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第十三話「あなたと、ともに」①

締切終わって、イベント終わって。
一番気が抜けるこの時期に原稿に取りかかれれば
最高なんだけど、それが出来るならもっと昔から出来てるよな、
なんて考えながら、気が付けば四月も終わってるんだろうな。

ということで『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第十三話「あなたと、ともに」①
になります。




 なのはに関しては古代遺産の影響の徹底的な調査。
 フェイトに関しては限界を超える重傷と疲労の蓄積。
 そして共通して、魔力のエンプティ。
 個別に集中治療室に入れられた二人は一週間以上眠り続け、互いに導かれるようにほぼ同じ時間に目覚めた。
 しかし、目覚めた時にお互いの姿はそこになくて。
 なのはは一日の殆どを検査に費やしていたので、抜け出すことが出来なかったが、目が覚めてからは療養するしかすることがないフェイトが真っ先に何をしたかといえば。
 それは、聞くのが野暮というもので・・・。
「聞いてますかっ!?」
 静かに、と注意すべき人が上げた大声に二人の肩が跳ねる。完全にお互いのこと以外、意識に入ってない。
「いいですかっ!! 二人とも絶対安静!! 特にフェイトちゃんはなのはちゃんのこと振り回さないことっ! そもそも今の貴女だって出歩いて良いような状態じゃないんですからね! なのはちゃんもちゃんと休むこと!! いいですねっ、約束出来ますねっ!?」
「「はーい・・・」」
 問診に訪れた看護師さんに、叱られながら釘を刺される。
 まだ何もしていないのに、と膨れる二人。
 とはいえ、ことフェイトに関しては前科があるから仕方ないのだが、本人にその自覚はまるでない。
 出て行ったことを確認して、ほっと一息。
 お互いにちょっとだけ頬を染めながら、はにかんで見つめ合う。
 どうしてだろう、いつもよりドキドキする。
 大丈夫だよね、ってフェイトが握っている手に少しだけ力を込めると、なのはも優しく握りかえしてそれに応える。
 それがくすぐったくて、自然と笑みが零れる。
「・・・・・・おかしいね。話したいこと・・・あるのに・・・・・・全然・・・」
 フェイトの言葉が途切れる。
 なのはがきゅっ、と背中に手を回して、その胸に顔を埋める。
「・・・・・・今はこうしていたい。・・・・・・それだけで、いいから」
 だめかな? と見上げるなのはに、フェイトはその頭を優しく抱いて応えた。

