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第十三話「あなたと、ともに」④

雨が酷くてだいぶ行くかどうか迷いましたが、
都産祭に行ってきました。
アイマスがだいぶ賑わってましたね。

さて、次回が最終回。
『続きを読む』より、
魔法少女リリカルなのはNightmare
第十三話「あなたと、ともに」④
になります。




   

 来客を待つアリサは、冷静を装いながらも、内心そわそわしていた。
 今日くらいは素直な自分でいたい。そして、何があっても受け止められる寛容な自分でありたい。
 でも、出来るだろうか。いつも感情の赴くままに行動している自分に、そんな器用なことが。特に、あの二人がいちゃつき出した時の心のざわめきは抑えようのないほどに、私の中で暴れ出す。
 隣に座るすずかに、アドバイスでも貰おうか。彼女はいつでも冷静で、感情に流されることもない。自分とはまるで反対の性格をしているから。
 でも、何て聞いたらいいの? どうしたら素直になれますか、なんてそんなこと恥ずかしくて聞けるわけがない。幾ら何でも、恥ずかしすぎる。その更に隣に座っているはやてに好奇の目で見られるに決まってるんだから。
 すずかはジョンソンと仲良く戯れている。その笑顔が眩しい。
 ・・・・・・どうしたらすずかともっと仲良くなれますか? って、それ違う!
 ぶんぶんと首を横に振っていると、ばっちり目が合ってしまった。
「どうしたの、アリサちゃん?」
 すずかが首を傾げると、顔がどんどん紅潮していくのが、自分でもわかった。
「な、何でもないわよっ!」
 ぷい、と横を向いてから、しまった・・・と思う。
 ・・・・・・これでは、先行きが不安だ。
 そんな心境のまま、こんこん、とドアがノックされた。
「アリサお嬢様、なのはお嬢様とフェイトお嬢様をお連れ致しました」
「・・・・・・どうぞ」
「お邪魔しまーす・・・」
 促されて入ってきた二人は何だか恐る恐るといった感じ。
「ではお茶をお持ちしますね」
 メイドが部屋を出て行くと、何とも微妙な雰囲気に包まれる。
「久しぶり・・・」
 お互いにそれだけを言って、その後の言葉が無くなってしまう。
「まぁ、・・・・・・仲直り出来たみたいで、何よりよ」
 二人のしっかりと繋がれた手を見て、何とか沈黙を破ることが出来た。初めて二人の仲の良さに感謝してもいいかなと思えた。
「・・・・・・ありがとね」
「まぁ、とにかく、座りなさいよ。立ってられると何だか落ち着かないわ」
 メイドがお茶を持ってくるまで、また暫しの沈黙。
 いつもなら、会話に華が咲いているところなのに、今日はそれを待っていたかった。
 ジョンソンもいつもと違う雰囲気を察したのか視線が主人と友人を行ったり来たりしている。
「で、話って何よ?」
 お茶を持ってきたメイドが出て行ったのを見届けて、切り出す。
 用件なんて大体察しがついてるけど、一応聞いてみる。その方が、言いやすいだろうし。
 なのはとフェイトはお互い視線を合わせて、うん、と一度頷く。
「アリサちゃん、すずかちゃん」
 その声は思いの外、しっかりしていた。
「心配させちゃって、色々酷いこと言っちゃって、ごめんなさい」
 そう言って深々と頭を下げられた。
 そんなに畏まって謝られると、何というか、反応に困ってしまう。
「そんな・・・、私たち、別に気にしてないよ・・・。ね、アリサちゃん?」
 すずかに振られて、私は焦る。
「そ、そうよっ・・・。話聞いたら、あんたも被害者だったって言うじゃない。むしろ無事でよかったわ・・・」
 本来ならば、彼女が謝る必要なんて全くないのに。それが彼女らしいと言えば、彼女らしい。
「ありがとう、アリサちゃん、すずかちゃん」
 微笑まれると何だかどきっとする。すずかは「身体は大丈夫なの?」とか気の利いたことを言っているけど、私は何だか気まずかった。
「・・・・・・そんなことよりもっ!」
 なのはと一緒に頭を下げた、天然少女をびしっと指差す。
「フェイト、何であんたが謝ってんのよっ!?」
 え? と首を傾げる。何でそんなこと聞くの? と言わんばかり。
「だってほら、なのはのミスは私のミスみたいなものだから」
 しれっと言ってのけるフェイト。
「フェイトちゃん・・・」
「なのは・・・」
 ごごごごごごごご・・・。
 思わぬ地雷を踏んでしまった。
 静まれ、静まれ私。
 そう言い聞かせて、咳払い。
 二人もそれに気付いてくれて、ちょっと恥ずかしそうにしていた。
 ・・・・・・これくらいなら、何とか耐えられる。
「おぉ、今日は頑張っとるな、アリサちゃん」
 茶化すはやてを、キッと睨みつける。
