
 薄れゆく意識の途中にあっても、フェイトは決してその表情に苦痛を浮かべることはない。
 これがなのはの背負ってきた苦しみなんだ、とフェイトは思う。
 辛いことを「辛い」と言えない、寂しいことを「寂しい」と思ってはいけない。
 そうしないとみんなが困るから。本当の本当に辛い人が「辛い」って言えないから。心の底まで凍えてしまいそうなほどに寂しい人が「寂しい」って言えないから。
 だから、なのははずっと我慢してきたんだ。
 ・・・・・・本当は自分が一番苦しかったのに。
 きっと、時間が必要なんだと思う。
 これまでの自分を築き上げてきたもの・・・、なのはの場合は半強制的に築かされてきたもの、を否定されてそれをすんなり受け入れられるわけはない。
 少しずつでいい。
 なのはの心の奥底で凍ってしまったものを、あたためてあげたい。
 割れて、壊れてしまわないように。
 これは私にしか出来ないことなんだ・・・なんて、少し自意識過剰だろうか。
 私は、全てを受け入れる。
 私だけが、なのはの本当の感情に、心に触れてみせる。
 やがて、呼吸を妨げていた両手の力は弛み、ぽつりぽつりと零れ落ちた何かがフェイトの頬を濡らす。
 ぼやけていた視界が開けてくると、見上げた先には少女の潤んだ瞳。
「フェイトちゃんなんでしょ? 私のフェイトちゃんなんでしょっ!?」
 縋るようにフェイトへと倒れ込み、その胸に顔を埋める。
 その問いに答えるように、その髪を優しく撫でる。
 そうだよ。私は君だけの、フェイト・テスタロッサだよ。
 怖がらないで。怯えないで。私は決して、君を裏切ったりしないから。
 信じられないのなら、信じられるまで、私のことを試していいよ。
 それが、君の心の平安に繋がるのなら。

 涙と共に心のざわめきも去り、二人並んで空き部屋の壁にもたれて座っていた。なのははフェイトの肩に頭を預けて目を閉じているが、眠っているかまではわからない。フェイトは目を開いているものの、その視線はどこを捉えるでもなく宙を彷徨っている。
 握られた手だけが唯一、二人を繋ぎ止めているのかもしれない。
 まだ、長い夜の途中。
「なのは。・・・・・・これから、どうしようか」
 返答が欲しかったわけじゃない。それはこれからの未来への、漠然とした『何か』から発せられたものだった。それが不安なのか、期待によるものなのかまでは、今のフェイトには判断が付かない。
「・・・・・・わかんない。フェイトちゃんは?」
 んー、そうだなぁ・・・とフェイトもなのはに頭を預けながら目を閉じる。
「・・・・・・逃げようか。・・・・・・どこまでも、二人で・・・一緒に」
 言いながら、何て素敵な提案だろうと自画自賛してしまう。
 二人で、愛の逃避行。
 これが小説やドラマならば、果てに待ち受けるのは不幸な結末が殆どだろうが、私たちは違う。
「うん・・・。いいよ。フェイトちゃんと一緒なら。・・・・・・どこへでも。・・・どこまでも」
 その意志を伝えるかのように、握られた手にきゅっと力が込められる。

