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第十二話「試練の果てに」①

来週のリリカルマジカルの新刊についてです。
今回のタイトルは 『Sacred Slumber』 になります。
とにかくヴィヴィオが逃げる。ざっくり言うとそんな内容。
A5版か文庫かはまだ未定で、500円にて配布予定です。

叙事詩の③巻は受かってたら夏コミ、
そうでなければ次回のリリマジで出す予定です。

さて、この週末が最後の追い込みなんで、頑張ります。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第十二話「試練の果てに」①
になります。





 フェイトちゃんから逃げ出して、独りになった夜。
 いつものように悪夢に苛まれて、自分を抑えようと必死に苦しみもがきながら、何とか激情の波を通り越して。意識が朦朧としている中で、久しぶりにあの声を聞いた。

『・・・・・・貴女は何を望んでいたの?』
 何だろう。・・・・・・わかんないや。
 でも、一つだけ望むなら。もう私のことなんて、放っておいてほしいな。
 どうしてみんな、私なんかに関わろうとするんだろう。
 そんなのみんなが傷付くだけなのに。悲しい想いをするだけなのに。
『噛み合わないものね。今になって、みんなが貴女に関わってくる。これが七年前なら貴女が歪むこともなかったのに』
 そう、なのかな。過去は、変わらないよ。
『・・・・・・そうだね。貴女がこの試練に選ばれなかったとしても、貴女はいつか、壊れていただろうね』
 何だか声が楽しそう。何が、面白いんだろう。
『面白いものをみせてあげましょうか』
 ぼんやりと頭の中に、自分が意識していないのにイメージが思い浮かぶ。
 その中で、私とフェイトちゃんは戦っていて、一方的に私が彼女のことを叩きのめした後に、彼女のデバイスであるバルディッシュでその胸を貫いて命を奪っていた。
 それはまるで自分の記憶の一部のように思えて、私は恐怖に震える。
 ・・・・・・やめてっ!!
『・・・・・・これは、遠くない未来だよ』
 そんなことない。フェイトちゃんはもう、私のところへは来ないんだから。
 それくらいのことをした。彼女の心を壊すほどに、酷いことを。
『何にもわかっていないのね、あの娘のこと』
 楽しそうなその声は、私の感情を楽しんでいるかのようにも、私のことを馬鹿にしているようにも聞こえる。
『あの娘は貴女が思っているよりも、ずっと強い娘だよ』
 ・・・・・・そう、なのかな。
『フェイトちゃんは貴女を追ってくる。絶対に』
 もう彼女には会いたくないのに、それでも私のことを想って追ってきてくれるかもしれないことを嬉しく思っている自分がいる。
『だって』
 それは、聞きたくない言葉。
『フェイトちゃんは貴女のことが大好きなんだもの』
 やめてっ!!
 そうして、また彼女のことを傷付けてしまうというのか。
『なのに、いつか貴女は、フェイトちゃんをその手で殺してしまう。可哀想なフェイトちゃん・・・』
 どうすればいい? どうすれば、彼女のことを傷付けずに済むの? 殺さずに・・・・・・済むの?
『簡単なことよ?』
 それは、偽りの慈愛。そうだとわかっていても、縋らずにはいられない。
『昔のあなたの望み通り、フェイトちゃんだけじゃなく「全ての人」の幸せを願えばいいの』
 すべての・・・、人?
 ね、簡単でしょう? と同意を求められても、その意味を、理解することが出来ない。
『そして、フェイトちゃんは、「全ての人」の中の一人になるの』
 ・・・・・・忘れろ、ということ? フェイトちゃんのことを?
『それが出来るというのなら、フェイト・テスタロッサのことは助けてあげましょう』
 ・・・・・・本当に?
『ええ。多少の犠牲が必要になりますけどね・・・』
 本当に、フェイトちゃんを助けてくれる?
『ええ。誰かを助けるために、他の誰かを犠牲にする。これからの貴方には良い経験になるでしょう・・・』
 それは、悪魔の囁きであったのかもしれない。

 そして、予言は当たってしまった。
 彼女はまた、私の目の前に現れてしまったのだ。
 いつ力が暴走を始めるか分からないというのに、武器すら持たずに。
『貴女は何を望む?』
 選択肢など無い。
 選ぶべきものは、救いたいものは決まっているのだから。
『さぁ。最愛の者を救うために、その者を心から消し去りなさい』
 フェイトちゃんをこれ以上、私の手で傷付けないように。
 でも、私にはその方法がわからない。
 どうすれば、忘れられるの? 彼女のことを、考えずに済むの?
 忘れよう。そう思えば思うほど、頭の中が彼女のことで埋め尽くされてしまう。
 彼女の色々な表情が、その時の記憶が、幸せだった時間が、蘇る。
 どうして彼女のことを想うと、こんなにも胸が苦しくなるのだろう。