 焦る必要なんてない。
 本当に言うべき事ならば、いつかその機会は訪れる。
 今は、触れ合うことで、全て分かり合えるから。

 優しい時間が、ゆっくりと流れる。
 心が離れていた時間を取り戻すように、飽きることもなく、ただずっとそうして、お互いの鼓動を感じていた。
 こんこん、とそんな二人に水を差す来訪者。
 どうしてこのタイミングで来るかなぁ、と二人はぶすっとして距離を取る。
 視線で、「また後でね」って確認。
 はーい、と答える声は不機嫌そのもの。
 しかし、入ってきた二人組に、なのはの背筋がびくんっ、と伸びる。
「あー、そのままそのまま。今日はただのお見舞い、ですから」
 敬礼をするなのはをなだめたのは、眼鏡をかけた人の良さそうな初老の男。若い頃はさぞかし女性に持て囃されたに違いないであろう美貌の名残が伺える。
 そして、その後ろで頷いて見せる男は、先に入ってきた人物に比べると随分若い。見た目だけなら三十代前半といったところか。無精ひげを生やし、少し無骨っぽい印象を受ける。
 フェイトは首を傾げる。
 なのはの敬礼から局の人間であることはわかるが、一体どういった組合せなのか。相手が私服なので色々と判断が付かないが、どこかで見たことがあるような気もする。
「た、高町なのは三等・・・・・・」
 そこまで言って、なのはは一度言葉を呑み込む。
「高町なのはです!」
 その意味を彼らも理解したのだろう。二人は顔を見合わせて、軽く笑みを漏らす。
「大丈夫。貴女の肩書きはそのままですよ」
 フェイトは目の前の光景に驚く。
 用意されている一つの椅子に腰を掛けたのは初老の男ではなく、若い男の方であった。
『なのは、なのは』
 隣に立つフェイトは念話で『どういう人たちなの?』と囁きかける。
 なのははえっと・・・、と少し気まずそうに答える。
『教導隊の隊長さんと、副隊長さん・・・』
「えぇっ!?」
 思わずフェイトは声を上げてしまう。なるほど、なのはが畏まるのも頷ける。
「どうかしましたか?」
 男二人のきょとんとした視線に晒されて、フェイトは赤面して俯いてしまう。
「えっと・・・、私、席外した方がいいですよねっ! すみませんっ、気が利かなくてっ!!」
「ちょっ・・・、フェイトちゃん!?」
 そのまま脱兎の如く、部屋から出て行ってしまった。
 暫しの沈黙の後「すみません・・・」となのはが謝ると、「お気になさらずに」と微笑まれてしまった。
(もぉ、フェイトちゃんのばか・・・)
 こんな時こそ、側にいてほしいのに・・・。と内心ぶすっとする。
「今回の件は、とんだ災難だったな・・・」
 隊長が初めて声を発した。低くずっしりと響いて、聞く者の耳に残る声だ。
「いえ・・・」
 どう答えていいかわからずに、何となくはぐらかすような感じになってしまう。
「まさか局が、ここまで腐っていたとは思わなかった・・・」
 すまなかった、と頭を下げる隊長に、なのはは慌てる。
「そんなっ、別に・・・隊長さんが謝ることじゃありませんよ・・・」
 頭を上げてください、というなのはに従った隊長はそれでもまだ険しい表情をしている。
「・・・・・・やはり、ここを去るつもりなのか?」
 その質問に、なのはは押し黙ってしまう。
 愚問かもしれない、と思う。彼女がここに残るべき理由など、あるわけがないのだから。
「本当はまだオフレコなんですが、今回のことで貴女が罪に問われることはありませんよ」
「・・・・・・えっ」
 なのはの驚く表情に、初老の男は微笑んで続ける。
「詳細はいずれ、貴女のよく知る人たちからお聞きになるといいでしょう」
 私が喋ったということは秘密ですよ? と、ぱちり。ウィンクまでして見せた。
「・・・・・・その上で聞く。ここに・・・、局に残るつもりはあるか」
 なのはは頷き、たどたどしく語り出す。
「局の全ての人が、悪い人じゃないって・・・、わかってますから。現に、隊長さんたちみたいな人も、いるわけですし・・・。それに・・・」
 それでも最後だけは、元々考えていたことなのか、すらりと言葉が出てきた。
「私の叶えたいことは、ここで叶えるのが一番近道だと思いますから」
 そうか、と隊長はその答えに少し安心しているように見えた。
「・・・・・・単刀直入に聞こう」
 その視線をもって、真剣に見つめられると、威圧感が凄い。これが踏んできた場数の違い、というものなのだろうか。
「うちに、・・・・・・教導隊に、来ないか」
 真剣な隊長とは対照的に、なのははきょとんとしている。
「我々は、君の力を必要としている」
 更に、君さえよければ復帰後すぐにでも入隊出来る準備があるとか、君の護衛も兼ねた措置だとか、その他諸々好条件を提示しているのに、なのははと言えば何の反応も見せない。
「・・・・・・悪い話ではないと思うが」
 それでもなのはは暫く沈黙を続け、ようやく重い口を開く。
「・・・・・・申し訳ありませんが、・・・・・・今は、お断りします」
 ごめんなさい、と頭を下げる。
「よろしければ、理由を伺えますか?」
 隊長に代わり、副官が尋ねる。
「教導隊に入ることは、私の夢です。今回お誘いいただけたことも本当に光栄に思っています。でも・・・、今はまだ、その時じゃないと思ってるんです」
 沈黙を以てその先を促され、なのはは続ける。
「その前に、やらなきゃいけないことが、ある気がするんです。そのことに向き合って、ちゃんと自分の中で納得して、次に進みたいんです。本気で夢に向かう時は、ベストな自分でいたいから・・・」
「・・・・・・狭き門を、敢えて選ぶと?」
 なのはがはっきりと頷くと、隊長はふっと笑みを漏らした。
「なるほどな。噂通りの人物だ」
 それを見て、きっと呆れられたんだろうな、となのはは思う。
「・・・・・・邪魔をしたな。ゆっくりと、傷を癒すと良い」
 立ち上がる隊長に、ひょっとして機嫌を損ねてしまっただろうかと不安になる。
「大丈夫、こんなことくらいで隊長は怒りませんよ」
 そんな彼女の心中を察したのか、初老の男は笑顔でフォローを入れる。
 それどころか、と続ける。
「貴女のこと、かなり気に入ってるんですから」
 大きな咳払いに、副隊長は肩を竦めて見せる。
「それでは、貴女の入隊をお待ちしていますよ」
 そう言い残して、不思議な組合せの二人は部屋を出て行った。
「・・・・・・はぁ~~っ。きんちょうしたぁ~~~」
 緊張が解れたなのはは、ぐったりしながら思い切り深い溜息をもらした。
「早く戻ってきてよー。フェイトちゃんのばか・・・」