 なのはに優しくない世界なら、私はそんな世界に未練はない。

 君が、私だけを必要としてくれるのならば。
 私も、その代償として君以外の全てを捨てよう。

 もう、君は私だけのもの。
 誰にも、渡さない。




   第十話 雷光と烈火と


 ブリーフィングルームには異様な雰囲気が漂っている。
 何故、仲間であるはずの二人は自分たちを裏切ったのか。
 この先アースラはやっていけるのだろうか。
 まさか自分たちに、あらぬ疑いが掛けられたりはしないだろうか。
 それぞれに不安を抱えて、口を開けば言葉になってしまいそうなので、誰もが押し黙っていた。
 付き合いの長い同僚であるはずなのに、まるで皆、赤の他人のようであった。
 そんな中、八神はやては思う。自分なんて、所詮この程度なのだろうか、と。
 自分の命の恩人である親友たちを助けるために、出来うる限りの最善を尽くしたはずなのに。その結果がこの現状、である。
 結局、あの二人のために自分に出来ることなど何も無い、自分では何の力になってあげることも出来ない。つまりは、そういうことなのだ。
 ―――悔しい・・・。
 握った拳が、震えていた。
 情けない、役立たずの自分への怒り。
 この、二年あまりという時間は何のためにあったのか。
 管理局に所属して、少しずつ自分たちの力だけで事件を処理出来るようになって。ちょっとだけ自信も付いてきたところだった。
 ようやく自分でもちょっとくらいは二人の力になってあげられそうだ、と。
 ・・・・・・それなのに。
 それは何という、思い上がり。
 何という、無力さ。
 一家が揃えば、無敵なんじゃなかったのか。出来ないことなんて・・・。
 これも、家長たる私が無能だからだ。
 ・・・・・・殺してしまいたいほどに、自分が憎い。
 ふと、震えだした肩を優しく叩かれる。
「・・・ロッサ」
 見上げると、いつもは飄々としている優男が心配そうな表情で私を見ていた。
「はやて、あまり自分だけで背負い込まない方が良い。・・・・・・これは君だけの責任じゃない」
 いつの間にかクロノ君もいる。
 と、いうことは始まると言う事か。この事件の真相の説明が。
 ・・・・・・しかし、それに必要なはずの人物が足りていない。
「・・・・・・ユーノ君は?」
 無事だとは聞いていたが、ひょっとして怪我でもしたのだろうかと不安になる。
 それにリンディ提督の姿も無い。
「ユーノと騎士カリムそれに提督は、聖王教会に今回の事件の説明に行っている」
「・・・・・・どういうこと?」
 怪訝そうな表情を見せてもクロノ君は私の疑問には答えずに続ける。
「人数は揃っているようだし、始めよう。あちらでも既に始まっている頃だろう・・・」



(第十話 ② に続く)


スポンサーサイト
拍手する

テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

FC2カウンター
プロフィール

高町屋

Author:高町屋
高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

↓↓↓リリカルなのはの二次創作、同人活動をしている方、マイミク/マイピク募集中です。お気軽にどうぞ♪mixi pixiv Dolce

≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

カレンダー
10 | 2017/03 | 11
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
pixiv
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
ブログランキング
FC2ブログランキング
サイトについて
※高町屋は「健全系」小説・漫画サークルを自称しています。本サイトでは成人向けは取り扱っておりませんが、なのはとフェイトがとてもとても仲良くするような表現が多々見られますので、そういったものはちょっと・・・という方は、ご覧になるのをお控えになったほうがいいかもしれません。
カテゴリ
リリカルプリキュア(2)


【長編】魔法少女リリカルなのはNightmare(59)
  第十三話
  第十二話
  第十一話
  第十話
  第九話
  第八話
  第七話
  第六話
  第五話
  第四話
  第三話
  第二話
  第一話

SS(7)
  ぷろぽーず ぱにっく!⑦
  ぷろぽーず ぱにっく!⑥
  ぷろぽーず ぱにっく!⑤
  ぷろぽーず ぱにっく!④
  ぷろぽーず ぱにっく!③
  ぷろぽーず ぱにっく!②
  ぷろぽーず ぱにっく!①
(ViVidとForceの間?/なのは、フェイト、ヴィヴィオ)
  きねんび(後編)
  きねんび(前編)
(A's/なのは、フェイト)
  じぇらしー
(ちゅーなの/なのは、フェイト)
  わたしのままとまま
(StS/なのは、フェイト、ヴィヴィオ)
  わがまま
(A's/なのは、フェイト)
  ぱぱ?
(StS/なのは、フェイト、ヴィヴィオ、機動六課)

漫画(22)
  勉強会⑦+⑧
  勉強会⑥
  勉強会⑤
  勉強会④
  勉強会③
  勉強会②
  勉強会①
  わがまま
  今は反省している。
  休日の過ごし方②
  休日の過ごし方
  戦場では一瞬の判断の遅れが死を招くんだ!
  共働きの核家族でありがちな風景
  間接キス⑤+⑥
  間接キス④
  間接キス③
  間接キス②
  2時間15分59秒。
  たしなみ
  虫刺され?
  またふーふー
  ふーふー

絵(20)
  ぜくしぃ!
  40000hit記念!!!
  ViVid連載開始記念!
  高町なのはで表情練習
  甘えんぼなのはさん
  SAI購入記念?
  10000hit記念!!!
  らくがき11
  あけましておめでとうございました。
  メリクリ②
  メリクリ①
  らくがき10
  らくがき9
  らくがき8
  らくがき7
  らくがき5
  らくがき4
  らくがき3
  らくがき2
  らくがき1
リンクについて

※当ページはリンクフリーです。バナーは以下のものを使用してください。

(http://takamachiya.web.fc2.com/banner.jpg)

リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

NxF Union

当サイトは『NxF Union -なのフェイ同盟-』を応援しています。

BBS&別館

bbs
bekkan

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。