   ◇

 一方的な戦闘が開始してから何度目かになる桜色と金の明滅が起こって爆ぜる。
「な・・・のはっ、力に・・・身を任せちゃ駄目っ!!」
 なのはの砲撃を受け止めながら、フェイトは叫ぶ。
 この距離では恐らく、なのはに自分の声は届いていない。
 何とか砲撃を弾いて、なのはとの距離を詰めようと高速移動を仕掛けるが、彼女の寸分違わぬ正確な射撃に捉えられて、折角詰めた距離を押し返されてしまう。
 素早い動きによる回避から攻撃に転じるというフェイトの戦闘スタイルからすれば、防御で耐えきるのは辛い。それに加えて、対峙するのはいつものなのはではない。
 守護騎士の皆もクロノも、このなのはと戦ったのか・・・。
 アクセルシューターが檻のように綿密に幾十にも重ねられ行く手を阻む。回避に手間取っているとまた砲撃によって距離を開けられてしまう。
 遙か彼方に見える、なのはの瞳には何が映っているのだろう。表情はなく、単純作業を延々と繰り返すように魔法を発動させ続けている。
 それはまるで、全ての現実から目を背けているかのよう。
「なのはっ!!」
 それが許せなくて、感情のままに怒鳴りつけてしまった。
 私のことを好きだっていったくせに、その態度は無いんじゃないの?
 生の感情の乗った声は、なのはの瞳に表情を呼び戻す。
 耐えることの無かった攻撃に、少しだけ隙が生まれた。
 チャンスを逃さず、その穴をかいくぐって一気になのはとの距離を詰める。
「なのはっ! ちゃんと私を見て!」
 なのはは何も答えず、直射砲を放つ。
 また距離を開けられてしまったけど、今の一言は絶対になのはに届いたはずだ。
 これまでよりも威力を増した一撃は、彼女の焦りの現れなのかもしれない。
 何となく、わかったような気がする。
 なのはは敢えて何も考えないようにして、私を意識しないようにしているんじゃないだろうか。
 もし、そうだとするのなら。まずはなのはの視界に入ることから、私を意識させることから始めよう。
 魔力も体力も全然心許なくて不安だった先行きに、少しだけ光が差した。


   ◇

「無事転送完了。流石やね・・・」
 部屋を見回す。ここは・・・仮眠室だろうか。
「さて、ここから・・・だね」
 はやてとユーノはアースラ奪還とアルカンシェル発射阻止の為に乗り込みを掛けたところであった。
 ルカへの二つの頼み事。
 一つはこのアースラへの転送。もちろん、誰にも気付かれないように。
 そして、もう一つは。
「ユーノ君、ホンマにこれちゃんと出来とる?」
「大丈夫だと思う」
「そっか。ええ感じやね、リィン」
『はいですー』
 もう一つは、守護騎士たちに付き添っていたリィンフォースⅡのこちら側への強制転送であった。
 ルカの能力を蒐集したはいいが、蒐集した全ての能力をはやてが扱えるわけではない。異次元からのリィンの召還もそうだが、稀少技能レベルである『憑依』なんて、もはや闇の書への単なるコレクションである。
 今のはやてに使えそうなのは、変身能力くらいのものである。それも、リィンと融合(ユニゾン)してようやく何とかなるというレベル。
 そして、リィンを呼んだ最大の理由は・・・。
「何だ、まだいたのか」
 突然の声に二人の肩が跳ね上がる。見回りが二人のことに気付いたのだ。
「はい! い、今から連行します!」
 はやては咄嗟に機転を利かせて答える。「まだいたのか」はユーノにのみ向けられた言葉なのだから。
 はやての変身は、彼らの仲間っぽく装ったものだった。怪しむ様子もないようなので、本当にそれらしく見えているようだ。
 興味無さそうに部屋を後にする見回りの背中に「す、すいません!」と声を掛ける。
「監禁部屋はどっちですか? 方向音痴なんです・・・」
「はぁ? ここ真っ直ぐ行って突き当たりを左だよ・・・」
 怠そうにそのまま行ってしまった。
「はぁ・・・びっくりしたぁ・・・」
 背中が見えなくなるのを待って、胸を撫で下ろすはやて。
「急ごう、多分もうそんなに時間がない」
 連行される方に促されるのも、変な感じだなとはやては思う。
「まだ残ってました。お願いします」
 部屋の前には門番らしいのが一人。声を掛けると何ら怪しまれることなく、扉が開かれる。
 姿を変えるだけで、ここまで人は騙されるものなのかと、その単純さに少し呆れてしまう。
「入れ・・・・・・ぐむぅっ!!」
 そのままバインドで拘束して部屋の中へと押し込む。突然のことに、門番は為す術もない。
「みなさんご無事ですかっ!」
 いるはずのない人物の登場に、拘束されていた者たちは皆、目を丸くしている。
「ユーノさん・・・。そちらは?」
 ユーノの後ろに立っているのは知らない者からすれば、自分たちを監禁しているうちの一人である。
「はやてです。ちょっと変装を・・・」
 言いながら、リンディに施されたバインドを解く。
「どうやって・・・ここに?」
「そんなことより、アルカンシェルはどうなってますか!」
 そこまで知っているのか、と驚くリンディだったが、それなら・・・と説明を一気に省略して本題に入る。
「あと五分ほどでチャージが完了してしまうわ」
「そんなっ・・・」
 もう殆ど、猶予は無い。
「貴様ら、何をしているっ!」
 現れた増援にバインドから解放されたリンディは容赦ない攻撃を浴びせる。
「ここは私に任せて、あなたたちは早くブリッジへ!!」
 リンディは入り口を出て、ブリッジへの道を、身体を張って封鎖する。
「はいっ!」
 その後ろを二人は急いで駆け抜けていった。
 あと、五分。

 破滅の一撃が、親友に向けて放たれるまで、あと、五分。




(第十二話 ② に続く)


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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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