 それから後は、なのはとフェイトがいなかった間の学校の話とか、すずかの猫屋敷とアリサの犬たちの近況、そんなとりとめもないことを話して過ごした。そんないつもの昼下がりも数ヶ月ぶりともなれば、流石に懐かしさも沸いてくる。
 ふと、思い出したようにすずかが切り出す。
「そう言えば、二人がどうやって仲直りしたのかって、聞いても・・・いいかな?」
「大丈夫だよ。えーとねー・・・、どこから話したらいいかなぁ、フェイトちゃん?」
 なのはとフェイトが相談を始めると、はやての眉間に皺がよる。明らかに表情が、これから良くないことが起きることを暗示している。
「えっと・・・まずかった?」
 それに気付いて、すずかは小声で尋ねる。
「いや、まずいことないんやけど・・・」
 ちらりと横目で、アリサのことを一瞥する。
「アリサちゃんが、どうかしたの?」
「いや、折角今日は頑張って我慢しとるのに、ここいらが限界かなって・・・」
 どういうことかとアリサを見ると、一体どこに焦点が合っているのか、一点を見つめたまま、石のように固まっていた。
「もうフェイトちゃんってばー。そこは私が悪かったんだってばー」と、手を握る。
「そんなことないよ。なのはは何でも自分のせいにし過ぎなの!」と、髪を撫でる。
「だって・・・、そうしないとフェイトちゃんに甘えちゃうもん」と、そっと太腿に手を乗せる。
「だーかーらー、なのはは私にだけは甘えていいの! いつも言ってるでしょ?」と、頬に触れる。
「だめだよフェイトちゃん。だって・・・」
 むぅ、と頬を膨れさせて、なのははフェイトにそっと耳打ちする。
『フェイトちゃんに優しくされると、フェイトちゃんのことぎゅーってしたくなるんだもん・・・』と。
 囁かれた耳元から、フェイトちゃん着火。
「・・・・・・べ、別にいいよっ! な、なのはがしたいならっ。私は、いつでもっ!」
 その台詞だけを聞いたら、あらぬ誤解を受けることは必至。でも、閉じられた世界にいる二人はそんなことに一切気付かない。
「だ、だめだよ・・・。みんな見てるのに、そんなの恥ずかしいよ・・・」
 小声で言ったところで全て丸聞こえである。
 もはや、収拾は不可能か。
 ごごごごごごごごごごご・・・。
 辛抱だ、ここは耐えるんだ。
 今日くらいは堪えてみせるっ・・・!
「じゃあいいよ。私がしてあげるから」
 ぎゅうとなのはのことを抱きしめる。
「え、ちょっ、フェイトちゃん!?」
 辛抱・・・、出来るかーーーーっ!!
「帰れーーっ!!」
「あ、アリサちゃん!?」
「アリサ?」
 叫ぶアリサに二人は目を丸くする。
「あんたたちなんかっ、あんたたちなんかっ、一生許してやんないんだからっ!!」
 肩で息をしているアリサをすずかが宥める。
 さてと、とはやてが立ち上がった。
「そろそろええ時間やし、私もお暇するわ。すずかちゃんは?」
「んー、私はもうちょっとだけ」
 そっか、とはやては安心する。この状態で一人残されてはアリサも堪らないだろうから。
「ほーら、さっさと帰るよー。もたもたしとったらアリサちゃんに噛み殺されてまうでー」
 はやてに急かされながら、ドアまで追いやられる。
「ほんならな」
「また学校で」
「ごめんねアリサちゃん! フェイトちゃんにはよく言っておくからっ! って、はやてちゃん押さないでよー・・・」
 ばたん、とドアが閉じられると急に部屋の中が静まりかえる。
 何だか、嵐がさったみたいだ。
 それはそれでちょっとだけ寂しく感じてしまうのが少し悔しい。
「ったくホントにあの子たちはっ!! ・・・・・・って、すずか!? 何であんたは泣いてんのよっ!?」
 今までそんな素振りも見せてなかったから、私は思い切り動揺してしまう。
「・・・・・・ごめんね。みんな・・・元通りになれて、・・・本当に、良かったなぁって」
 さっきのなのはとフェイトにあてられたのだろうか、急激に沸き起こる衝動に勝てなくて、すずかのことを抱きしめてしまった。
 すずかと二人きりなら、いつもよりかは、自分に素直になれる気がする。
「ふふ・・・、アリサちゃん・・・暖かい・・・」
 沸騰する顔を見られないようぎゅぅ、と頭を抱きしめながら、余計なことは言わなくていいの! と窘める。
「また・・・みんな一緒だね・・・」
「またいつものいちゃべたを見せつけられると思うとうんざりするけどね・・・」
 うんざりするけど、すっごくイライラするけど。それでもやっぱり、みんなで一緒にいるのが一番いい。二人がいない時間で、そう思った。
 一緒に居たら、またそれで「あの時は何であんなこと考えたんだろう」って思うかもしれないけど。それでも。
 ずっと友達でいたい。その想いだけは、多分ずっと変わらないから。


