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第十二話「試練の果てに」③

リリマジ13、お疲れ様でした。
今回の新刊『Sacred Slumber』ですが、
現在とらのあなさんに委託申込中です。
4月には始まると思いますが、開始したら
またここでご報告させて頂きます。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第十二話「試練の果てに」③
になります。





   

 なのはがこれまで必死に抑えてきた魔力も、段々と暴走に歯止めが利かなくなってきているようだ。
 不気味に宙に浮かぶ桜色の光球たちは消えたり現れたりを繰り返している。
「なのは大丈夫!?」
 近づく私を、なのはは睨み付ける。
「その声で私を惑わさないでっ!!」
 直撃はもう何度目になるだろう。シールドでも防ぎきれずに、地面へと叩き付けられる。
 痛覚が麻痺してきたのは助かるけど、私の魔力も底を突きかけている。
 飛行するための魔力は残しておかないと、近づくことすら出来なくなる。シールドにかける魔力をだいぶ絞っていたんだけど、もうシールド自体を諦めないとダメかな・・・。
「本物のフェイトちゃんは、とっても臆病なの! いつも、私に嫌われるんじゃないかって、私の顔色伺って・・・」
「そう・・・だよっ! 今・・・だって・・・すっごく怖い!!」
 上手くバランスを保てない身体を何とか立ち上がらせて、私はまた彼女の待つ空へと飛び上がる。
「なのはに嫌われたらどうしようって考えたら、身体が震える・・・。いつも、なのはが微笑んでくれるまで不安でしょうがないんだ・・・」
 でも、変わらなきゃいけない。
「でも、それじゃダメだってわかったから!」
 変われる。変わってみせる。
 君のためならば。
「私、ちゃんとなのはのこと・・・」
「いやっ! 聞きたくないっ!!」
 どれだけスピードに任せて逃げても、ジリ貧で結局は追い詰められる。
 ここにきて、シールド無しの直撃はちょっと堪えるな・・・。
「・・・・・・私、ちゃんと・・・なのはのことを信じる!」
 伝えたい。
「私がなのはのことを信じている限り、なのはは私のこと嫌いにならないって信じるよ!」
 伝えなきゃいけないから。
「私、いつもなのはに甘えてばかりで、なのはに何も返してなかった・・・」
 想いを全て彼女に伝えない限り、私は絶対に倒れない。
「私は、なのはと同じ場所に立ちたいんだ」
 ずっと、私は君の後ろで守られていたから。
「なのはが私にしてくれたみたいに、・・・・・・私も、なのはが間違ったことしてる時は、ちゃんと正面から向き合う! ちゃんとなのはのことを叱るから!!」
 まだ無理かも知れないけど、いつかはちゃんと君の前に立って、君を守ってあげられるくらいの、かっこいい騎士になりたいな・・・。
「・・・・・・くっ!」
 なのはが表情を歪めると、大地が震え始める。
 彼女の周りの光の球も数を増し、一気にその体積を増やす。
「来ないでっ!!」
 近づこうとする私になのはは叫ぶ。攻撃は、してこなかった。
「もう・・・貴女なんていらないの! 私のっ・・・こと・・・なんて・・・放っといて!!」
 頭を抱えながら、荒い呼吸を繰り返す。
「嫌だっ! なのはのこと一人にしておけないよっ!!」
 これから先もこんな風に一人で苦しみ続けなければならないなんて、そんなの辛すぎるよ。
「・・・・・・私はっ! 貴女なんていなくたってっ・・・、独りでも生きていける! 生きてみせる!!」
 それはきっと強がりなんかじゃなくて、なのはなら出来るんだと思う。
「なのはのばかっ!!」
 でも私はそれがなのはの本心だとは思わない。
 そんな悲しそうな瞳で、震えた声で言ったって、信じられるわけがない。
「どうしていつも、そうやってっ! 誰かのために自分を傷付けるの!?」
 それがなのはの優しさだって、本当はわかってる。
「嘘付かないで。そうやって悲しいこと言って、自分を閉じ込めちゃだめだよ」
 私、わかるんだよ、なのは。自分も・・・・・・そうだったから。
 なのは、強がってる。
「逃げちゃだめっ! 自分の中にある孤独と向き合って!」