 廊下を歩きながらふぅ、と肩から力を抜くと、隣を歩く副官が笑みを漏らす。
「珍しく、緊張してらっしゃいましたね」
「・・・・・・何と言っても、相手は『聖王陛下』だからな」
 さっきまで目の前にいたのは、世が世なら世界を統べる存在、そしてその器を持つ人間なのである。それが僅か十一歳の少女、というのも空恐ろしい。
「彼女になら、安心して隊を任せられる」
 実際に話してみて、『想像通り』と言うべきなのか『それ以上』と言うべきなのか、判断に迷う。
「・・・・・・そこまで考えていましたか」
 驚いてみせるものの、彼もまた同意見であった。
「ラルゴの旦那のお墨付きときてるしな」
 三提督の一人、武装隊栄誉元帥ラルゴ・キール。彼もまた、この件については、非公式ながら言及していた。
「世間的な非難ですら、彼女なら実力でねじ伏せてしまうでしょうしね」
「あぁ。見ていて爽快だろうよ」
 彼女なら・・・いや、彼女たちならば、歪みきったこの組織を変えられるかもしれない。それならば、自分たちもせめてその足場くらいは作ってやらねばなるまい。・・・・・・なんて真面目なことを考えている脇で、副官は話題を別な方向に持っていく。
「彼女がもう十年、早く生まれていればよかったですね」
「・・・・・・何を」
「好きでしょう? 彼女のような心の持ち主が」
 含みをもった笑顔を向けられ、これだからこの爺は・・・、と隊長は思う。・・・とは言え。
「・・・・・・嫌いではない」
 突然、二人の背中に凍るようなぞわりとした感覚。振り返るとさっきまで彼女の側にいた、金髪の少女が。
「・・・・・・あぁ、君か」
「お帰りはお気を付けて・・・」
「ご丁寧にどうも・・・」
 そう言って去った彼女の背中を見送って、隊長は首を傾げる。
「何かしたか、俺ら?」
 彼女は笑顔を見せていたが、その裏にある殺気までは隠そうとしていなかった。
 それに気が付かない、二人でもない。
「・・・・・・隊長、夜道にお気を付けて」
「・・・・・・わけがわからんぞ」




(第十三話 ② に続く)


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高町屋は「魔法少女リリカルなのは」の二次創作を行う創作集団です。【Since 2008.11】

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高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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