 なのはと手を繋いでの帰り道。
 私はある決意を以て、この道を歩いている。
 緊張で手と足は震えてるし、心臓はばっくんばっくんいって暴れてる。
 握ってる手はもう私の汗でべったり。・・・・・・なのは、嫌がってるだろうな。
 言おう言おうと思っているのに、そのタイミングを掴めない。だけど、なのはの家はどんどん近くなっていく。
 あの角を曲がったら言おう、あの電柱を通り過ぎたら言おう、そうやって、もうどれ程の距離を過ぎ去ったのか。
 気が付けばもう、彼女の家に着いてしまっていた。
「じゃあ、また明日。フェイトちゃん」
「うん・・・」
 私は、なのはの手を離すことが出来なかった。
「どしたのフェイトちゃん? 泊まってく?」
 それは、とても魅力的な提案だったけど、私は涙を呑んで首を横に振った。
 口を開くのに、声が、出ない。どうして、あと一歩の勇気が出てきてくれないんだろう。
 自分が情けなくて、泣きそうになり、俯いてしまう。
 すると、なのはが握っていた手にきゅっと力を込めてくれた。
 はっ、としてなのはを見ると、私を包みこむ天使の微笑みが。
 ・・・・・・そうだよね。もう、信じるって決めたんだもんね。
 想いは、同じだから。
「なのはっ!」
「なぁに、フェイトちゃん?」
 そして私は、始まりを始める為の言葉を紡ぐ。

「明日、来て欲しいところがあるんだ・・・」




(第十三話 ⑤ に続く)


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≪MEMBER≫
高町きよ:高町屋代表。企画・二次原案担当。とにかく筆が遅い。ふと気が付くと、脳内ではなのはとフェイトがいちゃいちゃしている。

木村由宇:高町屋絵師。HP管理人。振り回される方。苦労人。気が付けば一番精力的。どんなに忙しくても締め切りはちゃんと守る。見習え、代表。

幼専士タチバナ:真性のロリコン。ここ最近の高町屋の影の功労者。事務能力皆無の代表をサポートすべく、イベント参加率は絵師より高いかも。

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