「独りでいいんだって、思わないで!!」
 ・・・・・・どうして、貴女にはわかってしまうんだろう。
 どうして貴女は私以上に、私のことを知っているんだろう。
 ずるいよ。貴女はいつもそうやって、私のことを惑わせるんだ。
 さっき固く心に決めた、その決意さえ、いとも簡単に揺るがすほどに。
「なのはは独りじゃないっ!」
 ほら、またそうやって。私の心の中に入ってくる。
「私がいるでしょ!! ずっと・・・・・・君の側にいたでしょ!!」
 ・・・・・・そう。貴女と出会ってから。
 私が寂しかった時、一緒にいて欲しいと思った時、いつも貴女は側にいてくれたよね。
 暗闇に震える夜も、貴女と一緒なら怖くなかった。
 目覚めた朝も、貴女が隣にいれば最高の一日になった。
「何でか知ってるくせに!!」
 ・・・・・・知ってたんだ。本当はずっと前から。
 でも気付かない振りしてた。
 わからなかったから。距離の取り方が。
 初めて大切になった人と、どうやったらずっと一緒にいられるのか、私の側に、私の心に繋ぎ止めておけるかがわからかったんだ。
「ずっと悩んでた・・・。私がなのはに頼るくらい、なのはは私のこと頼ってくれてるのかなって。・・・・・・私じゃなのはの力になってあげられないのかなって」
 そんなことない。
 貴女がいてくれたことで、私がどれだけ救われていたか。
 貴女の笑顔が、私の明日を輝かせてくれた。
 私はもう、ずっと貴女という存在に頼っていたんだよ。
「寂しいときは、辛いときはそう言って! 言えないなら、そういう顔をして! 私、絶対側にいる、なのはの気が済むまで絶対になのはから離れないから!」
 ダメだよ・・・。もう、私たちは一緒にいちゃ・・・いけないんだよ。
「君の教えてくれた魔法は、絶対に君のことも救ってあげられる」
 ・・・・・・?
 私が・・・貴女に教えた・・・・・・魔法?

「何度でも呼ぶから、君の名前を!!」

 貴女の言葉に、始まりの記憶が蘇る。

『簡単だよ・・・・・・友達になるの、すっごく簡単。なまえをよんで! 初めはそれだけでいいの』
『・・・な・・・のは・・・・・・』

 覚えていて・・・くれたんだね。
 あの瞬間。貴女は、応えてくれた。
 あの時、私は決めたんだ。
 たとえ、何があっても貴女の側を離れないと。
 あなたとともに、生きていくと。

 貴女を、守りたい。・・・・・・守るから。
 ずっと・・・、いっしょにいても・・・いいですか。

 ―――なのは。

 ・・・・・・フェイトちゃん!!



「ふぇ・・・い・・・と・・・・・・ちゃ・・・ん」
 なのはの動きが、止まった。
 彼女の周りの光の球は瞬く間に小さくなって霧散し、続いていた地震もぴたりと治まった。
 ここだ、と思った。
 声が、聞こえた気がした。彼女の、声が。
 何の根拠もないけれど、ずっと一緒にいたから、わかる。理由なんて、それで十分だ。
 なのはは、私を呼んだんだ。私のことを、求めてくれてるんだ!
 ・・・・・・今、行くから。
 君が名前を呼んでくれる限り、私はいつだって貴女の下へと飛んでいくから!!

「なのはっ! 好きだーーーーっ!!」

 初めて触れる、なのはの唇の柔らかさ。温度。息づかい。
 言葉だけじゃきっと、全てを伝えられないから。
 この一瞬の触れ合いに、全てをのせて。
 君へと、届いて。

 突如として、なのはから放たれた目映い光はフェイトもろとも、世界を呑み込んだ。




   第十二話 試練の果てに



「・・・・・・フェイトちゃん?」
「・・・・・・なのは?」
 それは、夢の中にでもいるようなふわふわとした感覚。
 なのははそんな暗闇の中にぼんやりと佇んでいた。
「ありがとう、フェイトちゃん」
 なのはは胸に両手を当てて、そう言った。大切な何かを胸の奥に大事にしまい込むように。
「フェイトちゃんの想いは、ちゃんと・・・貰ったから」
 長かったなぁ・・・、届くまで。本当に、長かった。
 きっとこれが数年間お互いに気持ちを誤魔化し続けてきたことのツケなんだろうと思う。
「帰ろう、なのは。みんなが待ってる」
「でも・・・、いいのかな」
 素直にうん、と言えないのも無理はない。
 でも、大切なのはそういうことじゃないから。
「いいとかわるいとかじゃないよ、なのは」
 えっ? と見つめてくるなのは。
「なのはがいきたいかどうか、だよ。私と、一緒に」
「フェイトちゃん・・・」
 その想いさえあれば、他に問題なんて何も無い。
「私は、なのはと二人で生きていきたい」
 君も、私と同じ想いだと、信じているから。
「だから行こう、私と一緒に」
 私は、彼女へと手を伸ばす。
 あの時、彼女が差し出してくれた手。
 私を救ってくれたその手を求めて。
 なのははゆっくりと頷く。
 おずおずと手を伸ばし、私の手を握ってくれた。
「ずっと、離さないでね・・・」
 その瞳に宿る不安を振り払うように、私はその手を強く握りしめた。

 そして、暗闇だけの世界は光に包まれた。




(第十二話 ④ に続く)


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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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